理学療法士・作業療法士のボーナスはいくら?平均支給額と相場を解説
公開日:2019.06.21 更新日:2021.12.23
文:FPライター 斉藤 勇
ボーナス(賞与)が支給されると、自分がもらった金額は平均よりも高いのか、それとも低いのか……気になる人も多いでしょう。
この記事では厚生労働省が公表している資料をもとに、平成30年(2018年)の理学療法士・作業療法士のボーナスの支給額を掲載しています。同じ職種の人たちはどのくらいのボーナスをもらっているのか。相場や平均値を見ていきましょう。
<目次>
・企業の従業員規模別 理学療法士・作業療法士のボーナス相場を見てみよう!
・勤続年数別 理学療法士・作業療法士のボーナス相場を見てみよう!
・他の産業で働いている人のボーナス支給額もチェック!
・理学療法士・作業療法士のボーナスは勤続年数と企業規模の影響を受けやすい
企業の従業員規模別 理学療法士・作業療法士のボーナス相場を見てみよう!
厚生労働省が公表している「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士・作業療法士の平成30年のボーナスの平均支給額は、年間で66万2,200円(平均年齢は32.9歳・平均勤続年数6.1年)でした。
勤務先の規模別にボーナスの相場を見てみると、次の表のとおり。
従業員1000人以上 | |
---|---|
年間賞与額 | 75万7,500円 |
平均年齢 | 31.1歳 |
平均勤続年数 | 6.1年 |
100人以上1000人未満 | |
---|---|
年間賞与額 | 65万3,400円 |
平均年齢 | 32.6歳 |
平均勤続年数 | 5.8年 |
10人以上100人未満 | |
---|---|
年間賞与額 | 57万2,600円 |
平均年齢 | 36.5歳 |
平均勤続年数 | 7.0年 |
理学療法士・作業療法士は夏と冬のボーナスはほぼ同額となることが多いので、年間賞与額の半分がおおよその夏のボーナス支給額と言えるでしょう。
ボーナス支給額は企業の従業員規模が大きいほど、多くなる傾向がありました。また平均年齢や平均勤続年数に注目すると、ボーナス支給額が最も多い「従業員数 1000人以上」の企業は平均年齢が最も低く、平均勤続年数も「従業員 10人以上100人未満」の企業より短くなっていました。
このことから理学療法士・作業療法士のボーナス支給額は、企業の従業員規模の影響を受けやすいといえそうです。
勤続年数別 理学療法士・作業療法士のボーナス相場を見てみよう!
続いて厚生労働省が公表している「平成30年賃金構造基本統計調査」をもとに、理学療法士・作業療法士のボーナス支給額を見てみましょう。
表:男性セラピストの勤続年数別のボーナス平均額(年間)
勤続1年未満 | 5万8,800円 |
---|---|
勤続1年~4年 | 58万7,600円 |
勤続5年~9年 | 70万100円 |
勤続10年~14年 | 88万2,100円 |
勤続15年以上 | 86万7,200円 |
表:女性セラピストの勤続年数別のボーナス平均額(年間)
勤続1年未満 | 7万7,700円 |
---|---|
勤続1年~4年 | 67万7,600円 |
勤続5年~9年 | 61万5,200円 |
勤続10年~14年 | 65万9,700円 |
勤続15年以上 | 88万900円 |
理学療法士・作業療法士のボーナス平均支給額は、男女の差がほとんど見られませんでした。しかし男性は勤続年数に応じてボーナス支給額が増えていく傾向にあるのに対して、女性の場合は勤続15年未満のボーナス支給額がなかなか増えないといった傾向もみられました。
また、性別に関係なく勤続1年目のボーナスは勤続1年~4年の10%程度で、6万円前後になることが多いとわかります。
他の産業で働いている人のボーナス支給額もチェック!
最後に厚生労働省が公表している毎月勤労統計調査をもとに、他の産業で働いている人の昨年の夏のボーナス支給額を見てみましょう。
平成30年 産業別 夏季ボーナス支給額
主な産業 | 平成30年夏季賞与額 | 前年比増減 |
---|---|---|
全産業 | 38万3,879円 | 4.7%増 |
運輸業・郵便業 | 38万2,438円 | 17.2%増 |
建設業 | 52万341円 | 22.7%増 |
製造業 | 52万273円 | 4.4%増 |
卸売業・小売業 | 34万132円 | 10.5%増 |
電気・ガス業 | 73万4,210円 | 0.9%増 |
医療・福祉 | 26万7,661円 | 2.0%減 |
金融業・保険業 | 55万312円 | 10.8%減 |
不動産・物品賃貸業 | 40万1,399円 | 11.1%減 |
※5人以上の事業者が調査対象で、平成30年6月から8月に「特別に支払われた給与」のうち、賞与として支給された給与を特別集計されています。
産業別のボーナス支給額はまちまちで、業績が好調だった「建設業」の支給額が前年より22.7%増えるなど、大きく上昇しています。また、業績が安定している「電気・ガス業」の増加率はわずかですが、ボーナス支給額は73万4,210円で全産業のうちのトップになりました。
一方、マイナス金利で経営環境が厳しさを増している「金融業・保険業」が前年より10.8%減少しているほか、「医療・福祉」は前年より2.0%減少して26万7,661円になるなど、全体のボーナス支給額が増える中で苦戦している産業もありました。
理学療法士・作業療法士のボーナスは勤続年数と企業規模の影響を受けやすい
理学療法士・作業療法士の去年の夏のボーナス支給額は、全体平均とほぼ同程度かやや少ないものの、「医療・福祉」のカテゴリー内では平均よりも多く支給されていました。また、ボーナス支給額は勤続年数に応じて増えていきますが、それ以上に企業の従業員規模の影響を受けやすく企業規模が大きいほどボーナス支給額が多くなる傾向にありました。
ボーナスは勤務先の業績や給与形態によって違うため、支給額だけで単純に比較できません。転職先を選ぶ場合には、企業の従業員規模もチェックしておくとよいでしょう。
▼編集部コメント
年に2回のボーナスは年収に大きく影響を与えるため、転職先を探す際にとても重要な指標になります。しかしボーナスが高くても、基本給が低かったり、サービス残業が多かったりする職場も。
ボーナス以外にも「長く働ける職場であるか」や、「昇給制度・先輩のモデルケース」を事前に見ておくことをおすすめします。
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