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理学療法士が施設見学の際にしておくべき質問とは?

公開日:2022.06.10 更新日:2024.01.11

理学療法士が施設見学の際にしておくべき質問とは?

文:rana(理学療法士)

理学療法士が転職活動を行う際、気になる就職先の施設見学に行く人も多いのではないでしょうか。施設見学は、現場の雰囲気を感じ取れるだけでなく、働いている人に直接質問をすることができるため、多くの情報を得られる良い機会です。

では、実際にどのような質問をすれば、より有益な情報が得られるのでしょうか。今回は、転職経験のある現役理学療法士が、施設見学の際にしておくべき質問や、見ておきたいポイントについて詳しく解説します。

>>理学療法士(PT)の転職における事前見学のポイント

施設見学の際にしておくべき質問例【仕事面】

まずは、仕事面に関して、実際に転職する前に聞いておいた方が良いと考えられる質問例を紹介します。

【質問例1】どのような疾患の患者さんが多いですか?

自分が実際にその施設で働いた時に、どのような患者さんのリハビリをすることになるのか、イメージをつかむための質問です。施設形態や地域の特性などによって、リハビリの対象患者層は異なります。脳血管、整形、神経内科などの対象疾患、年齢層などから、自分の進みたい方向性と対象患者は合っているのかを把握しておくことが大切です。

【質問例2】1人あたりの担当患者は平均何人ですか?

リハビリを進める際、患者さん一人ひとりにリハビリテーション計画書を作成しなければいけません。また、患者さんが転院する際にサマリーを作成することもあるでしょう。そのほか、申し送りやカルテ記載など、理学療法士はリハビリと同時並行して、多くの事務仕事をこなさなければなりません。

担当患者の数が多ければ多いほど、事務作業も大変になってきます。1人あたりの担当患者数を把握することで、その施設での働き方が見えてきます。筆者の経験では、整形クリニックでは担当数80人前後、病院では20人前後と、施設形態によってかなり差がある印象です。

【質問例3】こちらで力を入れている手技や、理念などはありますか?

施設によっては特定の手技や、理念を元に治療を展開していることがあります。なかには、その施設が重視する手技や理念以外の治療方法を取り入れることを、良く思わないところもあります。
自分の学びたい、もしくは実施したい治療手技や理念を受け入れてもらえるのか、またその施設の特色に自分が合っているのかという点は、理学療法士としての成長に関わるものです。

ちなみに筆者は過去に、自分の学びたい治療法が、管理者に受け入れてもらえなかったことをきっかけに転職に至った経験があります。事前に把握できていれば、こうしたミスマッチが起こりにくいでしょう。

施設見学の際にしておくべき質問例【人間関係】

転職にあたり、新しい職場の人間関係を知りたいと思うのは当然のこと。しかし、気になっていても、率直に聞くのは難しいかもしれません。失礼がないように当たり障りなく、人間関係についての情報が得られる質問例を挙げてみました。

【質問例1】皆さんこちらでどのくらい(の期間)働いていますか?

現在、在籍している職員の勤続年数を聞くことで、その施設の大まかな職場環境を知ることができます。なぜなら、勤続年数が長い人が多いほど働きやすい傾向にあり、人間関係も良好な環境な可能性が高いと予測できるからです。
反対に、勤続年数が短い人が多ければ、入れ替わりが激しく、人間関係や労働環境に問題がある可能性がある職場と捉えることができます。勤続年数=人間関係の良さ、というわけではありませんが、筆者の経験上、そのような傾向が感じられます。参考として、在籍スタッフの勤続年数を聞いてみることをおすすめします。

【質問例2】どのくらいの年代の方が多いですか?

自分と同世代の人がいると、話が合いやすく、人間関係を築きやすいのではないでしょうか。反対に歳が離れた人ばかりの環境だと、話が合わなかったり、上手く溶け込むことが難しかったりするかもしれません。見学の際に、どのくらいの年代が多いのかを聞き、同世代がいるかどうかを把握しておくと良いでしょう。

【質問例3】既婚者や子育て中の方はいますか?

仕事と子育てを両立する場合、子どもが急に発熱した、保育園が休園になったなど、家族の急な用事で休んだり、残業ができなかったりすることもあるでしょう。そんな時、同じ境遇の人が周りに多ければ、理解されやすく、働きやすい傾向があります。
また、子どもの近況や家庭の相談など、話が合うことも多く、人間関係が築きやすいというメリットもあります。

施設見学の際にしておくべき質問例【待遇面】

給料については事前の求人情報である程度は把握できますが、細かな待遇面は実際に働いてみないとわからないことも多いものです。待遇面について、確認しておきたい質問例を挙げてみました。

【質問例1】皆さん、有給はどの程度取得していますか?

有給は決まった日数が確保されてはいるものの、取得のしやすさは職場環境によって異なります。スタッフ数が多い病院などでは比較的有給を取得しやすい傾向にあり、小さなクリニックのようにスタッフが少ない場合は、代理が見つからず、思ったように有給を取得しにくい可能性が考えられます。在籍スタッフがどの程度有給取得しているかを質問することで、働きやすさが確認できるでしょう。

【質問例2】皆さん、何時頃に帰宅されていますか?

基本的に就業時間は定められていますが、施設によっては業務が終わらず、残業が多い場合もあります。整形外科クリニックでは受付終了時間が遅かったり、病院や介護施設では会議や書類業務をこなしたりと、就業時間を過ぎても帰れない日もあります。特に、残業をあまりしたくないという人は、見学の際に、在籍スタッフが何時頃に帰宅しているのかを質問しておくと良いでしょう。

【質問例3】加入保険について教えて下さい

正社員として働く場合、加入する健康保険について質問しておくと安心です。特に、スタッフ数が少ないクリニックでは、医師国保に加入しているかどうかをチェックしておくことをおすすめします。医師国保の保険料は、税制上の扶養家族であっても、同世帯である限り、一人ひとりに保険料がかかるため、割高になってしまいます。出産や結婚を控えている人にとっては、家族が増えると手取り額が減ってしまう場合があります。筆者も過去に転職をした際、医師国保だったため、結果的に手取り収入が減ってしまったことがありました。

>>【毎月更新】理学療法士(PT)の転職市場・求人動向を見てみる

入職後のギャップを防ぐためにも見学時にはしっかり質問しよう

理学療法士が施設見学の際にしておくべき質問として代表的なものを紹介しました。転職を成功させるためには、入職後にギャップが生じないよう事前の下調べが重要です。施設見学は、実際に働いている人に質問ができる貴重な機会。多くの有益な情報が得られるように質問を整理しておくと良いでしょう。チャンスを生かしながら、自分に合った職場を探してみましょう。

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rana(理学療法士)

総合病院やクリニックを中心に患者さんのリハビリに携わる。現在は整形外科に加え、訪問看護ステーションでも勤務。 腰痛や肩痛、歩行障害などを有する患者さんのリハビリに日々奮闘中。 業務をこなす傍らライターとしても活動し、健康、医療分野を中心に執筆実績多数。

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