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訪問リハビリの指示書とは?役割や訪問リハビリを開始する流れを解説

公開日:2026.01.08

訪問リハビリの指示書とは?役割や訪問リハビリを開始する流れを解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

訪問リハビリを利用するにあたって、さまざまな書類による手続きが必要になります。そのなかで、訪問リハビリの指示書にはどのような役割があるのか知りたい方はいませんか?指示書は、医師が訪問リハビリを実施することを指示するために使用する書類です。

この記事では、指示書の役割や訪問リハビリを開始するにあたっての流れをご紹介します。どのような書類なのかを知ることで、訪問リハビリをスムーズに開始するきっかけとなるでしょう。

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訪問リハビリで使用する指示書とは?

訪問リハビリで使用する指示書とは、医師が理学療法士や作業療法士などに対してリハビリの実施を指示するための書類です。訪問リハビリは医師の指示のもとで実施する必要があり、それを証明するのが指示書です。

実際の現場では、法的に指示書の作成が義務付けられているわけではありません。しかし医師の指示内容を明確化し、監査対応や質の高いサービスを提供するために、多くの事業所で指示書を作成しています。

訪問リハビリの指示書の内容

訪問リハビリの指示書の内容

訪問リハビリの指示書は、利用者の基本情報から医師の具体的な指示まで、幅広い内容が記載されています。指示書はとくに様式は定められていないため、各事業所がオリジナルの書式を使用していますが、記載すべき基本的な項目はおおむね決まっています。記載内容の具体例としては、以下のとおりです。

● 利用者の氏名・年齢・住所などの基本情報
● 疾患名
● 既往歴
● 現在の治療経過
● 服薬状況
● 訪問リハビリの目的
● リハビリの実施内容
● 中止する際の基準
● 緊急連絡先
● 指示した医師の名前・日付

これらの内容を適切に記載することで医師の指示が明確になり、利用者一人ひとりに適したリハビリを提供できるのです。

訪問リハビリを開始するきっかけ

訪問リハビリを開始するきっかけは、おもに以下の3つのパターンに分けられます。

1.医師が訪問リハビリの必要性があると判断した
2.利用者や家族から訪問リハビリの利用希望がある
3.ケアマネジャーから訪問リハビリを提案される

1つ目は、入院中の患者さんが退院を控えている場合や、外来診療で身体機能の低下がみられる場合などに判断されます。2つ目は、自宅での生活に不安を感じていたり、身体機能の維持・向上を図りたいと考えたりする場合に、訪問リハビリのサービスを求められるケースです。3つ目は、ケアプランを作成する際に利用者の状態や生活環境を判断し、在宅でのリハビリが有効だと考えられる場合に提案されます。

【ケース別】訪問リハビリを開始する流れ

【ケース別】訪問リハビリを開始する流れ

訪問リハビリを開始するきっかけを踏まえたうえで、どのような流れでサービスが進められるのでしょうか。ここでは訪問リハビリを開始する流れについて、ケース別に分けて解説します。

事業所内に主治医がいる場合

事業所内に主治医がいる場合の訪問リハビリの流れは、以下のとおりです。

1.医師が利用者を診療し、利用者は定期的に受診する
2.医師がリハビリ職に対して具体的な指示を出し、指示書を作成する
3.リハビリ職が医師の指示にもとづいて訪問リハビリを実施する

事業所内に主治医がいる場合、訪問リハビリを開始するまでの流れはもっともスムーズといえます。このパターンでは医師とリハビリ職が同じ事業所内にいるため、利用者の状態変化に応じた指示の修正や追加を行いやすいのがメリットです。

外部の医療機関に主治医がいる場合(事業所内の医師が診療を行うパターン)

外部の医療機関に主治医がおり、事業所内の医師が診療を行う場合の訪問リハビリの流れは、以下のとおりです。

1.利用者が外部の医療機関を定期受診し、主治医が診療を行う
2.外部の主治医が事業所の医師に情報提供を行う
3.その情報をもとに事業所の医師が、訪問リハビリのために利用者の診療を行う
4.リハビリ職に具体的な指示を出す
5.リハビリ職がその指示にもとづいて訪問リハビリを実施する

このパターンでも事業所の医師が直接診療を行うため、利用者の状態を適切に把握したうえで指示を出せるメリットがあります。

外部の医療機関に主治医がいる場合(事業所内の医師が診療を行わないパターン)

外部の医療機関に主治医がおり、事業所内の医師が診療を行わない場合の訪問リハビリの流れは、以下のとおりです。

1.利用者が外部の医療機関で定期受診を行う
2.主治医が診療情報提供書を事業所の医師に提供する
3.事業所の医師はその情報をもとに、リハビリ職へ具体的な指示を出す
4.訪問リハビリを実施する

このパターンでは事業所内の医師による直接的な状態確認ができないため、外部の主治医との密な情報共有が重要です。定期的な情報提供を受けながら、利用者の安全で効果的な訪問リハビリを実施する必要があるでしょう。

訪問リハビリ開始後の流れ

訪問リハビリのサービス開始後は、まずリハビリ職が利用者の自宅を訪問し、心身機能や日常生活の様子などを詳しく評価します。この評価結果をもとにリハビリ計画書を作成し、利用者に適したリハビリプログラムを組み立てます。

実際の訪問リハビリでは、作成した計画書に沿ってリハビリを実施し、3か月ごとに再評価を行うのが基本です。また定期的にリハビリ会議を開催し、ケアマネジャーやほかの関係者と進捗状況を共有することで、多職種連携による包括的なサポートをします。

訪問リハビリの指示書の有効期限は?

訪問リハビリの指示書の有効期限は、医師の診療日から起算して3か月以内とされています。外部の医療機関から診療情報提供書を受け取る場合も、その医師の診療日から3か月を目安として設定することが重要です。ただし、現場でよく問題となるのが以下のようなケースです。

● 診療日が記載されていない
● 希望した日付を記載してもらえない
● 診療がいつ行われたか確認できない

これらは外部の医療機関とのやり取りで発生しやすいので、日頃から良好な関係性を築きつつ、連携を円滑化することが大切です。

訪問リハビリ指示書以外の書類

訪問リハビリのサービスでは、指示書以外にもさまざまな書類を使用します。ここでは指示書以外で使用する書類について解説します。

リハビリテーション計画書

リハビリテーション計画書は、利用者の状態やリハビリの進捗を詳細に記録し、関係者間で情報を共有することを目的とした書類です。利用者の状態や生活環境を踏まえた具体的なリハビリ内容を明確にするためには、このリハビリ計画書が欠かせません。

リハビリ計画書には利用者の基本情報やリハビリの目標と方針などを記載します。さらに、計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて見直しを行うことも重要な役割です。

診療情報提供書

診療情報提供書は、外部の医療機関から訪問リハビリ事業所に対して、利用者の情報を提供するために使用する書類です。かかりつけ医が別の医療機関にいる場合や事業所の医師が利用者を直接診療していない場合、この診療情報提供書によって情報連携を図ります。この書類には、以下のような内容が記載されています。

● 利用者の現行歴
● 現在の状況
● 既往歴
● 治療経過
● 合併疾患の有無とコントロール状況

このように、診療情報提供書は指示書を補完する重要な情報源であり、訪問リハビリの実施を支える役割を担っている書類です。

訪問リハビリの指示書の意義をおさえておこう

訪問リハビリの指示書は、リハビリ職に具体的な内容を指示するために重要となる書類です。指示書には利用者さんに関する細かな情報が記載されており、書式は事業所ごとに異なります。

状況によって、訪問リハビリの開始の流れが異なる点も注意する必要があります。ぜひ今回の記事を参考にして、指示書の意義をおさえておきましょう。

参考

日本訪問リハビリテーション協会|よくある質問と回答

【監修者コメント】
訪問リハビリテーションは、在宅で生活する利用者の機能維持・回復を支える重要なサービスであり、その提供には医師の指示が不可欠です。指示書は単なる形式的な書類ではなく、リスク管理、リハビリの適切性、他職種との連携を支える中核的な役割を担っています。利用者の状態変化に応じた柔軟な対応や、医療と生活の接点に立つリハビリ職の専門性を活かすためにも、医師の意図が的確に伝達される仕組みが求められます。制度的要請だけでなく、質の高い在宅支援を実現するための基盤として、医師の指示とそれを裏付ける文書の意義を改めて見直すことが重要です。

 

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

関 勇宇大(理学療法士)

監修:関 勇宇大(理学療法士)

2014年、理学療法士免許を取得。回復期リハビリテーション病院にて、脳血管障害患者を中心にリハビリテーション計画を立案し、早期社会復帰を支援。訪問リハビリでは、在宅療養者とその家族に対し、生活環境に即した個別支援を提供。臨床経験で培った専門的知見をもとに、現在は医療ライターとして活動。運動療法クラウドサービス『リハサク』では、運動メニューの解説・動画制作も担当し、医療と表現の両面から、実用性と信頼性の高い情報発信を行っている。

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