肩こりに効果的な「肩甲骨はがし」とは?自分でできるストレッチ法や効果を解説
公開日:2024.07.30
デスクワークやドライブなど長時間同じ姿勢でいると、肩や首がこりますよね。「肩を回しても改善しない」そんな方も多いのではないでしょうか?肩こりが慢性化すると血流が滞り、こりや張り、痛みがとれにくくなります。また冷えやむくみ、頭痛などの症状を伴うことも。
そんなつらい肩こりは、肩甲骨が固くなり、肋骨に張り付いて動きにくくなってしまうことが原因かもしれません。その場合、肩甲骨周りの筋肉をほぐして、本来の動きに導くストレッチ「肩甲骨はがし」がおすすめです。
今回は、肩甲骨の状態のセルフチェック方法や、肩甲骨はがしのメリット、やり方について詳しく紹介します。肩こりを予防して繰り返さないためのポイントも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
肩甲骨が固いとどうなる?
肩甲骨は、肋骨の背中側に浮いたような状態で位置しており、肋骨の上で自由に動くのが理想です。肩甲骨の周りには、肩甲骨を動かす役割をしている肩甲挙筋(けんこうきょきん)や菱形筋(りょうけいきん)をはじめ、多くの筋肉や靭帯を介して腕や鎖骨、肋骨、背骨、骨盤にもつながっています。
そのため、肩甲骨が固くなって動きが悪くなると、全身に影響を及ぼす可能性もあります。
肩甲骨の動きの悪化によるデメリットは主に7つです。
・肩や首がこる
・姿勢が悪くなる
・頭痛や腰痛になりやすくなる
・自律神経のバランスが乱れる
・血流やリンパの流れが悪化する
・巻き肩や猫背になりやすくなる
・四十肩や五十肩になりやすくなる
肩甲骨の動きが悪くなる主な原因は、長時間のデスクワークや運動不足と言われています。
しかし運動不足やデスクワークなどで同じ姿勢が長時間続くと、肩甲骨周辺の筋肉がこわばり、肋骨に張り付いて動かしづらくなります。慢性化すると血流が滞り、肩や首のこりを引き起こします。
肩こりが悪化すると、冷えやむくみ、頭痛などの不調を伴うことも珍しくありません。さらにひどくなると、胃腸や自律神経にまで影響を及ぼすこともあるため、早めに対処することが重要です。
肩甲骨の状態をセルフチェック
では実際に、肩甲骨の状態をチェックしてみましょう。次の2つのうちどちらか1つでも構いません。肩甲骨はがしをおこなった後、改善したかどうかもチェックしてみてくださいね。
・横からバンザイ
・背中で左右差チェック
横からバンザイ
壁に背をつけて立ち、手のひらを下に向けて肘を伸ばした状態で、壁に沿わせるように横から腕をゆっくり上げます。痛みを感じる手前で止め、肩の水平ラインを0度として腕が上がったところまでの角度を確認しましょう。
耳の真横に腕をつけてバンザイできる、つまり90度上がるのが理想です。60度以上であれば日常生活に支障はないかもしれませんが、何もしないとどんどん固くなる可能性があります。
60度未満の方は、肩甲骨周りの筋肉を積極的に動かす必要があるでしょう。必ず左右差を確認してください。
背中で左右差チェック
1.片手を背中側に回し、同じ側の肩甲骨に触れてみましょう。柔軟性が高まると肩甲骨の上の方まで触れるようになります。
2.もう片方の手を肩の上から背中に回し、指と指が触れるかチェック。ほとんどの人に左右差があるため、必ず左右チェックしてみてください。
肩甲骨はがしが肩こりに効果的な理由
肩甲骨はがしとは、肩甲骨周りにある筋肉をほぐしながら動かし、肋骨に張り付いて動きが悪くなった肩甲骨の可動性を改善するものです。
私自身、整体施術で1,000人以上の方に肩甲骨はがしを実施しましたが、週に一度施術を受けたとしても、日常生活での姿勢が崩れるとすぐに元通りになってしまいます。
良い状態を維持するためには、正しいセルフケアを続けることが効果的です。「肩甲骨はがし」のストレッチなら、自分で手軽にできるうえ、マッサージで揉みほぐすのが難しい深部にある筋肉の動きにアプローチできます。
肩甲骨はがしにより期待される主な効果は以下の3つです。
・肩こり・首こりが改善する
・血流やリンパの流れが改善する
・巻き肩や猫背など、姿勢が改善する
順に解説していきます。
肩こり・首こりが改善する
肩こりには表面の僧帽筋(そうぼうきん)や深部にある肩甲挙筋(けんこうきょきん)、菱形筋(りょうけいきん)などさまざまな筋肉が影響しています。
肩甲骨はがしでそれらの筋肉がほぐれると、肩甲骨が本来の位置に戻り、肩こりや首こりの改善につながります。また滞っていた血流を促すことで、頭痛や腰痛、四十肩や五十肩の予防にもなります。
血流やリンパの流れが改善する
肩甲骨はがしでこわばった筋肉がほぐれると、血流やリンパの流れが良くなり、慢性的な疲れや冷え、むくみの改善が期待できます。
また、肩甲骨の本来の動きを取り戻すことで呼吸が深くなり、自律神経が整います。呼吸が深くなると横隔膜や内臓の働きも良くなるため、胃腸の調子も整う可能性があります。
巻き肩や猫背など、姿勢が改善する
肩甲骨はがしを行うと、肩や胸が開いた姿勢になり、猫背や巻き肩でいることが不快に感じるようになります。ストレートネックの改善やぽっこりお腹の解消、バストアップやヒップアップも期待できます。
また、どちらか片方の足に重心をかけて立っていたり、バッグをいつも同じ側で持っていたりすると、背骨が歪み肩甲骨の位置にも左右差が出てしまいます。歪みや偏りは誰でもありますが、肩甲骨はがしで肩甲骨を本来の位置に戻すと姿勢が改善し、その結果肩こりの解消にもつながります。
自分でできる「肩甲骨はがし」ストレッチ方法
肩甲骨はがしを行うと腕が上がりやすくなったり、呼吸が楽になったり、すぐに効果を実感できる人もいます。今回は次の3種類を紹介します。
①胸のストレッチ
②背中のストレッチ
③壁に両手をついてストレッチ
続けることで肩こりが楽になるだけでなく、予防にもつながります。すべてできなくても構いません。無理のない範囲で毎日続けられるものを選び、実践してみてください。
①胸のストレッチ
1.壁から少し離れたところに立ち、壁に片手をつきます。
2.そのまま上半身を前に突き出すように胸を張り、30秒呼吸します。
3.手の位置を上・中・下3箇所にずらし、同様に30秒ずつ呼吸します。
※四十肩・五十肩で腕が上がりにくい場合は無理をせず、痛みのない範囲で行ってください。
②背中のストレッチ
1.手を組んで肘を横に張り出すようにして、背中を丸めて30秒呼吸します。吸った時に背中が膨らむのを感じてください。
2.背中を丸めたまま8の字を描くように動かします。
3.5回行ったら、反対回りも5回行いましょう。
※背中に伸び感を感じない場合は、腰を丸める意識で行ってみてください。
③壁に両手をついてストレッチ
1.壁から少し離れて足を肩幅より広めに開き、壁に両手をつきます。手は肩幅より広く開き、指先をやや内側に向けます。
2.腕立て伏せのように胸を壁に近づけながら、8の字を描くようにします。
3.5回行ったら、反対回りも5回行いましょう。
※手首が痛い場合は無理をしないでください。
肩甲骨はがしの注意点
体は柔らかければ柔らかい方が良いと思っている方もいますが、関節がゆるすぎるとけがにつながる恐れがあります。無理をして、筋肉や靭帯を傷めてしまわないよう注意してください。
肩甲骨が浮きすぎてしまう症状「翼状肩甲(よくじょうけんこう)」で腕を上げにくい場合もあり、その際は筋力強化も必要です。痛みやしびれがあるときは、決して無理をしないようにしましょう。
また肩や背中、腕などに激痛がある場合は、内臓に異常があることも考えられるため、医療機関の受診をおすすめします。
まとめ
肩こりを改善するには、今回紹介した「肩甲骨はがしストレッチ」で、固くなった筋肉をほぐすことが大切です。しかし、このようなストレッチを取り入れても、日常生活での姿勢が悪いと、すぐに元に戻ってしまいます。健やかな状態を維持するために、正しい姿勢を意識して、ストレッチを継続しましょう。
また、デスクワークなど同じ姿勢を長時間続けるときは、姿勢のくせを見直したり、固くなる前にこまめに体を動かしましょう。
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