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化膿性脊椎炎のリハビリの禁忌事項は?症状悪化予防のポイントも解説

公開日:2026.07.28

化膿性脊椎炎のリハビリの禁忌事項は?症状悪化予防のポイントも解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

化膿性脊椎炎のリハビリでは、どのような禁忌事項があるのか知りたい方も多いのではないでしょうか。この疾患は感染によって脊椎に問題が発生するため、身体の動きには十分に注意する必要があります。

この記事では、化膿性脊椎炎のリハビリ内容や禁忌事項、症状悪化を防ぐための方法をご紹介します。注意すべきポイントをおさえておくことで、リハビリ時のリスクを回避できるでしょう。

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化膿性脊椎炎とは?

化膿性脊椎炎とは、脊椎に感染が起こり、さまざまな症状が現れる疾患です。ここでは、化膿性脊椎炎の具体的な症状や原因について解説します。

化膿性脊椎炎の症状

化膿性脊椎炎の代表的な症状は、以下のとおりです。

  • • 腰や背中の強い痛み
  • • 発熱
  • • 倦怠感
  • • しびれ

感染によって脊椎に炎症が起こるため、局所的な痛みだけでなく全身的な症状をともなうことが多いのが特徴です。安静にしても痛みが現れやすく、発熱や倦怠感などの感染症特有の全身症状が同時にみられることも少なくありません。更に炎症が脊髄にまで広がると、手足のしびれや脱力感などの神経症状があらわれるケースもあります。

化膿性脊椎炎の原因

化膿性脊椎炎の主な原因は、細菌による感染です。多くの場合、細菌が血流によって脊椎や椎間板に運ばれ、そこで増殖して炎症が引き起こされます。原因となる菌は黄色ブドウ球菌や大腸菌などがあげられ、以下のようなきっかけで細菌が血液中に入り込み、発症につながります。

  • • 尿路感染
  • • 皮膚の感染
  • • 歯科処置

化膿性脊椎炎におけるリハビリの禁忌事項

化膿性脊椎炎におけるリハビリの禁忌事項

化膿性脊椎炎の患者さんにリハビリを行う際の禁忌事項としては、以下があげられます。

  • • 背骨の過度な動き
  • • 背骨に大きな負荷がかかる運動
  • • 不良姿勢の継続
  • • 痛みが出ている状態での運動
  • • 医師の指示を逸脱したリハビリ介入

ここでは、それぞれの禁忌事項についてみていきましょう。

背骨の過度な動き

化膿性脊椎炎のリハビリでは、背骨を大きく動かすような運動は避けましょう。炎症のある脊椎に過度な負荷がかかると、症状が悪化したり、状態によっては変形が進行したりする可能性があります。。例として、身体を大きく前に曲げる動作や、ひねりをともなう動きなどがあげられます。

日常生活のなかでも、床の物を拾うときや靴下を履くときなど、自然と背骨を大きく曲げる場面も多いでしょう。リハビリの際はこのような動きを避けつつ、背骨の動きが最小限になるような動作方法を伝えることが大切です。

背骨に大きな負荷がかかる運動

背骨に強い負荷がかかるような運動も避けましょう。具体的には、重いものを持ち上げる動作や、体幹に強い力を入れるトレーニングなどがあげられます。また、ジャンプやダッシュなどの衝撃が加わりやすい運動も、脊椎への負担が大きくなります。

リハビリ場面だけでなく、日常生活での荷物の持ち方や動作についても確認しておくとよいでしょう。安全に運動をするには種類や強度を慎重に設定しつつ、段階的にリハビリを進めていく必要があります。

不良姿勢の継続

不良姿勢を長時間続けることも、避けるべき行動の一つです。猫背や前かがみの姿勢は背骨に負担が集中しやすいため、炎症の悪化につながる恐れがあります。そのような姿勢が続くと、症状の改善が遅れたり、痛みが強まったりすることがあります。

日常生活のなかでも、イスに浅く腰かけたりスマートフォンを操作したりするときに背中が丸まりやすい傾向にあります。リハビリ中はもちろん、生活全般にわたって姿勢を意識してもらうよう患者さんに伝えることが大切です。

痛みが出ている状態での運動

痛みがある状態での運動にも注意が必要です。痛みがある状態で無理をしてリハビリを続けると、症状が悪化する可能性があります。

患者さんが「大丈夫」と言っていたとしても、状態をよく考慮したうえで中止すべきか判断することが重要です。痛みが強い場合はリハビリを中止し、落ち着いてきたら負荷量を調節して無理のない範囲で再開しましょう。

医師の指示を逸脱したリハビリ介入

化膿性脊椎炎のリハビリでは、医師の指示の範囲を守ることが重要です。患者さんのリハビリに対する意欲が高くても、医師の指示を超えた介入を行うことは禁忌です。

たとえば、安静を指示された時期に積極的なリハビリを進めると、脊椎への負担が強くなり感染の悪化や神経症状の出現につながる可能性があります。チーム医療のなかでセラピストが担う役割をしっかりと理解したうえで、医師と連携することが安全なリハビリにつながります。

化膿性脊椎炎のリハビリ内容

化膿性脊椎炎のリハビリ内容

化膿性脊椎炎に対するリハビリ内容としては、おもに以下があげられます。

  • • 筋力トレーニング
  • • 関節可動域訓練
  • • 姿勢改善
  • • 動作練習

ここでは、それぞれのリハビリ内容について解説します。

筋力トレーニング

化膿性脊椎炎のリハビリでは、廃用症候群を防ぐために筋トレが行われます。化膿性脊椎炎に対する筋トレは激しいものである必要はなく、以下のような自重トレーニングが中心となります。

  • • スクワット
  • • 膝伸ばし
  • • つま先上げ
  • • 臥位でのお尻上げ

運動の強度を上げすぎると脊椎への負荷が強くなるので、発症の時期や状態にあわせて段階的に進めていくことが基本です。筋トレによって身体機能の維持につなげることで、ADLの改善にもつながるでしょう。

関節可動域訓練

痛みや発熱などによって安静が続くと関節が硬くなり、拘縮を引き起こす恐れがあります。
その問題を防ぐために行われるのが、関節可動域訓練です。特に安静が必要な患者さんは、手足の関節の柔軟性が低下しやすくなるので、早期からの対応が必要です。

可動域訓練を行う際は、痛みを引き起こさない範囲でやさしく他動的に関節を動かします。患者さんの状態が安定している場合は、ストレッチの方法を指導して自身で関節を動かすことを促してみましょう。

姿勢改善

不良姿勢が続くと脊椎に負荷がかかりやすくなるので、正しい姿勢を指導することも大切です。正しい姿勢を保つことで脊椎にかかる負荷を分散させ、症状の悪化防止につながります。

リハビリでは、座った姿勢や立った姿勢の時に背骨をまっすぐにすることを意識してもらい、適切な姿勢を促します。また、作業や動作中でも背中が丸まらないように注意を促しましょう。

動作練習

日常生活のなかで脊椎にかかる負担を減らすために、動作練習も行います。寝返りや起き上がりなどの基本的な動作も、やり方によっては脊椎に負荷がかかるきっかけになるでしょう。そのため、なるべく脊椎に負担がかからないような動作を繰り返し練習します。

たとえば、ベッドから起き上がる際は身体をひねらず、横向きになってから起き上がる方法があげられます。こうした動作を定着させることで、安全に動作を行えるようになるでしょう。

化膿性脊椎炎の症状を悪化させないポイント

化膿性脊椎炎の症状を悪化させないポイント

化膿性脊椎炎の症状を悪化させないためには、どのようなポイントをおさえておくべきなのでしょうか。ここでは、症状悪化を防ぐためのポイントを解説します。

状態や症状の変化をよくチェックしておく

化膿性脊椎炎では、患者さんの状態や症状の変化を細かく観察しておくことが大切です。この疾患は単純な整形外科疾患ではなく、感染によって発症するため、発熱や全身状態の変化が急に現れる場合があります。

リハビリ前後のバイタルサインの確認はもちろん、痛みの強さや部位の変化などについてもよく確認しておく必要があります。「いつもと様子が違う」と感じたときは無理にリハビリを進めず、医師や看護師に報告しましょう。

衛生管理に注意する

化膿性脊椎炎は細菌感染によって引き起こされる疾患のため、衛生管理にも注意しましょう。セラピスト側としては、患者さんに触れる前後の手洗いや手指消毒を徹底することが基本です。

また、患者さん自身も傷口がある場合はきちんとケアをして、手洗いをこまめに行うことを伝えておくとよいでしょう。特に免疫機能が低下している患者さんは、少しの不衛生が感染の悪化につながる可能性があるため、より一層注意する必要があります。

化膿性脊椎炎のリハビリの禁忌事項をおさえておこう

化膿性脊椎炎は感染によって発症する疾患で、脊椎の痛みや全身の発熱などの症状が現れるのが特徴です。この疾患では、背骨に負担をかけるようなリハビリを避けることが重要です。

またスムーズにリハビリを進めるためには、状態や症状をよく確認し、衛生管理も徹底する必要があります。ぜひ今回の記事を参考にして、化膿性脊椎炎のリハビリを実施していきましょう。

参考

日本脊髄外科学会|化膿性脊椎炎
脳神経外科疾患情報ページ|化膿性脊椎炎

【監修者コメント】
化膿性脊椎炎は、一般的な腰痛や背部痛とは異なり、感染が関係する疾患です。そのためリハビリでは、筋力低下や関節の硬さを防ぐことも大切ですが、それ以上に「炎症や全身状態を悪化させないこと」が重要になります。発熱、強い痛み、しびれや脱力感の悪化、いつもと違う倦怠感がある場合は、無理に運動を続けず、医師や医療スタッフへ相談してください。自己判断で背骨を大きく動かしたり、強い負荷をかけたりすることは避け、状態に合わせて安全に進めることが大切です。
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