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【ぽっこりお腹を解消】簡単にできる内臓の位置を戻すトレーニング!

公開日:2024.05.30

【ぽっこりお腹を解消】簡単にできる内臓の位置を戻すトレーニング!

文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)

「年々お腹が出てきている気がする」「ダイエットをしてもぽっこりお腹が改善しない」というお悩みはないでしょうか。そのお悩みは内臓の位置が下がっていることが原因かもしれません。当記事では、下腹部がぽっこりする原因と内臓の位置の関係性や内臓の位置を戻すトレーニングを解説します。ぜひ最後まで読み進めて、あなたのぽっこりお腹の解消にお役立てください。

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【意外と知らない】内臓の位置とぽっこりお腹の関係とは?

お腹がぽっこり出ていると「太ったのでは?」「脂肪がついているせいだ」と思いがちですが、原因の一つとして内臓の位置が関係しています。

ぽっこりお腹に関係する内臓として、消化器や婦人科系、泌尿器系などの臓器が挙げられ、横隔膜と骨盤の間にある「腹腔(ふくくう)」という空間の中に存在しています。内臓はその腹腔内で、骨などに付着する筋肉や膜などの組織で支えられ正しい位置を保っています。

そのため土台となる骨格が乱れたり、なんらかの原因で筋肉や膜の支えが弱くなると、内臓が正常な位置よりも下がり、お腹が前に突き出て見える可能性があるのです。

内臓の位置が下がる原因について解説

内臓の位置とぽっこりお腹が関係していることがわかりましたね。それでは内臓の位置が下がってしまう原因についてさらに詳しく解説します。

悪い姿勢

姿勢が悪くなると正しい骨盤の位置から逸脱するため、内臓の位置が下がるケースがあります。

具体的には、長時間の座りすぎによりSway backと呼ばれる骨盤が前に出るような姿勢になる傾向がありますが、この姿勢になるとお腹を前に出すような状態になり、筋肉や靭帯などの組織が内臓を支えられなくなる可能性もあるのです。

また女性で多い反り腰姿勢は、骨盤周りの筋肉が使えていないことが多く、腹圧を適切に保つことができないため内臓の位置が下がる場合があるのです。

骨盤底筋が弱いまたは硬い

骨盤底筋は、骨盤の底にある筋肉の総称で、内臓を支えたり尿道、膀胱、子宮、直腸の機能の維持に重要な役割を果たしています。

本来であれば骨盤底筋が正常に働くことで、内臓の位置が正しく保たれています。しかし骨盤底筋が弱くなっていると、内臓を支えることができず引き下がってしまうのです。

また骨盤底筋が硬くなっている場合も、正常に作用していない可能性があるため、内臓の位置も同時に下がっている可能性があります。

特に妊娠・出産経験のある女性は、骨盤底筋が弱くなっていることが多いです。しかし近年、若い女性や男性でも骨盤底筋が弱くなっている方が多いと言われています。

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呼吸が浅い

呼吸は腹圧や内臓の位置に大きく関係しています。内臓の周りを覆っている腹腔の上部は横隔膜と呼ばれる筋肉です。

横隔膜は呼吸に関係する筋肉で、息を吸った時には下方へ下がり内臓を圧迫します。また息を吐く時には、上方に引き上がり内臓の圧迫を解放します。

本来であればこのように息を吐いた際に、横隔膜が本来の位置に戻り、内臓の位置も同様に戻ります。しかし呼吸が浅く、息が吐ききれていない場合には内臓の位置が下がっていることが多いのです。

呼吸が浅いのであれば吸う力も弱く、内臓を圧迫する力も同時に弱くなるのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし呼吸が浅い場合にも、身体は酸素を必要とするため息を吸うことは弱くなりにくく、息を吐けていない方が多いのです。

加齢

一般的に年齢とともに筋肉が落ちたり組織の支持する力が弱くなることを考慮すると、加齢も一つの原因として考えられます。

実年齢と身体年齢は人それぞれ違いがあるため、一概に加齢が全ての原因ではありませんが、年を重ねるほど筋肉をつけ正しい姿勢を意識することが重要だと言えるでしょう。

【自分でできる】内臓戻しトーレニングを解説!

それでは内臓の位置とぽっこりお腹の関連性や原因がわかったところで、実際に内臓の位置を戻すトレーニングを解説します。

ペルビックリフト

この運動では、内臓の位置を重力で戻しながら骨盤周りの筋肉を正しく使うエクササイズです。姿勢改善にも繋がるため、内臓の位置を戻すための根本的な解決に効果があります。

⒈仰向けに寝ましょう。手の平を下向きにし、体の横に添えます。

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⒉骨盤を自分の方向へ傾け(後傾し)、お尻を持ち上げます。肩から膝まで一直線を意識しましょう。

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⒊さらにできる方は、息を吐きながら骨盤底筋(膣を引き上げ、尿を我慢するよう)に力を入れてみましょう。

ロールオーバー

この運動も、内臓の位置を重力で戻しながら骨盤周りの筋肉を正しく使うエクササイズです。お腹の筋肉をしっかりと使うことができます。

難易度や負荷量が高い運動ですので、妊娠中や産後直後、骨粗鬆症の方などは自己判断で行わないようにしましょう。

⒈仰向けになって寝ましょう。手は体の横に添え、足は踵(かかと)と踵をつけて揃えます。

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⒉ゆっくりと足を頭の方へ持ち上げていきます。この動作が辛い方は手を腰に添えたり、腰の下にブロックや枕を差し込みましょう。首が痛い方や背骨に問題がある方は無理に行わず、専門家の指示に従って行いましょう。

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⒊しっかりと呼吸を行います。意識できる方は息を吐きながら骨盤底筋(膣を引き上げ、尿を我慢するよう)に力を入れてみましょう。

肋骨挙筋トレーニング

肋骨挙筋と呼ばれる筋肉は、その名前の通り肋骨を引き上げる筋肉です。この筋肉が弱くなることで、肋骨が下に下がるため同時に腹腔にも圧が掛かり、内臓の位置が下がる可能性があります。

また弱くなると悪い姿勢にも繋がる腸腰筋(腰の背骨から太ももの骨に掛けて付いている筋肉)と呼ばれる筋肉も同時に鍛えることができ、根本的な解決にも繋がります。

⒈足を広げ、長座の姿勢で座りましょう。この時、骨盤を立てて座ることで姿勢改善に必要な筋肉(腸腰筋など)をしっかり使うことができます。

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⒉両手を万歳して、息を吸いながら肋骨を引き上げます。

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⒊息を吐く時にも、肋骨が下がらないように意識しましょう。

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まとめ

今回は、内臓の位置とぽっこりお腹の関連性や原因、そして内臓の位置を戻すトレーニングについて解説しました。

内臓の位置を戻すことでぽっこりお腹が関連するケースはよく見かけます。ダイエットをしているけどなかなかお腹が痩せないという方は、ぜひ当記事を参考にしていただけたら幸いです。

また内臓の位置を戻すことでぽっこりお腹の解消だけでなく、尿もれや便秘解消などに繋がることもありますので、健康的な身体を維持したい方もぜひ取り組んでみてください。

服部恵実

服部 恵実

大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_

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