手首骨折のリハビリ内容は?症状や原因、おもな治療法も解説
公開日:2026.02.09

文:内藤 かいせい(理学療法士)
手首骨折を発症した場合、どのようなリハビリが行われるのか知りたい方はいませんか?手首骨折の代表的な骨折が「橈骨遠位端骨折」であり、受傷の程度によって治療内容やリハビリの流れが変わります。
この記事では、手首骨折の概要や治療中・治療後のリハビリをご紹介します。どのようなリハビリを行うのかを知ることで、骨折後の経過に応じた対応ができるでしょう。
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目次
代表的な手首骨折が「橈骨遠位端骨折」
手首の骨折にはいくつか種類がありますが、もっとも代表的なものが「橈骨(とうこつ)遠位端骨折」です。これは前腕にある2本の骨のうち、親指側にある橈骨が手首の付け根付近で折れてしまった状態のことです。橈骨遠位端骨折は、さらに以下の骨折に分類できます。
・スミス骨折
コーレス骨折とは、橈骨が手の甲の方向に折れた状態で、おもに転倒時や転落時に手をついたときに発症します。一方で、スミス骨折は手のひら方向に骨折した状態で、手の甲側で地面につくときに発症しやすいです。頻度としては、スミス骨折よりもコーレス骨折の方が高い傾向にあります。
手首骨折の症状

手首を骨折したときに多くみられる症状は、激しい痛みと腫れです。転んで手をついた瞬間に強い痛みが走り、手首を思うように動かせなくなります。やがて手首周辺が大きく腫れ、内出血によって皮膚が紫色に変色することもあります。
また、骨のズレが大きい場合は、手首が変形するケースも珍しくありません。さらに折れた骨や腫れが近くを通る神経を圧迫すると、手のしびれが現れることもあります。転倒したあとにこのような症状がある場合は、骨折している可能性が高いといえます。
【年齢別】手首骨折の原因
手首骨折は、どのような原因で起こりやすいのでしょうか。ここでは、年齢別に応じた手首骨折の原因について解説します。
【若い方】転落・スポーツなどの高負荷によるものが多い
若い世代ではスポーツ中の激しい接触や交通事故など、手首に強い力が加わったときに骨折が発生する傾向にあります。若い方は骨の強度が高く丈夫なため、日常生活で軽く手をついた程度で簡単に折れることは少ないでしょう。
しかし、強い力によって発症する分、骨折の仕方も複雑になりがちで、靭帯や神経も損傷するケースもあります。活動量が多い世代だからこそ、大きな事故やケガには十分な注意が必要です。
【高齢者】骨粗鬆症によるものが多い
高齢者における手首骨折は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)によって骨がもろくなることがおもな原因です。年齢を重ねると骨の強度が低下するため、若いときならケガをしないような弱い衝撃でも、簡単に骨折してしまいます。日常生活のなかでよくある原因として、以下のような場面があげられます。
・足元のコードに足を取られて手をついた
・歩いているときにふらついて手をついた
このように、転んだときの力でも骨が折れやすいのが高齢者の特徴です。骨折を防ぐためには、住環境を整えて転倒を予防することや、日頃から骨のケアを心がけることが大切です。
手首骨折を発症した場合の治療法

手首骨折を発症した際は、早期に医療機関を受診して適切な治療を受けることが重要です。ここでは、具体的な治療法を解説します。
保存療法
保存療法は、手術を行わずに治療をする方法です。骨のズレが少ないケースや、骨を元の位置に戻せる場合は保存療法が選ばれます。手首骨折の場合、ギプスや添え木などで骨を固定する方法が中心です。
具体的な処置としては、まず麻酔を使って痛みを和らげたあと、骨のズレを整えます。骨が正しい位置に戻ったら、ギプスや添え木でしっかりと固定し、骨がくっつくのを待ちます。定期的にレントゲン検査を行い、骨の位置が変わっていないか慎重に確認しながら治療を進めることが大事です。
手術療法
骨折の程度が強く、骨のズレが大きい場合は手術による治療が行われます。手術では、皮膚を切開して骨を正しい位置に戻したあと、金属製のプレートやボルトなどを使って直接骨を固定します。
手術は身体への負担はかかりますが、骨をしっかり固定できるため、治療期間を短縮できるのが大きなメリットです。そのため、仕事や家事で早期に手を使いたい方や、活動的な生活を送っている方は手術が推奨されるケースもあります。術後は骨が安定しているため、保存療法よりも早い段階からリハビリを開始できます。
手首骨折の治療中・治療後のリハビリ

手首骨折の治療中・治療後ではどのようなリハビリが行われるのでしょうか。ここでは、具体的なリハビリの内容をご紹介します。
【ギプス固定中】むくみ予防のための運動
ギプスで固定している期間中は、患部のむくみを予防するための運動を行います。手首を動かせない状態が続くと腕の血流が滞り、手がむくみやすくなります。このむくみを放置すると指の関節が固まりやすくなり、ギプスが外れたあとの回復が遅れる原因になるのです。
浮腫予防の運動の例として、手を心臓より高い位置に上げることがあげられます。手を上げることで血流が心臓に戻りやすくなり、浮腫の改善につながります。手を上げると同時に、固定されていない指先を動かして血流を促すことも大切です。
手首・指の運動
ギプスが外れたあとや手術後は、硬くなった関節や衰えた筋肉を改善するために、手首と指の運動を行います。おもな手首・指の運動としては、以下のとおりです。
・それぞれの指を離すように手を広げる
・親指と人差し指〜小指をくっつける
・手首を手のひら側・手の甲側に動かす
・手首を左右にひねる
・ボールを強く握る
最初は思うように動かないかもしれませんが、毎日根気よく続けることで徐々に動きがスムーズになります。
手首のストレッチ
ギプス固定や手術で固まった手首の動きをよくするには、ストレッチも効果的です。ストレッチによって筋肉が伸張されて、柔軟性の改善につながります。手首のストレッチ方法としては、以下のとおりです。
1.右手を前に出し、手のひらを上にする
2.左手で右の手をつかむ
3.左手で右の手首を手の甲側に曲げる
4.曲げた状態を20秒ほどキープする
5.反対の手で行う
【手首のストレッチ:その2】
1.右手を前に出し、手の甲を上にする
2.左手で右の手をつかむ
3.左手で右の手首を手の平側に曲げる
4.曲げた状態を20秒ほどキープする
5.反対の手で行う
ストレッチをする際は、強い痛みが出ない範囲で行いましょう。
手首骨折の治療期間はどのくらい?

手首骨折の治療にかかる期間は、骨折の程度や選ぶ治療内容によって大きく異なります。ギプスで治す保存療法の場合、骨がくっつくのを待つために数週間以上の固定期間が必要です。ギプスが外れたあとも、固まった関節をほぐすリハビリを行うため、もとの生活に戻るまでには時間がかかるでしょう。
一方で、手術を選んだ場合は早ければ手術後数日で退院して自宅に戻れることもあります。早期から手を使えるようになるので、社会復帰までの期間を短縮しやすいのが特徴です。ただし、スポーツや重労働への復帰を目指すのであれば、さらに長い期間が必要になります。骨が激しい動きに耐えられるようになるまでは、焦らずじっくりと治療に取り組むことが大切です。
手首骨折のリハビリ内容を知っておこう
手首骨折は橈骨遠位端骨折が代表的で、手を強くつくことで発症します。とくに高齢者は骨粗鬆症を発症している方もいるため、若い方よりも手首を骨折しやすい傾向にあります。
手首骨折を発症したら治療を受け、状態に応じたリハビリを実施することが重要です。ぜひ今回の記事を参考にして、手首骨折のリハビリ内容をおさえておきましょう。
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