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続く人と続かない人の違いは? 糖尿病患者さんが運動療法を継続できる仕組みについて

公開日:2016.07.08 更新日:2016.07.19

日本だけでなく、世界的に増加している2型糖尿病の患者さん。その治療の柱となるのが運動療法です。しかし、患者さんのなかには継続して実施できる人もいれば、なかなか続かない人もいます。動脈硬化性疾患の発症や進展の阻止、生活の質を維持するためにも欠かせない運動療法。継続して行うための仕組みづくりについてお伝えします。

運動療法の必要性について

糖尿病の治療には大きく分けて食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。そのなかでも運動療法は、血糖コントロール、心肺機能、脂質代謝の改善、血圧低下、インスリン感受性の増加といった効果が期待できるとされ、もっとも基本的な治療のひとつです。さらに、定期的な運動を行うことで、動脈硬化の危険因子是正や血管内皮機能の改善効果などの作用も指摘されており、ますます必要性が増しています。しかしながら、糖尿病患者さんの運動療法実施率は現状で4~6割程度といわれており、まだまだ不十分な状況にあります。

運動療法を継続させるためにはまず、糖尿病治療としての運動は、今まで患者さんが体験してきた運動とは別のものであるという理解を深めなければいけません。そのうえで、運動療法はやりたい、やりたくないというレベルの話ではなく、していかなければならない必要不可欠なものであるという、ある種の割り切りを定着させる必要があります。そうした前提で実践してもらい、運動療法の効果を自分の身体で実感し、納得して継続していくというプロセスに進んでいきます。

運動療法継続の意味の確立

前述のプロセスを踏まえて、運動療法を継続できない人を3つのパターンに分けて考えてみましょう。

  1. 意志不足状態
    運動が糖尿病治療に効果があると知ってはいるが、自分に必要とは思っておらず、運動を行っていない状態。
  2. 知識のみ習得状態
    運動療法が必要であるという知識はあるが、実際に効果を感じたことがなく、想像の範囲内であるため、何かのきっかけで運動療法を始めても続かない状態。
  3. 割り切り不十分状態
    運動療法にスポーツで感じるような楽しさを期待しており、満足感が低いため、すぐに中断してしまう。運動の継続は環境に左右されやすく、続きづらい状態。

運動療法を継続していくためには、患者さん自身がこの3つの状態のどれにあたるのかを評価し、課題を一つひとつ乗り越えていけるよう、援助や促しが必要です。
1.の患者さんには、なぜ運動が必要なのかを理解してもらえるよう、患者さんの身体の状態や運動の効果を伝えます。2.のように知識のみを習得して実践に至らない場合では、運動後の血糖値を患者さん自身に確認してもらうことで、効果を実感してもらってもいいでしょう。3.では、今までに患者さんが経験してきたスポーツと運動療法は別物であることを説明し、あくまで治療であり、やらなければならないという割り切りを促します。また、運動を一緒に行う仲間を作ることも効果的です。

自分自身の身体のために

周囲からどれだけ運動の大切さを説かれても、患者さん自身が運動療法の効果を実感できなければ、継続は難しくなります。まずは糖尿病における運動療法の必要性を理解してもらい、実際に体力の向上や体の変化を体感してもらうことが第一です。セラピストとして、粘り強く伝えながら、リハビリを行いたいですね。

 

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