ケアマネの資格は廃止される?誤解の理由やケアマネが今後活躍するための方法を解説
公開日:2026.02.08 更新日:2026.02.09

文:内藤 かいせい(理学療法士)
ネットやSNSで「ケアマネの資格は廃止される」という情報を聞いて、それが本当なのか気になる方もいるのではないでしょうか。実際は廃止されるわけではなく、さまざまな制度の改定がきっかけでそのような噂になったと考えられます。
この記事では、ケアマネの資格が廃止されると誤解された理由や、今後のケアマネの展望について解説します。現在のケアマネの状況を知ることで、今後の方向性が明確となるでしょう。
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目次
ケアマネの資格は廃止される?
結論からいうと、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格が廃止されるわけではありません。「ケアマネは廃止になる」という噂を聞いて不安に感じる方もいるでしょう。しかし、これは制度の変更にともなう誤解によるものと考えられます。
詳細は後述しますが、制度の変更の影響で一時的に受験者数や合格者数が減った時期があり、それが廃止の憶測につながったのです。そのため、これからケアマネを目指す方やケアマネとして働いている方は過度に心配する必要はないといえます。
ケアマネの資格が廃止されると誤解された3つの理由

ケアマネの資格が廃止されると誤解された理由として、以下の3つがあげられます。
2.科目免除の廃止による合格率の低下
3.主任ケアマネの配置義務
ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
1. 受験資格の変更にともなう受験者数の減少
1つ目は、受験資格の変更にともなって受験者数が減少したことです。以前は、医療や介護関係の資格がなくとも、業務経験を積めばケアマネの試験を受けられました。しかし、2018年の制度改正により、介護福祉士をはじめとした国家資格を取得したうえでの実務経験が求められるようになりました。この変更により、ケアマネの試験を受験する人数が減少してしまったのです。
実際に、制度変更前の2017年の受験者が約13万人であるのに対して、翌年は約5万人と受験者数が半分以下に減少しています。このような理由によって、「このまま資格自体がなくなってしまうのではないか」という憶測が広まったと考えられます。
2. 受験科目の免除廃止による合格率の低下
2つ目は、受験科目の免除廃止により試験合格率が低下したことです。以前のケアマネの試験では、介護福祉士や看護師など特定の国家資格を保有していれば、一部の科目が免除されるルールがありました。しかし、2015年度からこの免除制度が廃止され、受験者全員がすべての問題を解くことになったのです。その結果、勉強範囲が広がり試験の難易度が上がりました。
実際に、免除の廃止後の試験合格率は、免除廃止前と比較して低下傾向にあります。この免除廃止により、「ケアマネがいつかなくなってしまう」と不安に思う人が増えたと考えられます。
3. 主任ケアマネの配置義務
3つ目は、主任ケアマネの配置義務が生まれたことです。主任ケアマネとは、通常のケアマネとして実務経験を積んだあとに特定の研修を受けて取得できる上位の資格です。2018年度の制度改正により、居宅介護支援事業所の管理者になるには主任ケアマネの資格が必要になりました。
この変更で管理者になれるハードルが上がったことで、一般のケアマネジャーの将来性に疑問を感じる方が出てきたと考えられます。ただし、当時は主任ケアマネの割合が少ないこともあり、その後の議論によって配置義務の猶予期間が2027年の3月まで延長されています。
今後もケアマネの役割が重要となる根拠

ケアマネの資格が廃止されることはなく、それどころか今後重要な役割を担う可能性があります。ここでは、ケアマネの役割が重要となる根拠について解説します。
高齢化にともない需要が高まりやすい
高齢化にともない、ケアマネの需要は今後高まっていくことが予想されます。実際に、2037年には高齢率が約33%になり、3人に1人が65歳以上となるとされています。日本の高齢化が進めば、介護サービスを必要とする方も増加するでしょう。
介護サービスをうまく利用するためには、ケアマネの存在は欠かせません。ケアマネは今後も仕事がなくなる心配はなく、むしろ将来性のある職業として活躍できると考えられます。
AIによる完全代替ができない
ケアマネの仕事は、AIによって完全に代替できない点も強みの一つです。AIが進歩したことにより、さまざまな職種で代替されるようになった仕事が増加傾向にあります。ケアマネの業務も例外ではなく、事務作業や一部の仕事ではAIを活用しているケースもあるでしょう。
しかし、ケアマネの仕事で大切なのは、利用者さんやご家族と信頼関係を築き、適切なケアプランを提供することです。たとえば、会話のなかで本音を感じ取る、複雑な家庭の事情を汲み取って解決策を提案するなどの対応はAIには難しいでしょう。技術が発展しても、人に寄り添ったサポートができるケアマネはこれからも必要とされると考えられます。
キャリアアップを目指せる
ケアマネは、資格取得後もキャリアアップが目指せる点も大きな魅力です。現場で経験を積み重ねれば、より専門性の高い上位資格へステップアップしたり、管理職に就いたりするキャリアが用意されています。
代表例として、先ほど解説した主任ケアマネの取得があげられます。主任ケアマネになれば事業所の管理者として働けるため、給与アップや待遇改善が期待できるでしょう。さらに、独立して自分の事業所を立ち上げる選択肢も増えます。このように、ケアマネは将来の活躍の場を十分に広げられる資格といえます。
ケアマネの待遇改善も進められている

ケアマネの待遇改善は、現在進行形で進められています。具体的には、給与アップに向けた処遇の見直しや、書類作成などの事務負担を減らすためのデジタル活用の推進などです。また、ケアマネの更新制度についても、その見直しや廃止を含めた議論が行われています。
ケアマネは廃止どころか待遇改善が検討されているため、将来的に今よりもさらに働きやすく、魅力的な職種になることが期待できるでしょう。
今後もケアマネとして活躍するためには?

今後もケアマネとして活躍するためには、どのようなことを意識すべきなのでしょうか。ここでは、具体的なポイントについて解説します。
制度について十分に理解しておく
ケアマネジャーとして長く活躍するためには、制度について正しく理解しておくことが重要です。介護保険制度やそれに関連する法律は、社会の状況にあわせて都度見直されています。とくに介護報酬の改定や運営基準の変更は、日々の業務に直結するポイントといえるでしょう。
このような制度の変化に対応できないと利用できるサービスを見落とし、利用者さんを混乱させてしまう恐れがあります。最新の情報をしっかりと把握し、制度の変更点をおさえておくことで、一人ひとりの状況にあわせたプランを提案できます。
積極的に自己研鑽をする
ケアマネの資格を取得したあとも、積極的に自己研鑽に励むことが大切です。ケアマネの試験の合格はゴールではなく、スタートラインといえます。自己研鑽を辞めてしまうと自分の持っている知識が古くなり、利用者さんにとって最善の支援ができなくなる恐れがあります。
自己研鑽の方法として、勉強会や研修会に参加する、事例検討会を行うなどがおすすめです。向上心を持ってスキルを磨き続けることで、信頼されるケアマネとして活躍できるでしょう。
今後のキャリアについても考えておく
これからのキャリアプランを早めに考えておくことも、ケアマネとして長く活躍するポイントです。ただ目の前の業務をこなすだけでは、自分の将来の選択肢を広げることは難しいです。将来の目標を持つことで、今やるべきことや身につけるべきスキルが明確になります。
たとえば、主任ケアマネを目指すのであれば、実務経験だけでなく後輩への指導やチームをまとめるマネジメントスキルも養う必要があります。将来的に独立したいと考えているなら、経営や運営に関する知識も少しずつ学ぶ必要があるでしょう。長期的な視点で自分のキャリアを見据えることで、モチベーションを高く維持しながらステップアップできます。
ケアマネの資格は廃止するわけではない
ケアマネの資格は廃止されるわけではなく、制度の改正によって生じた誤解がきっかけと考えられています。ケアマネ試験の条件は難しくなっているものの、待遇改善が進められて働きやすい環境が整いはじめています。
また高齢化が進んでいるなか、ケアマネの役割は今後も重要となる可能性が高いです。これからもケアマネとして活躍するためには、制度の変更をしっかり把握したうえで、将来のキャリアについて考えることが重要です。
参考
厚生労働省|第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
厚生労働省|宅介護支援の管理者要件に係る経過措置及び地域区分について
内閣府|高齢化の状況
厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
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