作業療法士(OT)の資格取得は難しい?国家試験の難易度から合格までの道のりを解説
公開日:2026.07.26

文:かな(作業療法士)
作業療法士(OT)は国家資格であるため、「難しそう」と感じる方も多いですが、実際の難易度はどの程度なのでしょうか。
本記事では、国家試験の合格率や受験資格を得るまでの過程、合格に向けた具体的な学習方法までをわかりやすく解説します。
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目次
作業療法士国家試験の難易度

作業療法士国家試験の合格率は、例年80〜90%前後と高い水準で安定しています。2025年発表の第60回試験では全体の合格率が85.8%、前年の第59回は84.4%でした。
この数字だけを見ると、国家資格の中では比較的取得しやすい部類に入ると感じるかもしれませんが、しっかりと対策を重ねれば合格は目指せる一方で、準備不足のままでは合格は難しい試験です。
合格基準は正答率60%以上が目安
合格の基準は、総得点でおおむね60%以上を取ることが目安とされています。加えて、実地問題と呼ばれる臨床に関する問題でも一定以上の得点が必要です。
実地問題とは、患者さんへの対応や評価方法など、現場での判断力を問う問題のことです。単純な暗記だけでは対応できないため、日ごろから「なぜそうなるのか」を理解しながら学習することが重要になります。
作業療法士国家試験が「簡単」ではない理由
合格率の高さは、試験そのものがやさしいという意味ではありません。受験者は全員、養成校で3〜4年間の専門教育を受け、更に卒業試験をクリアした人に限られています。
つまり、基礎力が十分に備わった状態で試験に臨んでいるため、結果として合格率が高くなっているのです。
新卒と既卒で合格率に差がある
特徴的なのは、新卒者と既卒者で合格率に大きな差がある点です。新卒者は90%以上と非常に高い一方で、既卒者は新卒者と比べて合格率が低い傾向がみられ、年度によっては40%前後となる場合もあります。
これは、卒業後は学校のサポートが受けにくくなることに加え、仕事と勉強を両立する難しさが影響しています。そのため、在学中に計画的に学習を進め、できるだけ一度で合格を目指すことが重要です。
作業療法士国家試験の受験資格を得るまでのステップ
作業療法士になるには、大学や専門学校といった養成校で3年以上学ぶ必要があります。ここでは、基礎分野として人間や科学的思考を学び、専門基礎分野では解剖学や生理学など体のしくみを理解します。更に専門分野では、実際のリハビリテーション技術や評価方法を学びます。
内容は幅広く、最初は難しく感じることもありますが、日々の授業で疑問点をそのままにせず、教員や友人に確認しながら理解を積み重ねていくことが大切です。
また、臨床実習(病院や介護施設で実際の患者さんと関わりながら学ぶ実践的な学習)の期間は、評価や治療の流れを現場で体験できる貴重な機会ですが、同時に記録物の作成や課題も多く、心身ともに負担が大きいと感じる学生も少なくありません。
乗り越えるためには、一人で抱え込まず、指導者や学校の教員にこまめに相談することが重要です。日々の振り返りをていねいに行うことで、経験が確かな力として身についていきます。
作業療法士国家試験に合格するための学習方法

国家試験に合格するためには、広い試験範囲を効率よく学ぶ工夫が欠かせません。ポイントは「理解」と「反復」をバランスよく取り入れることです。
過去問演習で出題傾向をつかむ
もっとも効果的な方法は過去問の演習です。ただし、単に正解を覚えるだけでは不十分です。なぜその選択肢が正しいのか、他の選択肢はなぜ誤りなのかまで説明できるようにすることが重要です。
こうした理解を積み重ねることで、初めて見る問題にも応用が利くようになります。実際の試験を想定し、時間を計って解く練習を取り入れると、より実践的な力が身につきます。
模擬試験で弱点と時間配分を確認
模擬試験は、自分の実力を客観的に把握するための重要な機会です。結果を見て一喜一憂するのではなく、「どの分野が弱いのか」「どこで時間を使いすぎたのか」を分析し、その後の学習計画に反映させることが大切です。
また、長時間の試験に慣れるためにも、集中力を維持する練習として積極的に活用するとよいでしょう。
グループ学習で理解を深める
仲間と教え合うグループ学習は、理解を深めるうえで効果的です。自分が理解した内容を他人に説明することで、知識が整理され、記憶にも残りやすくなります。
もし説明に詰まる部分があれば、それが理解不足のサインです。その部分を重点的に復習することで、弱点を着実に克服できます。
合格に向けた学校選びのポイント

どの養成校に通うかは、国家試験の結果にも大きく影響します。入学前にしっかりと情報収集を行うことが重要です。
サポート体制の充実度を確認する
国家試験対策がいつから始まるのか、個別指導や補講があるかなど、学校ごとのサポート体制には差があります。早い段階から対策が行われている学校では、無理なく知識を積み上げることができます。
パンフレットだけでなく、在校生や卒業生の声も参考にすると、より実態に近い情報が得られます。
合格実績から教育の質を見極める
新卒合格率が安定して高い学校は、教育体制が整っている可能性が高いと考えられます。ただし、数字だけで判断するのではなく、その背景にある指導方法や学習環境にも目を向けることが大切です。
説明会などで具体的な取り組みを確認し、自分に合った学習環境かどうかを見極めましょう。
作業療法士の将来性と主な就職先
資格取得後は、さまざまな分野で活躍することができます。社会的なニーズがある分野であり、勤務先や働き方によっては、比較的長期的なキャリア形成につながる場合があります。
医療・福祉分野での活躍
病院やクリニック、介護施設などで、身体機能や日常生活動作の回復を支援します。特に高齢化が進む中で、リハビリテーションの重要性はますます高まっています。
教育・地域分野での広がり
特別支援学校や児童発達支援施設では、子どもの発達を支える役割を担います。また、訪問リハビリや地域支援の分野では、利用者の生活に寄り添った支援が求められます。こうした多様なフィールドがあることも、作業療法士の魅力の一つです。
まとめ:作業療法士は計画力と努力次第で十分に目指せる資格
作業療法士の国家試験は合格率が高い一方で、その背景には養成校での長期間にわたる学習と実習があります。決して簡単な道のりではありませんが、日々の積み重ねを大切にし、計画的に学習を進めることで十分に合格を目指すことができます。
在学中から過去問や模試を活用し、自分の理解度を確認しながら弱点を補強していくことが重要です。
自分に合った環境を選び、周囲のサポートも活用しながら取り組むことで、作業療法士への道は着実に開けていくでしょう。
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