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高次脳機能障害のリハビリ|ゲーム形式で気軽に行えるおすすめの内容をご紹介

公開日:2026.07.24

高次脳機能障害のリハビリ|ゲーム形式で気軽に行えるおすすめの内容をご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

高次脳機能障害に対して、ゲーム感覚で行えるリハビリがないか知りたい方はいませんか?高次脳機能障害は失語症や注意障害などの脳機能に関する障害の総称で、改善のためにはリハビリが重要です。

この記事では、高次脳機能障害のおもな種類やゲーム形式でできるリハビリ内容をご紹介します。どのようなリハビリがあるのかを知ることで、日々の臨床に取り入れられるでしょう。

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高次脳機能障害に対するリハビリの重要性

高次脳機能障害の回復を目指すうえで、リハビリは重要な役割を担っています。脳には一度傷ついても、残された神経が新しいネットワークを作ることで機能を回復させようとする力があるとされています。この働きを促すためには、早期から適切なリハビリを行うことが重要です。

実際に、リハビリの継続によって一定の割合で改善がみられたという報告もあります。症状や回復のスピードには個人差がありますが、早い段階からリハビリを積み重ねることで、機能の改善は十分に期待できるのです。

高次脳機能障害のおもな種類

高次脳機能障害のおもな種類

高次脳機能障害の種類として、おもに以下のものがあります。

  • • 失語症
  • • 記憶障害
  • • 注意障害
  • • 遂行機能障害

ここでは、それぞれの種類について詳しくみていきましょう。

失語症

失語症とは、「聞く・話す・読む」などの言葉に関する機能がうまく働かなくなる障害です。失語症にはいくつか種類があり、それぞれ症状が異なります。代表的な失語症の種類として、以下のタイプがあげられます。

  • • 運動性失語(ブローカ失語)
  • • 感覚性失語(ウェルニッケ失語)
  • • 全失語

運動性失語は、相手の言葉は理解できますが、言葉がスムーズに出てこない状態です。感覚性失語は、話すことはできますが、相手の話を理解するのが難しい状態です。全失語は、言葉の理解と発話の両方が重度に障害された状態で、コミュニケーション全般が困難になります。

記憶障害

記憶障害とは、記憶に関する機能が障害されている状態です。この障害は単なるもの忘れとは異なり、生活に必要な情報もうまく思い出せなくなるのが特徴です。記憶障害の症状の例としては、以下のとおりです。

  • • 少し前に聞いた話を忘れて同じ質問を繰り返す
  • • 新しい予定や約束を覚えられない
  • • 大切な物をどこにしまったか分からなくなる
  • • 過去の体験や思い出が抜け落ちてしまう

記憶障害に対してはリハビリだけでなく、周囲の人がサポートすることで、安心して生活できる環境を整えることも重要です。

注意障害

注意障害とは、注意に関する機能が低下する障害です。注意障害があると集中力が散漫になり、日常生活にさまざまな影響をきたします。具体的な症状としては、以下があげられます。

  • • 作業に集中できず飽きてしまう
  • • 周囲の話し声や物音に気を取られて目の前の作業が進まない
  • • 電話しながらメモを取るなど、二つのことを同時に行いにくくなる

注意障害を発症するとミスが増え、作業の効率が低下しやすくなります。

遂行機能障害

遂行機能障害とは、以下のような一連の行動がスムーズにできなくなる障害です。

  • • 目標を決める
  • • 計画を立てる
  • • 効率的に実行する
  • • 結果を振り返る

日常生活や仕事では、段取りを組んで作業を進める機会が多いです。しかし、この機能が低下すると段取りをうまく組めず、計画通りに行動できなくなります。具体的には料理に時間がかかる、急な予定変更に対応できなくなる、などがあげられます。遂行機能障害によって自分でもどう動けばいいのか分からず、自信を失ってしまうことも少なくありません。

ゲーム形式で行える高次脳機能障害のリハビリ7選

ゲーム形式で行える高次脳機能障害のリハビリ7選

リハビリは高次脳機能を回復させるために繰り返し行うことが重要ですが、単調な内容ばかりではモチベーションを保つのが難しいこともあります。しかし、以下のようなゲーム形式で行えるリハビリであれば楽しみながら取り組めるので、継続しやすくなります。

  1. 1. 間違い探し
  2. 2. しりとり
  3. 3. 計算問題
  4. 4. 後出しじゃんけん
  5. 5. 数字記憶
  6. 6. 神経衰弱
  7. 7. 組み立て作業

ここでは、それぞれのリハビリ内容についてご紹介します。

1. 間違い探し

間違い探しは、注意障害のリハビリとしておすすめのゲームです。間違い探しでは左右の絵を見比べて異なる箇所を見つけるため、視線を大きく動かし、細部まで注意を向けることが求められます。

最初は間違いの数が少ない簡単なものからはじめ、慣れてきたら難易度を上げたり制限時間を設けたりするとよいでしょう。

2. しりとり

しりとりは、失語症の方の言葉を引き出す練習や、記憶力のトレーニングに適したゲームです。しりとりでは、相手の言った言葉を一時的に記憶し、その最後の文字からはじまる単語を声に出すという作業が求められます。

しりとりがスムーズに行える場合は、「食べ物限定」「3文字の言葉限定」などのルールを追加するのもよいでしょう。

3. 計算問題

計算問題は集中力を高めるのにおすすめのゲームです。単純な暗算だけでなく計算機を使うなど、方法を変えることで脳のさまざまな領域を活性化しやすくなります。リハビリでは一桁の足し算や引き算など、確実に解けるレベルからスタートしてみましょう。

慣れてきたら徐々に桁数を増やす、計算機を用いた難易度の高い計算をするなど、バリエーションを増やすと効果的です。

4. 後出しじゃんけん

後出しじゃんけんは、瞬時の判断力や行動をコントロールする能力を養えるゲームです。通常のじゃんけんとは異なり、後出しでは「相手の手を見てから考えて判断する」という工程があるため、瞬時の情報処理が求められ、脳が活性化しやすくなります。後出しじゃんけんは特別な道具が不要で、2人いればいつでもはじめられるのがメリットです。

慣れてきたらリズムを速くする、手だけでなく足を使うなどの工夫によって、飽きずに楽しく脳を鍛えられるでしょう。

5. 数字記憶

数字記憶は、短期記憶力を鍛えられるトレーニングです。具体的なやり方としては、こちらが読んだ3〜4桁の数字を、そのまま繰り返してもらうことからはじめます。慣れてきたら逆から答えてもらう(1・3・5→5・3・1)、桁数を増やしてみるなどで難易度を上げていきましょう。

数字記憶を繰り返すことで記憶力が向上し、買い物での金額計算や電話番号を覚えるなど、日常生活に必要な能力が養われます。

6. 神経衰弱

トランプを使った神経衰弱は、記憶障害と注意障害の両方にアプローチできるゲームです。カードの場所と数字を覚えるだけでなく、めくったカードをしっかり見ておく集中力が求められるため、脳全体を活性化できます。

リハビリとして行う際は、最初からすべてのカードを使うのではなく、枚数を減らして行うのがポイントです。少ない枚数からはじめれば成功しやすく、モチベーションも維持しやすくなります。ご家族や友人と一緒に行えば、コミュニケーションの練習にもなるでしょう。

7. 組み立て作業

ブロックや手芸キットなどを使った組み立て作業は、遂行機能障害のリハビリになります。バラバラの部品を一つの作品に仕上げるためには、完成形をイメージし、正しい手順を計画して実行する能力が求められます。組み立て作業であれば、物事を順序立てて進める練習が自然に行えるでしょう。

また、指先を細かく動かすことは脳へのよい刺激となり、集中力を高めることにもつながります。最初は部品が少なく簡単なものからはじめ、少しずつ複雑なものへとステップアップしていくのがポイントです。

高次脳機能障害のリハビリになるゲームを実践してみよう

高次脳機能障害は失語症や注意障害など、さまざまな種類があります。高次脳機能障害は日常生活に支障をきたしやすいものの、リハビリによって改善が期待できます。

そのため、早期からリハビリを行うことが重要です。ぜひ今回の記事を参考にして、高次脳機能障害のリハビリになるゲームを取り入れてみましょう。

参考

国立障害者リハビリテーションセンター|高次脳機能障害の標準的リハビリテーションプログラム
慶應義塾大学病院|高次脳機能障害のリハビリテーション
関西福祉科学大学|失語症とは?言語聴覚士が関わる失語症について
国立障害者リハビリテーションセンター|医学的リハビリテーションプログラム
国立長寿医療研究センター|脳を鍛えるゲーム 機能紹介と使い方

【監修者コメント】
高次脳機能障害は、脳の損傷によって生じる記憶障害、注意障害、遂行機能障害、失語などの認知機能の問題を指し、日常生活や社会生活にさまざまな影響を及ぼすことがあります。これらの症状は外見からは分かりにくい場合も多く、本人や周囲の方が戸惑いを感じることも少なくありません。そのため、症状の特徴を理解し、適切なリハビリテーションや環境調整を行うことが大切です。本記事で紹介されているようなゲーム形式の課題は、楽しみながら認知機能を使う機会を作れる点が大きな利点です。単調になりやすいトレーニングでも、ゲームの要素を取り入れることで取り組みやすくなり、継続につながりやすくなります。ただし、高次脳機能障害の症状や程度は一人ひとり異なるため、同じ方法がすべての方に適しているとは限りません。課題の難易度や内容は、本人の状態や疲労の程度、生活環境などに合わせて調整することが重要です。
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