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作業療法士の就職先と選び方~働く場所の割合と病院以外の選択肢~

公開日:2021.08.11

作業療法士の就職先

文:田口 昇平
(作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級)

作業療法士は、社会のさまざまな場所で働いています。活躍の場が多いからこそ、就職先に悩んでしまう方もいることでしょう。

はじめての就職先では、作業療法士として「今後のキャリアの基礎となるより実践的な知識や技術」を学びます。どのようなリハビリがおこなえる作業療法士になりたいかを考え、就職先は将来的なキャリアを見据えながら選ぶことが大切です。

今回は作業療法士が働く場所を紹介するとともに、失敗しない就職先の選び方についてお伝えします。

作業療法士の就職先ランキングと割合

作業療法士は、幅広い分野で活躍しています。「2019年度 日本作業療法士協会会員統計資料」によると、作業療法士の就職先は次のような割合となります。

作業療法士の就職先
※画像をタップすると拡大できます

参考:「2019年度 日本作業療法士協会会員統計資料
※病院:医療法関連施設から診療所と認知症疾患医療センターを除く
※介護施設:老人福祉法および介護保険法関連施設
※児童福祉施設:児童福祉法関連施設

日本作業療法士協会の会員数は62,294名。そのうち病院(診療所は含まない)で働く人が35,041名と最も多くなっています。病院以外の就業先として介護施設が8,421名、養成校が1,483名、児童福祉施設が1,241名と続きます。

このほかにも、その他として「身体障害者福祉センターや精神保健福祉センター」「保健所」「特別支援学校」などの施設も就職先として挙げられます。

働く場所が違えば業務内容も異なるため、就職先を選ぶ時には各施設の特徴をしっかりリサーチすることが大切です。施設ごとの具体的な特徴を見てみましょう。

病院(機能訓練や日常生活動作訓練などを行う)

作業療法士が働く病院は、大きく精神病院と一般病院の2種類に分けられます。病院の作業療法士は、病気やケガにより日常生活が不自由になった患者さんに対し、機能訓練や日常生活動作訓練などを行い、退院を支援します。

精神病院

精神病院は「統合失調症」や「うつ病」「認知症」などの患者さんに対して、専門的な医療を提供する病院です。作業療法士は休息やリラックス、体力やコミュニケーション能力の向上、家事や仕事復帰などを目的に、さまざまな作業活動を通じてリハビリを行います。

一般病院

一般病院は、精神病院と違い特定の機能に特化しない病院のことです。一般病院では、病院の機能により、次の3つに分かれています。

① 急性期病院
急性期病院は、病気の発症直後や外傷・手術後などに入院加療するための病院です。作業療法士は、全身のリスク管理をしながら、機能訓練や日常生活動作訓練を行います。
② 回復期病院
回復期病院は、全身状態が安定した患者さんに対し、積極的なリハビリをおこなうための病院です。作業療法士は、機能訓練や日常生活動作訓練に加え、家事や仕事復帰するための訓練を行います。

回復期病院では、入院が長期にわたるケースもあり、作業活動を通じて、患者さんの余暇時間の充実をはかりやすいのも特徴です。
③ 療養型病院
療養型病院は、病状が比較的安定しているもの、引き続き医療的ケアが必要な慢性期の患者さんが入院加療するための病院です。療養型病院は、意識レベルが低かったり、経管栄養を行われたりされている患者さんが多い傾向にあります。

作業療法士は、ベッドサイドを中心に、起居や移乗・歩行訓練などをおこないながら、患者さんの生活能力の維持・向上を図ります。

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介護施設(リハビリや日常生活の支援を行う)

作業療法士の就職先
介護施設では、利用者さんの生活能力を維持・向上するためのリハビリをおこなったり、日常生活が楽しめるよう支援したりするのが作業療法士の役割です。作業療法士が働く代表的な介護施設は、4つです。

① 介護老人保健施設

介護老人保健施設は、入所する利用者さんに対し、在宅復帰に向けたリハビリをおこなう介護施設です。

介護老人保健施設の作業療法士は、病院と同じように、機能訓練や日常生活動作訓練のほか、介護士に介助法を指導したり、リハビリ方法をアドバイスしたりしながら、生活能力の維持・向上や退院支援を行います。

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② 特別養護老人ホーム

老人ホームは、在宅生活が困難な方が生活全般の介護を受けながら生活する介護施設です。

作業療法士は、介護士にリハビリプログラムを指導したり、集団体操やレクリエーションなどを実施したりして、利用者さんの生活を支援します。利用者さんが楽に、楽しく暮らすためのサポートを担います。老人ホームは、利用者さんの生活環境づくりに興味がある作業療法士におすすめです。

③ デイサービス(通所介護)・デイケア(通所リハビリ)

デイサービス・デイケアは、自宅で生活する要介護者が、介護やリハビリを行うために利用する介護施設です。最近では、最新の機器を導入する施設が増え、作業療法士も、マシーントレーニングなどの方法を取り入れながら、リハビリを提供します。

デイサービス・デイケアは、地元の方を中心に、利用者さんと顔なじみの関係をつくりやすいので、ちょっとした変化に気づきながら、きめ細かいケアがしやすいのも特徴です。

④ 訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、訪問看護・リハビリスタッフが所属する事業所です。訪問看護ステーションの作業療法士は、利用者さんの自宅に訪問し、歩行や外出・日常生活動作訓練といったリハビリを行います。

訪問リハビリでは、急変時のバイタル確認・救護措置などを速やかにできる能力が求められます。訪問看護ステーションの就職を目指したい方は、リスク管理について、しっかりと知識や技術を学んでおきましょう。

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児童福祉施設(障がいを持つ子どもの生活動作や社会参加を支援する)

作業療法士が働く児童福祉施設には、児童発達支援センターや障がい児入所施設などがあります。

児童福祉施設では発達障がいや肢体不自由といった障がいを持つ子どもに対し、遊びや学習などを通して、生活動作の獲得や社会参加を支援します。また、家族の相談に乗ったり、学習会を開いたりして、障がい児の保護者をサポートするのも作業療法士の重要な役割です。

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養成校(大学・専門学校)

リハビリの現場でキャリアを積んだ人のなかには、作業療法士養成校の教員として働く人もいます。養成校にもよりますが、臨床経験が5年以上あれば、専門学校などの教育機関で勤務できるようになるケースが多いでしょう。

養成校では学生に対し、講義や実習対応・国家試験対策といった教育・指導をおこなっています。リハビリの現場で働いてみると、リハビリはもちろん、後身の育成に興味が湧くこともあります。将来的なプランとして、養成校で働くことを検討しておくのも良いでしょう。

後悔しないために!作業療法士の就職先の選び方

作業療法士の就職先

では、自分に合う就職先を選ぶには、どのようなことを考えれば良いのでしょうか。ここからは、作業療法士が就職先を選ぶポイントについてお伝えします。

どのようなリハビリがおこなえる作業療法士になりたいか

一口に「作業療法士」と言っても、リハビリの考え方や内容は、職場によりさまざまです。

例えば、病院の作業療法士は、個別リハビリを中心におこないますが、介護施設の作業療法士は、個別リハビリよりも集団リハビリや介護士の指導などに重点を置く職場が多く見られます。

作業療法士としては、興味関心が高い分野で働けたほうが仕事のモチベーションがあがりますし、リハビリのスキルも身に付きやすいものです。

希望に合う就職先を選ぶためには、まずは、自分の理想とする作業療法士の姿をイメージしてみましょう。

基礎的な知識や技術を学べる教育・研修体制が整っているか

はじめての就職先は、教育・研修体制が整っていることが大切です。というのも、新人の頃に学んだ知識や技術は、作業療法士として、キャリアを積むためのベースになるからです。

基礎的な知識や技術を学んでいないと、適切な評価や治療ができないまま、経験年数だけが増える事態に。職場見学に行ったり、ホームページ・SNSに掲載されている求人先の教育・研修体制の状況情報をしっかり調べたりして、研修制度が整っている就職先を探しましょう。

給料は、新人作業療法士の平均よりも少なくないか

厚生労働省の「賃金基本統計調査(2019年度)」によれば、新人に該当する20~24歳の作業療法士の平均月収(きまって支給する現金支給額)は、男性が242,500円、女性が239,000円。

作業療法士として平均的な給料が得られれば、自己研鑽に力を入れたり、プライベートを楽しんだりできるでしょう。しかし、求人のなかには、昇給がなかったり、少なかったりする職場もあるため、注意が必要です。

初任給が低い職場に就職してしまうと、キャリアを積んでも収入が上がらない可能性が考えられます。求人をチェックする時には、新人作業療法士の平均年収を基準として比較してみましょう。

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自分の将来を見据えて、就職先を選ぶ

作業療法士は、幅広い分野で働くことができる分、就職先により、身につけられるスキルが異なります。新人作業療法士の時代に学んだスキルは、作業療法士として働くうえで、自分の基礎になるものです。

どのような場所に就職すれば、自分が理想とするリハビリができるようになるのか。将来のキャリアを見据えて、就職先を選びましょう。

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田口 昇平

田口 昇平

作業療法士/福祉住環境コーディネーター2級
2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境づくりなど、幅広いテーマで執筆。心理学・脳科学分野の書籍を愛読し、学んだ内容をブログやSNSで情報発信している。

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