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理学療法士の役割とは?働く場所や立場による違いについて

公開日:2022.04.18 更新日:2022.12.05

理学療法士の役割とは?働く場所や立場による違いについて

文:rana(理学療法士)

理学療法士が活躍する場所は多岐にわたり、求められる役割は職場ごとに異なります。働く分野が違えば、当然患者さんの層も違うため、理学療法士が果たす役割も変わってきます。

今回は理学療法士の役割について、働く場所による違いや、チーム医療や地域包括ケアシステムで求められることなどについて紹介しましょう

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理学療法士の主な役割とは?

理学療法士の役割は、身体に何らかの障がいがある人に対して、歩く・立つ・起き上がるといった基本動作能力や運動機能の改善を目指してリハビリを行うことです。

多くの理学療法士が活躍する病院では、退院に向けて、身体機能面の回復、退院後の指導、必要に応じて福祉用具の選定などを行います。

作業療法士との違い

作業療法士は、心身機能に何らかの障がいがある人に対して、食事や更衣などの日常生活動作や社会的適応能力の改善を目指してリハビリを行うのが主な役割です。作業活動やレクリエーションなどを通してリハビリを行い、精神面へのアプローチも行います。

大きな動作のリハビリがメインの理学療法士に対し、作業療法士は細かく、応用的な動作のリハビリをメインに行うのが特徴です。

木で例えると、土台となる根や幹の部分に対してリハビリを行うのが理学療法士、葉っぱや花の剪定をするのが作業療法士といったイメージで考えるとわかりやすいでしょう。

働く場所別の理学療法士の役割

理学療法士は、働く場所によって求められる役割が変わってきます。理学療法士が活躍する主な分野別にその違いを見てみましょう。

医療分野~病院・クリニックなど~

病院やクリニックなどの医療分野では、障がいを負ってそれほど時間が経っていない人がリハビリの対象になることが多い傾向にあります。

そのため理学療法士には、身体面を回復させ、社会生活への復帰を可能な限り早期に目指してリハビリを進めることが求められます。

また、医療分野では、リハビリ期限が設けられているため、効率よくリハビリを進めていかなくてはなりません。そのため、より身体機能面に特化した専門的な知識やスキルが求められます。

介護分野~介護老人保健施設・デイケア・訪問リハビリ~

介護老人保健施設や訪問リハビリなどの介護分野では、日常生活に介護を要し、慢性的な症状が続いている高齢の利用者さんを対象としたリハビリが中心です。

理学療法士は、現在の機能をできるだけ維持しながら、利用者さんが日常生活を安全に送れるように支えていかなければなりません。そのため、身体機能だけでなく全身状態の把握、生活環境の整備、必要な介護サービスの提案など、より広い視野が求められます。

小児分野~放課後等デイサービス・児童発達支援など~

最近では放課後等デイサービスや児童発達支援をはじめとした小児分野で活躍する理学療法士が増えています。これらは障がいのある子どもが学校の放課後や長期休暇の際に通うことができる福祉サービスで、それぞれの特性に合わせて運動やレクリエーションなどを行い、社会適応能力を養います。

放課後等デイサービスの対象は6歳から18歳までの学校に通っている就学児、児童発達支援の対象は6歳までの未就学児となっています。

理学療法士は、児童の身体面を評価し、成長に合わせた機能訓練や将来の予後を想定したサポートをしていくスキルが求められます。遊びのなかで行えるメニューの立案や、子どもに合わせたコミュニケーション能力も必要です。

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チーム医療や多職種連携における理学療法士の役割

理学療法士は、医師をはじめ、看護師、作業療法士、栄養士、臨床検査技師、介護士、ケアマネージャーなど、さまざまな医療職と連携しながらリハビリを進めていかなくてはなりません。

そうしたなかで、理学療法士は患者さんの身体機能だけでなく、摂食・嚥下、ベッド上でのポジショニング、体位交換、福祉用具の導入など、リハビリ以外のサポートにも関わることになります。

例えば、介護士や看護師に、患者さんの移乗方法や食事の姿勢についてのアドバイスをしたり、一緒に車いすを選定したりするのも理学療法士の役割です。身体機能や基本動作について、他職種にもわかるような言葉で伝えることが求められます。

地域包括ケアシステムにおける理学療法士の役割

地域包括ケアシステムとは、要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を送れるように支援するための体制のことをいいます。

この地域包括ケアシステムは、各自治体が地域の特性に応じて、5つの構成要素となる「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」を一体的に提供し、高齢者を支えるまちづくりを目指すものです。
参考:地域包括ケアシステム(厚生労働省)

理学療法士は、そうした環境づくりを実現するために、介護予防への取り組みや、福祉用具の導入などに積極的に関わることが求められています。ケアマネージャーや利用者さんの家族との関わりも重要となり、高齢者がより生活しやすいように支援していくことが重要です。

自分の特性に合った職場を見つけよう

理学療法士の役割は、職場や置かれている立場によってさまざまです。自分が学んでいきたいのはどの分野か、自分の特性が合っているのはどの職場なのかをしっかりと見極めながら、その役割を果たすことが大切です。

やりがいの持てる働き方を考えながら、自分に合った職場を見つけましょう。

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rana

rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障がいなどを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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