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間質性肺炎のリハビリは?症状・原因やリハビリ時の注意点も解説

公開日:2026.07.26

間質性肺炎のリハビリは?症状・原因やリハビリ時の注意点も解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

間質性肺炎に対するリハビリには、どのようなリハビリがあるのか知りたい方も多いのではないでしょうか。間質性肺炎の治療方法はさまざまですが、そのなかでもリハビリは身体機能を維持・改善するために欠かせないものです。

この記事では、間質性肺炎に対するリハビリ内容やその注意点を解説します。具体的な内容を知っておけば、臨床のリハビリに役立つでしょう。

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間質性肺炎の症状

間質性肺炎とは、肺を支える役割のある「間質」と呼ばれる組織に炎症や線維化が起こる疾患のことです。間質性肺炎の代表的な症状は、身体を動かしたときに感じる息切れと、痰がからまない咳です。安静時は症状が目立たなくても、坂道や階段を登るとき、または入浴や排泄などの日常の動作で息苦しさを感じやすくなります。また、咳は「コンコン」という乾いた音が続く「乾性咳嗽(かんせいがいそう)」が特徴です。

初期の段階では自覚症状がほとんどないこともありますが、病気が進行して炎症が悪化すると少しずつ症状が現れはじめます。風邪がきっかけで症状が急に悪化する恐れもあるため、普段と違う息苦しさを感じたら早めの受診が大切です。

間質性肺炎の原因

間質性肺炎の原因

間質性肺炎が起こるきっかけはさまざまで、原因を特定できるケースとそうでないケースの2つに大きく分けられます。原因が特定できるものとしては、以下のようなものがあげられます。

  • • ホコリやカビ、ペットの毛などの吸入
  • • 関節リウマチをはじめとした膠原病
  • • 薬やサプリメントの副作用

一方で、詳しく検査をしても原因が特定できない場合も少なくありません。その場合の間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」と呼び、国の指定難病に認定されています。

間質性肺炎の治療方法

間質性肺炎の治療方法

間質性肺炎の治療方法として、おもに以下があげられます。

  • • 薬物療法
  • • 酸素療法
  • • 運動療法(リハビリ)
  • • 栄養管理

ここでは、それぞれの治療方法について詳しく解説します。

薬物療法

間質性肺炎に対しては、病気のタイプや進行具合にあわせて飲み薬を使った治療が行われます。ただし、すべての患者さんに同じ薬を使用するわけではありません。原因がはっきりしている場合はその要因に対処できる治療が優先されますが、原因が特定できない場合は病気の進行を抑えることがおもな目的となります。

代表的な薬の一つに、肺の線維化を緩やかにする「抗線維化薬」があります。これは、原因不明で肺が硬くなる特発性肺線維症の治療で第1選択となることが多い薬です。また肺の中で炎症が強く起きている場合、それを鎮めるためのステロイド薬や免疫抑制薬を使用することもあります。

酸素療法

病気が進行して肺の機能が低下すると、身体に十分な酸素を取り込めなくなることがあります。このような場合、チューブなどを用いて鼻から不足している酸素を補うのが酸素療法です。血液中の酸素が不足した状態が続くと心臓に負担がかかるため、酸素療法によってそれを防ぎます。間質性肺炎の方は動くとすぐに息が切れやすいので、運動や外出を避けてしまいがちになります。

しかし、酸素療法は、医師の指示のもとで適切に行うことで、活動時の息切れをやわらげる助けになる場合があります。小型のボンベを携帯すれば、自宅内だけでなく外出先でも酸素の吸入が可能です。

運動療法(リハビリ)

薬物療法や酸素療法だけでなく、運動療法も重要な治療法の一つです。間質性肺炎の症状によって安静が続くと筋力の衰えや体力の低下が起こり、更に息切れを感じやすくなる悪循環に陥ります。この問題を防ぐためには、リハビリによって無理のない範囲で身体を動かすことが重要です。詳細は後述しますが、以下のようなリハビリによって身体機能の改善を目指します。

  • • ストレッチ
  • • 筋力トレーニング
  • • 有酸素運動

栄養管理

間質性肺炎の治療では、食事による栄養管理も大切です。お腹まわりに脂肪がつくと横隔膜の動きが制限され、肺が十分に広がらなくなる恐れがあります。その結果、呼吸が浅くなり息苦しさの増加につながるのです。

反対に、病気の進行や食欲不振によって体重が減りすぎると、呼吸をするための筋肉や全身の筋力が低下してしまいます。筋肉が衰えると疲れやすくなり、動くのがつらくなってさらに体力が落ちる要因となります。

太りすぎを防ぐには食べ過ぎに注意し、体重減少を防ぐには筋肉の材料となるたんぱく質を意識して摂ることが大切です。いずれの場合も、バランスのよい食事を心がける必要があります。

間質性肺炎のリハビリ内容

間質性肺炎のリハビリ内容

間質性肺炎のリハビリでは、おもに以下のような内容が行われます。

  • • 呼吸法の練習
  • • ストレッチ
  • • 筋力トレーニング
  • • 有酸素運動
  • • 動作指導

ここでは、それぞれのリハビリ内容について詳しくみていきましょう。

呼吸法の練習

間質性肺炎のリハビリにおいて重要となるのが、呼吸法の練習です。呼吸法の練習により、呼吸が整い、息切れの感じ方が軽くなる場合があります。代表的な呼吸法が、「口すぼめ呼吸」と「腹式呼吸」の2つです。

口すぼめ呼吸は、鼻から息を吸ったあとに口を軽くすぼめ、時間をかけてゆっくりと息を吐き出す方法です。口をすぼめることで気管支の内側に圧力がかかり、空気の通り道がふさがれるのを防ぐ効果があります。

腹式呼吸は、息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませる呼吸法です。肺の下にある横隔膜を効率よく動かすことで、無駄な力を使わずに多くの空気を取り込めます。これらの呼吸法は安静にしているときだけでなく、動いているときにも意識的に行うことが大切です。

ストレッチ

呼吸をスムーズに行うためには、ストレッチによって首まわりや胸郭の筋肉の柔軟性を高めることが重要です。首まわりや胸郭が硬くなると肺が膨らみにくくなり、呼吸が浅くなります。具体的なストレッチ方法は、以下のとおりです。

  • • 首を前後・左右に倒す
  • • 首を左右に回す
  • • 両手を広げて胸を広げる
  • • 腕を上げて身体を左右に倒す
  • • 両手を広げて身体を左右にひねる

ストレッチをする際は息を止めず、自然な呼吸を続けながら行うのがポイントです。このようなストレッチを行うことで、息を吸ったときに胸が広がりやすくなり、より呼吸がしやすくなる場合があります。

筋力トレーニング

筋力トレーニングによって筋肉の衰えを防ぎ、息苦しさの悪化を予防します。筋力トレーニングは難しい内容である必要はなく、自宅でも無理なく取り組めるような自重トレーニングがおすすめです。筋力トレーニングの例としては、以下のとおりです。

  • • イスに座った状態での膝伸ばし
  • • スクワット
  • • つま先立ち

運動時の息切れが強い方の場合は、以下のような寝た状態でできるトレーニングを行ってみましょう。

  • • 足上げ
  • • お尻上げ
  • • 足首を上下に動かす運動

トレーニングを行う際は、息を止めないように注意してください。

有酸素運動

筋力トレーニングだけでなく体力を高めるための有酸素運動も欠かせません。有酸素運動を無理のない範囲で継続することは、体力維持や呼吸の負担感の軽減に役立つ場合があります。
おすすめの有酸素運動として、まずはウォーキングからはじめるとよいでしょう。最初から長時間の運動を行うと身体に負担がかかるため、5分程度の短い時間からはじめるのがよいです。運動の強さは「ややきつい」と感じる程度が目安となります。運動中も少し余裕があるようなペースを保ち、息が上がりすぎないようにコントロールすることが大切です。

動作指導

リハビリでは運動だけでなく、普段の生活で息切れを起こさないための動作指導も行う必要があります。動作の基本として、力を入れる瞬間に息を止めないことが大切です。重いものを持ち上げたり、イスから立ち上がったりするときは、口すぼめ呼吸で息を吐きながら動くようにしましょう。

また座っているときや立っているときは、テーブルや壁に手や肘をついて身体を支え、できるだけ楽な姿勢になるように工夫してみてください。寝るときも身体が水平だと横隔膜が圧迫されて苦しくなるので、クッションを使って上半身を少し起こすと呼吸がしやすくなる場合があります。

間質性肺炎のリハビリを行う際の注意点

間質性肺炎のリハビリを行う際の注意点

間質性肺炎のリハビリを行う際は、身体の状態や酸素量をこまめにチェックしながら進める必要があります。間質性肺炎の方のバイタルチェックとして、パルスオキシメーターで血中の酸素飽和度(SpO2)を測りながら運動することが重要です。

運動中にSpO2が低下した場合は無理をせず中断し、数値が戻るまで休憩をとりましょう。在宅酸素療法を行っている方の場合、運動時は医師の指示に従って酸素量を調整することも大切です。

また、数値だけでなくその方の自覚症状も重要なサインです。以下のような症状を訴えた場合は無理をせずに運動を中止してください。

  • • 胸の痛み
  • • 動悸
  • • めまい
  • • ふらつき
  • • 強い息切れ

決して自己判断で進めず、必ず主治医と相談しながら安全な範囲でリハビリを続けましょう。

間質性肺炎のリハビリ内容を知っておこう

間質性肺炎は肺の間質が炎症を起こした状態で、息切れや乾いた咳などの症状が現れます。おもな治療は薬物療法や酸素療法、運動療法などがあげられます。リハビリでは呼吸法の練習や筋力トレーニングなどを行い、身体機能の維持・改善とともに安全に生活ができるように支援することが重要です。

リハビリ中は無理のない範囲で行い、SpO2や自覚症状に注意してください。ぜひ今回の記事を参考にして、間質性肺炎のリハビリ内容についておさえておきましょう。

参考

慶應義塾大学病院|間質性肺炎
兵庫医科大学病院|間質性肺炎
千葉大学医学部附属病院|間質性肺炎
有薗信一ほか. 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌. 2023, 32(1), p.8-11.
東邦大学|間質性肺炎・肺線維症のリハビリテーション

【監修者コメント】
間質性肺炎は、肺の間質に炎症や線維化が生じることで、息切れや乾いた咳などの症状が現れる疾患です。そのため、リハビリテーションでは単に体力を高めるだけでなく、呼吸困難を軽減しながら安全に活動量を維持することが重要となります。特に、運動時に低酸素血症が起こりやすいため、SpO2の確認や自覚症状の観察を行いながら運動強度を調整する必要があります。また、過度な安静は筋力低下や運動耐容能の低下を招くため、医療専門職の指導のもとで適切な運動を継続することが望まれます。安全性を確保しつつ生活機能の維持を図る視点が、リハビリテーションでは重要です。
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