リハビリケア専門士とは?取得までの流れやメリットをご紹介
公開日:2026.07.25

文:内藤 かいせい(理学療法士)
リハビリケア専門士とはどんな資格なのか、どうやって取得するのか知りたい方はいませんか?この資格は、リハビリに関する知識や技術を学ぶ講座であり、修了や認定により学習到達度を示すものです。
この記事では、リハビリケア専門士の取得方法、メリットをご紹介します。どのような特徴があるのかを知ることで、リハビリケア専門士を取得するきっかけとなるでしょう。
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目次
リハビリケア専門士とは?
リハビリケア専門士は、リハビリの専門的な知識や技術を習得し、利用者さんの自立した生活を支援するための資格です。日本介護福祉教育研修機構が認定しており、介護や看護の現場で働く方のスキルアップを目的とした資格といえます。
資格の取得によって、リハビリ職が立てたリハビリ計画を深く理解したうえで、適切な機能訓練を実践する力を身につけられます。多職種との連携もスムーズになり、チームケアの質を高める存在として活躍できるようになるでしょう。
リハビリケア専門士になるまでの流れ

リハビリケア専門士の資格を取得する流れは、以下のとおりです。
- 1. 受講料を支払う
- 2. 入金後に資料を受け取り通信教育を受ける
- 3. レポートを提出する
- 4. スクーリング(実技講座)に参加する
- 5. テストを受けて合格する
まず受講料の「9万5,000円(税込)」を一括で支払い、その後に送付されたテキストや資料をもとに自己学習を進め、指定されたレポートを提出します。次に2日間の実技講座に参加し、現場ですぐに活かせる実践的な技術を学びます。最後にこれまでの習得度をチェックするためのテストが行われ、これに合格することで認定証の受け取りが可能です。
リハビリケア専門士養成講座の内容
リハビリケア専門士が受ける実技講座の内容は、以下の3つです。
- ● 【初級】整形・運動器疾患
- ● 【中級】中枢神経疾患
- ● 【上級】ADL・口腔・総合・プラン作成
ここでは、それぞれの講座の内容について解説します。
【初級】整形・運動器疾患
初級の講座では、リハビリの基本的な考え方と骨や関節に関わる運動器疾患への技術を学びます。具体的な学習内容としては、以下のとおりです。
- ● リハビリテーションについて
- ● 関節可動域訓練
- ● 筋力増強訓練
評価や整形疾患について踏まえたうえで、これらの内容を臨床で実践するための方法を学習します。
【中級】中枢神経疾患
中級の講座では、脳卒中やパーキンソン病などの中枢神経疾患に対する知識や技術の習得が中心です。具体的には片麻痺がある方への評価方法を学び、寝返り・起き上がりなどの動作訓練や歩行訓練の方法を習得します。またパーキンソン病特有の症状や、スムーズに身体を動かすためのポイントなども具体的に学びます。
【上級】ADL・口腔・総合・プラン作成
上級の講座では、日常生活の動作全般を支えるための総合的な技術と、一人ひとりにあわせたケアの計画を立てる力を身に付けます。具体的な内容は、以下のとおりです。
- ● オロフェイシャルアプローチ(口腔顔面機能へのアプローチ)
- ● 基本動作訓練
- ● 歩行訓練
- ● バランス訓練
- ● ADL・IADL訓練
- ● ケアプラン
- ● Q&A・復習・修了式
リハビリケア専門士の受講対象者

リハビリケア専門士の養成講座には受講条件はなく、幅広い職種の方が受講できる資格です。介護や医療現場で働く方はもちろん、経営者や実務経験がない方も受講が可能です。
対象者としては介護職が中心ですが、体調管理を行う看護師やリハビリの専門的な視点を深めたいと考えているセラピストも受講するメリットがあります。職種に関係なくリハビリの基礎から応用までを体系的に学べるため、現場での連携も今まで以上にスムーズになるでしょう。
リハビリケア専門士を取得する4つのメリット
リハビリケア専門士を取得するメリットとして、以下の4つがあげられます。
- 1. 疾患に対する理解が深まる
- 2. 適切なプログラムを作成しやすくなる
- 3. 質の高い機能訓練を提供しやすくなる
- 4. 仕事や転職時に有利になる可能性がある
ここでは、それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
1. 疾患に対する理解が深まる
リハビリケア専門士を取得する過程で、さまざまな疾患に対する理解が深まります。実技講座では疾患の知識だけでなく、それが生活にどのような影響を及ぼすのかを学べます。
疾患のしくみを理解すれば、利用者さんがどんな動作が難しいのか気づけるようになり、適切な介入が可能となるでしょう。また専門的な知見を持って仕事をすることは、利用者さんやその家族との信頼関係を築くきっかけにもなります。
2. 適切なプログラムを作成しやすくなる
利用者さんにあわせて、適切なプログラムを作成しやすくなることも大きなメリットです。たとえば、関節の動きが硬くなっている方には可動域訓練を、立ち上がりが不安定なかたには特定の筋力を鍛えるトレーニングを行えるようになります。
機能訓練のプログラムを根拠に基づいて考えられるようになると、日々の業務に主体性が生まれ、仕事に対する自信も高まるでしょう。
3. 質の高い機能訓練を提供しやすくなる
機能訓練の質が向上し、利用者さんに対してより充実したサービスを提供しやすくなります。実技講座では、人体の知識だけでなく利用者さんの状態に応じた介助方法や支援の考え方を学べます。
こうした技術を身につけることで、一人ひとりにあわせた質の高いトレーニングを提供しやすくなるのです。
4. 仕事や転職時に有利になる可能性がある
リハビリケア専門士の資格取得によって現在の職場でのキャリアアップやスムーズな転職活動が期待できます。この資格を保有すれば、リハビリに関する専門的な知識や技術を証明できます。そのため臨床現場で知識を活かしやすくなる場合があります。また、転職時に学習経験として評価されることもあります。
現在の職場で頑張りたい方や転職を考えている方は、リハビリケア専門士の取得を検討してみてください。
リハビリケア専門士はどんな人におすすめ?

リハビリケア専門士は、疾患や評価などに関する知識を深めたい方や、適切なリハビリを提供したい方におすすめの資格です。この資格では、リハビリの考え方や評価の方法など、実践的な知識・技術を幅広く学べます。
介護・医療現場ではリハビリ職はもちろん、介護職や看護師も利用者さんに対して機能訓練をする機会が多くなっています。その状況でリハビリに関する知識・技術を身につけることで、一人ひとりにあった訓練の提供につながるのです。このように、職種を問わず利用者さんの自立支援の質を高めたいと思っている方であれば、受講を検討する価値は十分にあるでしょう。
リハビリケア専門士を取得する際の注意点
リハビリケア専門士の資格を取得する際は、いくつかのポイントに注意しましょう。まず、実技講座はオンラインには対応しておらず、対面での受講が必要です。そして初級から上級までの講座を受けるには計6日間かかるので、事前に職場の休みを調整しておきましょう。
また、実技講座の開催は基本的に年に1回で、開催場所は東京と大阪の2カ所です。予定していた日程を逃した場合、別の会場に参加するか、翌年の開催を待たなければなりません。受講を希望される方は、こうした条件や日程をあらかじめ確認しておきましょう。
そのほかのリハビリに関係する民間資格

リハビリに関係する民間資格は、リハビリケア専門士以外にもさまざまな種類があります。ここでは、そのほかのおすすめできる民間資格をご紹介します。
介護リハビリセラピスト
介護リハビリセラピストは、アロマやマッサージを通じて高齢者の心身をサポートする技術が学べる資格です。具体的な学習内容として、アロマオイルを活用した施術方法や認知症の予防に役立つアプローチを習得できます。
リハビリに関して学習できるリハビリケア専門士とは異なり、リラクセーションを中心とした内容を学べるのが特徴です。利用者さんの身体に負担をかけないようなケアを提供したいと考えている方にとって、おすすめの資格といえます。
スポーツ関連資格
アスレティックトレーナーをはじめとした職種で働く際は、その関連資格の取得がおすすめです。スポーツ関連の資格にはさまざまな種類があり、代表的なものとしては以下のとおりです。
- ● 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
- ● ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定トレーナー資格(JATAC-ATC)
これらはリハビリケア専門士と比較すると、スポーツに関する仕事により特化した資格といえるでしょう。取得は必須ではないものの、資格を保有しておくとスポーツに関するケアを学んだことを証明でき、信頼性が高まりやすくなります。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、認知症の方への適切なケアを実践するための高い知識と技術を証明する資格です。リハビリケア専門士でも認知症に関する内容を学べますが、認知症ケア専門士はより特化した資格といえるでしょう。
この資格を取得すれば、認知症の方に対する専門的なケアの実施や、質の高いリハビリの提供につながります。認知症ケア専門士を取得するには3年以上の実務経験が必要であり、一次・二次試験に合格する必要があります。
リハビリケア専門士の取得方法やメリットをおさえておこう
リハビリケア専門士はリハビリに関する知識や技術を身につけられる資格であり、通信講座や実技講座を通して取得できます。この資格を取得することで、疾患に対する知識を深めるだけでなく、質の高いリハビリの提供につながります。
資格取得を目指す際は、実技講座の日程をよく確認して取得に向けて計画的に進めることが大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、リハビリケア専門士の取得を検討してみましょう。
参考
日本介護福祉教育研修機構|リハビリケア専門士養成講座
日本通所ケア研究会|リハビリケア専門士養成講座
日本介護リハビリセラピスト協会|介護リハビリセラピスト資格1日講座
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