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【国家試験に落ちたらどうなる?】1年間国試留年していた私の体験談

公開日:2021.07.06 更新日:2021.07.07

国家試験に落ちた、国試留年の私の話

文:宮木 美智香
(作業療法士、福祉住環境コーディネーター)

作業療法士の国試は決して全員が合格するわけではありません。なかには不合格になる人もいます。

実は私、一度不合格になったのです。

過去5年間の作業療法士国家試験の合格率推移は70〜80%台と、十数年前と比較すると10%程度低くなっています。

私が国試を受けた頃は不合格者はクラスに3名ほどでした。その1人が私だったのです……。

私の番号がない。母とまさかのケンカに

私が学生のときの国試は受験が2月にあり、合格発表は働き始めて約1か月が経った頃でした。

合格発表当日は、勤務先によって合否の確認方法は異なりました。私の就職先では受験番号を課長に渡し、課長がインターネットで新人の番号を探したあと各自が確認するという流れでした。

その年の新人は私を含めて4人。同期が順番に番号を確認。それぞれが合格を確認し安堵しているなか、探しても探しても私の番号はなく、順番になっている受験番号でクラスメイトの合否もなんとなく確認できたなか、私の受験番号はやはり見つからず不合格でした。

正直、私はクラスメイトと比べると勉強をしていないほうだったので、「やっぱりな」とも思いましたが、落ちたことを自覚するとやはりショックでした。

その後、親、親戚、お世話になった方々などへ連絡をし、徐々にそのショックは深くなっていったことを覚えています。特に、一緒に住んで誰よりも応援していてくれたであろう母親は相当ショックだったようで、ケンカにもなりました。

私が誰よりも励ましの言葉が欲しかったのは、母だったからです。

今になってわかる、私に足りなかったこと

「なぜ、私は国試に落ちたのか?」

私は国試に落ちたあと、母校のフォローアップ講座にも出席しながら、しばらく考えていました。決定的だったなと思ったのは、勉強の量と質、そして、「絶対に合格するぞ!」という強い気持ちでした。

勉強量は、クラスメイトと比べると圧倒的に少なかったですし、質も悪かったと思います。お恥ずかしながら、私は国試を受けるまでの22年間、勉強という勉強をしてこなかったので、勉強の方法がわかりませんでした。ただ、問題集を解くだけ、こなすだけになっていたのです。

また、国試というものもよくわかっていなかったですし、私が在籍していた学校は3年制の学校でしたので、「1回落ちても4年制の人たちと同じになるだけだしどうにかなるだろう」と、どこか楽観的に捉えていた節がありました。

その結果、見事に不合格となったのです。

1年間、2つの方法で保ち続けたモチベーション

国家試験に落ちた、国試留年の私の話
一度、国試に落ちたあと、次まで約1年あるわけです。その1年のなかで、自分の感情も変化していきました。

まず国試に落ちたわけですから、当然、就職先への勤務は取り消しです。これには、なんとも惨めで恥ずかしい気持ちになりました。

しかし、院長先生の計らいで「内定は来年に持ち越しにします。次の国試に向けて、現場でしか経験できないこともあるだろうから、週に一度、半日だけ勉強に来てはどうか」と提案してくださいました。

その言葉によって、「応援してくれる人、この環境があるのだからムダにしてはいけない」「絶対に国試に合格するぞ!」という気持ちに切り替わっていきました。

……と言っても、やはり、時々はモチベーションが下がります。そんなときはどうしていたか?

私の場合は、2つの方法をとっていました。

【最悪の事態】と【楽しい未来】を想定する

これは、おわかりのように、「また国試に落ちたら母親との関係が悪くなる」「また国試に落ちたら、就職できなくなる」「二度も国試に落ちたら恥ずかしい」などネガティブな結果を想像したのです。

ただ、私はプレッシャーには強くないので、ほとんどは次の2つ目の方法でモチベーションを保っていました。

それは、【作業療法士(OT)になったらやりたいこと】をたくさんあげること。

要は、未来の楽しい自分を妄想したのです。

例えば、
「初めてのお給料でおいしいものを食べたい」
「初めてのお給料で母にプレゼントをしたい」
「初めてのお給料で自分のご褒美を買いたい」
「自分の名前でカルテを書きたい」
「学生を指導をしたい」
「胸を張って白衣を着たい」など。

その【やりたいこと】をメモに書いて、目に入るところに常に置き、疲れたときや勉強したくないときなどは、それを見るようにしていました。

勉強が苦手な私が考えた「メリハリ勉強法」

では、どのように勉強をしていたのか?

私の場合、実家で暮らしていましたが、自分の買い物などは当然自分で払っていたのでアルバイトをする必要がありました。

私の性格上「1年間、勉強だけの生活はできない」とも思っていましたので、「メリハリ」を大事にし、簡単に1年間のスケジュールを立てました。

国試が遠い春、夏の半年は主にアルバイトを行い、勉強の頻度は少なく。秋頃は、バイトを辞めて本格的に勉強を行いました。

自宅での勉強のほか、母校では1年を通して国試に落ちた生徒のためにフォローアップを行ってくれました。

秋頃からの本格的な勉強のときに決めたのは、規則正しい生活です。なぜ、これを取り入れたのかは覚えていませんが、夜更かししてダラダラ勉強することがいいことだと思わなかったからです。頭をスッキリさせるためには、睡眠と食事、適度な運動となんとなく思ったわけです。

1日のスケジュールはこんな感じです。

6:30~7:00 起床
7:00~7:30 朝食
7:30~8:30 散歩/朝風呂
8:30~9:00 勉強開始
12:00~13:00 昼食
13:00~13:30 午後の勉強開始
17:30~18:00 夕食準備
19:00~ 夕食
20:30 お風呂
21:30 勉強開始
23:00 就寝

加えて、1日の勉強ノルマを必ず決めていました。ノルマは少なめに設定し、時間に余裕があれば、1ページ、1問を増やす感じにしました。

国試会場にいた同級生、感動して……そして結果も

2回目の国試前日は、ほとんど勉強をせず、翌日に備え早めに就寝しました。

2回目とあって、変な緊張はなく穏やかに過ごせたことを覚えています。

去年と同じ会場までの道のり。会場に着くと、そこには同級生が応援に来てくれてました。同級生の姿を見たときには、涙が出そうなほどうれしく、心強かったのを覚えています。

同級生のおかげもあり、試験中は焦ることもなく、落ち着いて問題を解くことができました。1年間を通し、数回行った模試では何度か合格ラインに達していたため、手応えはありました。

不思議なもので、2回目の国試では、合格するイメージしか湧きませんでした。そして、無事に国試に合格することができたのです。

ポジティブなイメトレも大事なのかもしれません。

不合格も今では笑い話。今は毎日が楽しい日々

国家試験に落ちた、国試留年の私の話
そんな私も作業療法士として15年目を迎え、今では、国試に落ちたことも笑い話となっています。療養型、回復期、急性期、在宅(訪問リハビリ)などさまざまな経験をさせていただき、現在は有料老人ホームで働いています。

作業療法士として、身体障害分野のなかでたくさんの患者様や仲間に会うことができました。

まだまだ未熟者ですが、患者様からの「担当があなたでよかった」や「ありがとう」、退院したあとに会いに来てくれる患者様の心遣いは、とっても温かい気持ちになります。また、患者様が楽しそうに生活している姿を拝見できたときは、「一緒に頑張ってよかったな」とうれしい気持ちになります。

作業療法士はチーム医療の1つの部門でもあります。いろいろな視点や気づきなどたくさんの刺激を与えてくれる大切な仲間に出会えたことも、とてもうれしく思います。

国試の浪人をしたことで、悲しく辛い時期もありましたが、作業療法士免許取得後は、資格取得をする際の勉強のコツがつかめるようになりました。

浪人経験での最大の収穫は、いかに自分がたくさんの人に支えられているかを知ることができたことかもしれません。

今、作業療法の仕事がとても楽しいです。

>>セラピスト(PT・OT・ST)の国試過去問ドリル(問題・解説)一覧はこちらから

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宮木 美智香

宮木 美智香

作業療法士/福祉住環境コーディネーター
2006年、一度作業療法士の国試に落ちるも、2007年には合格。一般病院を経て、訪問リハビリやデイサービス、有料老人ホームなどで勤務している。

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