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作業療法士の転職入門 ~面接・服装編~

公開日:2019.12.13 更新日:2020.01.09

田口 昇平(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)

転職における採用面接は、自分をアピールするための重要な機会です。施設見学や書類審査を通じて良い評価を得られたとしても、最終的な面接での印象がイマイチだと採用されない可能性もあります。作業療法士としての強みがアピールできるように、採用面接を受ける前には、しっかりと準備をしておく必要があるでしょう。
作業療法部門の人事担当者として、多くの作業療法士の採用面接に関わってきた経験を踏まえ、採用面接に向けて準備しておくべきポイントについてお伝えします。

採用面接を受ける前に必要な準備

面接日が決まったら、事前準備をしっかりと行っておきましょう。準備を怠ると面接当日に思いもよらない失敗をしてしまうかもしれません。採用面接に必要な事前準備は、主に3つあります。人事担当者に良い印象を持ってもらえるポイントを確認してみましょう。

1)人事担当者からの質問への対策

採用面接では、人事担当者からさまざまな質問を受けることになります。質問の内容は、面接を受ける事業所(病院や介護施設など)によって変わるため、あらかじめ質問内容を想定し、回答を考えておきましょう。

作業療法士の採用面接では、必ずといっていいほど聞かれる質問があります。それは、「志望動機」「転職後の働き方」についてです。この2つの項目は、どの事業所でも聞かれる質問であり、採用を判断する際に重要視されています。具体的な回答のポイントについては後述します。
まずは、さまざまな質問を受けることを想定しながら、どのような質問をされても自分の考えが伝えられるような心構えを持っておくとよいでしょう。

2)身だしなみを整える

作業療法士の採用面接でも、身だしなみを整えておくことが大切です。見た目の印象で好感度が変わることもあるため、きちんと意識しておきましょう。
ただし、堅苦しい服装にこだわりすぎる必要はありません。作業療法士は職場のユニフォームで仕事をすることがほとんどですので、ビジネスマナーを忠実に守るよりも、清潔感や誠実さが感じられるような服装が好まれる傾向があるからです。
採用面接において好まれる服装の具体例を見てみましょう。

■男性の場合
・スーツ …… 黒、紺、グレーなど、明るすぎない色味のもの
・シャツ …… 白、水色など、派手すぎない色味のもの
・ネクタイ…… 派手すぎず、シンプルな柄のもの
・靴   …… 黒または茶色のビジネスシューズ
・バッグ …… 黒、茶、紺色のもの(自立する手さげやリュックサックタイプが好ましい)

■女性の場合
・スーツ …… 黒、ネイビー、グレーなど、明るすぎない色味のもの(パンツ・スカートいずれでも可)
・シャツ …… 白または淡い色味のもの
・靴   …… 黒色のパンプスまたはシンプルな革靴、素足はNG
・バッグ …… 黒、茶、紺色のもの(自立する手さげやリュックサックタイプ)

その他、作業療法士の採用面接では、髪型やアクセサリーの選択にも注意が必要です。茶髪などの明るい髪色や、ピアス・ネックレスなどの着用は好まれません。また、長期間散髪をしないまま、伸びっぱなしの髪形も不潔な印象を与えます。採用面接の当日までに散髪をし、髪色は落ち着いた色に整えておくことが大切です。当日はアクセサリーを外すようにしましょう。

3)時間と場所の確認

基本的なことですが、採用面接を受ける時間と場所は、事前に必ず確認します。採用面接を受ける人のなかには、面接時間を間違えていたり、道に迷ったりする人も意外と多い印象があります。特に面接がおこなわれる事業所が住宅街のなかに立地するケースは、最寄り駅からのアクセスがわかりづらいこともあります。時間に余裕を持って臨めるよう、面接会場までの道順の下見をしたり、地図で確認したりしておくと安心です。
また、万が一、面接の時間に遅れる場合には、人事担当者に前もって連絡をすることが必要です。人事担当者としては、連絡もなく無断で面接に遅刻した人に良い印象を持てません。しかし、事前に連絡があれば、社会性がある人材として理解を示す場合もあります。面接の時間と場所を確認すると同時に、緊急時の連絡先として、面接先事業所の電話番号を控えておきましょう。

作業療法士の採用面接で重要視される2つの質問

上述した事前準備の3点のうち、身だしなみと面接場所と時間の確認は、さほど難しいことではありません。悩みがちなのは、面接時の質問対応ではないでしょうか。
先にも紹介したとおり、作業療法士の採用面接で必ず聞かれる「志望動機」「転職後の働き方」という2つの質問について、回答を準備する際に気を付けたい注意点をまとめました。

1)志望動機

志望動機は、作業療法士の採用面接で必ず質問される重要な項目です。人事担当者は、志望動機を聞くことで、職場が求めている人材であるかどうかを判断します。
たくさんある求人のなかから、「この職場だから転職したい」という想いや意志が伝わる回答になっていると、採用につながりやすくなります。逆に、転職したい事業所の役割を伝えるだけでは、不採用になりがちです。
例えば、老人保健施設(以下、老健)からリハビリ病院に転職を希望する作業療法士のなかには、「リハビリの専門病院で働きたい」「リハビリの知識や技術を伸ばしたい」といった理由で、採用面接を受ける人も多いように見受けられます。しかし、こうした回答は「どこの職場にも当てはまるような志望動機」といえます。人事担当者からすると職場のやり方や雰囲気に合った人材かどうか判断できないため、採用される可能性は低くなるでしょう。
採用面接で志望動機を伝える時には、他の職場にはない転職希望先の特徴を踏まえながら、自分の考えを伝えることが大切です。作業療法士として、転職先となる事業所に興味や魅力を感じた点について具体的に伝えるほど、職場に合った人材と判断され採用につながりやすくなります。

2)転職後の働き方

面接では、転職後の働き方についてもよく質問されます。採用側からすると、転職を希望する作業療法士が、自分たちの職場にはない強みを持っている人材であってほしいと期待しています。転職を成功させるためには、作業療法士としての強みを人事担当者にうまくアピールしたいところです。
では、具体的にどのようなことが強みになるのかを考えてみましょう。
実は、これまで経験した仕事のなかで、注力してきたことが、もっとも効果的なアピールポイントです。
作業療法士が必要とされる職場は、どこであっても基本的に同じような支援を必要とする患者さんや利用者さんとかかわることが多い現場だといえます。例えば、食事動作がおこないやすくなるような車いすのシーティングの仕方や、利用者さんが活動できるレクリエーションの方法などは、どこの事業所でも必要とされる支援でしょう。しかし、そのやり方は現場によって異なることもあり、転職先においては新たな発見となる可能性も十分にあります。自分が作業療法士として積み上げてきた経験や強みが、転職後の職場にとって新たな取り組みや特色づくりに活かせることがアピールできれば、より良い印象を持ってもらえるでしょう。採用面接の下準備として、志望動機とともに、過去の経験を整理し、自身の強みとしてアピールできるようにまとめておくとよいでしょう。

人事担当者が求めている作業療法士の人物像

最後に、人事担当者の視点で、求めている作業療法士の人材像について紹介しましょう。採用側が面接する意図を考えることで、自分の強みやアピールポイントを新たに発掘できるかもしれません。

1)基本的な業務がしっかりおこなえる人材

人事担当者がもっとも採用したい人材は、転職後にも長く働き続け、基本的な業務がしっかりおこなえる作業療法士です。
求職者のなかには、作業療法士としての特殊なスキルや経験がないと、採用につながる良い評価をしてもらえないのではと考えている人もいるかもしれません。もちろん、特殊なスキルや経験があるにこしたことはありませんが、それ以上に大切なことは、基本的な仕事を丁寧にこなす姿勢があることです。
作業療法士の仕事は、通常のリハビリ業務に加えて、書類の作成や掃除などの雑務も多くあります。こうした雑務も各スタッフが協力しておこなうことで、スムーズに仕事を進められたり、クレームが起きにくい職場環境が整えられたりできるでしょう。基本的な業務を怠る作業療法士が多いと、スタッフ間や患者さん、ご家族などとのトラブルにも発展しかねません。人事担当者は、採用面接を通して、求職者の勤勉さや誠実さについて、注意深く観察していることも知っておきましょう。

2)コミュニケーション能力がある

作業療法士の仕事は、患者さんや利用者さん、ご家族、他職種などとのコミュニケーションが欠かせません。そのため、人事担当者は、受験する作業療法士のコミュニケーション能力についても観察しています。
採用面接は、質問を通して、人事担当者とコミュニケーションをとる時間です。しかし、はじめての場所で初対面の人とコミュニケーションをとることに苦手意識がある人もいるかもしれません。そうした場合には、以下のような5つのポイントを意識して、人事担当者とうまくコミュニケーションをとれるように取り組んでみましょう。

①自分からあいさつをする
②はっきりとした口調で、はきはきと話す
③相手の目を見て話をする
④相手の話に相づちを打つ
⑤疑問に思ったことは、質問をする

人事担当者に自分からあいさつをしたり、はつらつとした態度を見せたりできると、仕事にも積極的な人材であるという良い印象が与えられます。また、相手の目を見て話をしたり、相づちを打ったりすると、他人の話をしっかり聞きながらコミュニケーションがとれるスキルがあることをアピールできるでしょう。さらに自分から質問する姿勢を見せることで、職場に興味があり、転職したい強い気持ちがあることも伝えられます。
いずれのポイントも、少し意識をするだけでおこなうことができるので、採用面接を受ける前に練習してみてはいかがでしょうか。

採用面接で良い印象を与えるために

採用面接を受ける前には、しっかりと事前準備をすることが大切です。時間や場所、身だしなみなどの基本的なことを確認するとともに、作業療法士の採用面接で重要視される「志望動機」や「転職後の働き方」について、自分の考えを整理しておきましょう。人事担当者に働きたい意思を上手く伝えながら、自信を持って自分をアピールしたいものです。

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