ワイドスクワットの正しいやり方は?効果を高める方法もご紹介!
公開日:2024.05.31
文:内藤 かいせい(理学療法士)
ワイドスクワットは、下半身の筋力を鍛える際のおすすめのトレーニングです。しかし、どのような方法で行えば良いのか、どんな効果があるのか良くわからない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ワイドスクワットの効果や通常のスクワットとの違いについてご紹介します。効果的なワイドスクワットのやり方を知ることで、効率的にトレーニングを進められるでしょう。
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目次
ワイドスクワットで鍛えられる筋肉
ワイドスクワットでは、以下のような筋肉を鍛えられます。
● 大殿筋
● 大腿四頭筋
● ハムストリングス
● 内転筋
大殿筋はお尻についている大きい筋肉で、その他の筋肉は太ももについています。具体的には、大腿四頭筋は、太もも前面についている4つの筋肉の総称です。ハムストリングスは太ももの裏側にあり、内転筋は内側についています。
このように、ワイドスクワットはお尻から太ももにかけての幅広い筋肉を鍛えられるのが大きな特徴です。
ワイドスクワットと通常のスクワットの違いは?
ワイドスクワットと通常のスクワットの違いは、おもに以下のとおりです。
● 鍛えられる筋肉の部位
● 運動時の安定性
まず、鍛えられる筋肉の部位に違いがあります。ワイドスクワットは、通常のスクワットよりも内転筋を鍛えやすい傾向にあります。そのため、内転筋を鍛えたい方はワイドスクワットのほうがおすすめといえるでしょう。
そして運動時の安定性も異なります。ワイドスクワットは通常よりも足を広げ、関節を大きく動かす必要があるため、姿勢が不安定となります。不安定な状態でトレーニングをする分、バランス感覚を養いながら下半身を鍛えることが可能です。その一方で、ふらつきや転倒などのリスクが生じるので、慣れないうちは足の広げ具合をうまく調整する必要があります。
このように、ワイドスクワットと通常のスクワットには明確な違いがあることがわかるでしょう。
ワイドスクワットの効果
ワイドスクワットをすることで、どんな効果を得られるのでしょうか。ここでは、おもな効果について詳しく解説します。
引き締まった下半身を作れる
ワイドスクワットは下半身の筋肉を鍛えるトレーニングなので、継続することで引き締まった下半身を作れます。ワイドスクワットは内転筋や大腿四頭筋など、太ももについている筋肉を効率的に鍛えられます。そのため、太ももを引き締めやすくなり、女性の場合はすらっとした美しい足を、男性の場合はたくましい足を目指せるでしょう。
痩せやすい身体につながる
ワイドスクワットで下半身の筋肉を鍛えることで、基礎代謝が上がって痩せやすい身体を作れます。基礎代謝とは、人が生命活動をするために必要な最低限のエネルギーのことです。この基礎代謝は筋肉量によって増減します。筋トレして筋肉量が増えれば、その分基礎代謝量も上がるため、痩せやすく太りにくい身体を作れます。
一方で、筋肉が衰えると基礎代謝が下がり、普段と同じ食事をしていても太りやすくなる恐れがあるのです。とくに大きい筋肉は基礎代謝に関わりやすいので、スクワットで大腿四頭筋や内転筋などを鍛えればダイエット効果も高まるでしょう。
O脚の改善が期待できる
ワイドスクワットで内転筋を鍛えることで、O脚の改善が期待できます。O脚とは、膝が外側に曲がって足が「O字」のようになっている状態のことです。O脚は関節に負担がかかりやすく、「変形性膝関節症」と呼ばれる、膝関節の変形をともなう病気につながる恐れもあります。
O脚や変形性膝関節症は内転筋の筋力が低下しやすい傾向にあります。そのため、ワイドスクワットを行うことでO脚の予防・改善につながるのです。
実際に、O脚の方に対して内転筋のトレーニングを継続したところ、軽減が期待できたという報告もあります。O脚気味の方は、ぜひワイドスクワットを試してみましょう。
ワイドスクワットの正しいやり方
ここではワイドスクワットの正しいやり方についてみていきましょう。
【ワイドスクワットのやり方】
1. 足を肩幅よりも広く開き、つま先をやや外側に向ける
2. 姿勢を伸ばしたままゆっくり膝と股関節を曲げる
3. 膝を90度ほど曲げたら、ゆっくりと元に戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
膝が内側にブレないように、位置を固定したまま曲げるようにしてください。関節の負担を軽減するために、膝はつま先よりも前に出さずに行ってみましょう。
ワイドスクワットのおすすめの回数や頻度は?
ワイドスクワットをはじめる際は、10〜15回×2〜3セット程度を基準にしておくと良いでしょう。継続して慣れてきたら、無理のない範囲で回数を少しずつ上げることが大切です。
頻度としては、週に2〜3回が推奨されています。
少ないと感じる方もいると思いますが、これは筋トレで傷ついた筋肉を回復させる時間が必要だからです。休息時間を設けることで筋肉の修復が行われ、以前よりも太い状態となります。この過程を「超回復」と呼びます。
毎日筋トレを行うと筋肉の超回復が妨げられてしまい、思うような効果が得られなくなる恐れがあるのです。筋肉を休める時間を作りつつ、無理なくトレーニングを継続していきましょう。
ワイドスクワットの効果を高める3つの方法
ワイドスクワットの効果を高める方法として、おもに以下の3つがあげられます。
1. 足を広げてゆっくり行う
2. ダンベルやゴムチューブを活用する
3. バランスディスクに乗って行う
ここではそれぞれの方法について詳しく解説します。
1.足を広げてゆっくり行う
1つ目が、足を広げてゆっくり行うことです。足を広げることで関節を動かす範囲が広くなるため、その分筋肉に負担がかかりやすくなります。そしてゆっくりと関節を動かすと、筋肉に負担がかかる時間が長くなり、トレーニングの効果を高められます。
普段のワイドスクワットでは物足りない場合は、いつもより足を広げつつ、3〜5秒間かけてゆっくりと行ってみましょう。ただし、足を広げすぎるとバランスがとりにくくなるので、姿勢をキープできる範囲で行うことが大切です。
2.ダンベルやゴムチューブを活用する
2つ目が、ダンベルやゴムチューブなどの器具を活用することです。ダンベルを持ちながら行えば重量が増えるため、下半身にかかる負担が強くなります。
他の筋肉を効かせたい場合は、ゴムチューブの使用がおすすめです。ゴムチューブを太ももに巻くことで、足を開く際の抵抗が強くなります。そのため、「中殿筋」や「大腿筋膜張筋」など、股関節を広げる働きのある筋肉が効きやすくなります。
3.バランスディスクに乗って行う
3つ目は、バランスディスクに乗って行う方法です。バランスディスクとは、空気の入った円盤状の器具です。バランスディスクの上に乗ることで、不安定な状態を作れるため、気軽にバランストレーニングが行えます。
ワイドスクワットをする際は、バランスディスクを2つ用意して、両足に乗せて行いましょう。下半身だけでなく体幹筋も鍛えられて、バランス能力の向上につながります。
ただし、バランスディスクを使用したトレーニングはふらつきやすく、転倒のリスクがあるので、注意が必要です。壁や手すりなど、もしものときに支えられるような場所の近くで行うようにしましょう。
ワイドスクワットで下半身の筋力を強化しよう
ワイドスクワットは通常のスクワットよりも内転筋の筋肉を鍛えやすく、バランス能力も鍛えられるトレーニングです。内転筋を鍛えることで、O脚の改善にもつながるでしょう。
ワイドスクワットをする際は、姿勢をまっすぐにして膝がブレないように行うことがポイントです。また、負荷量を増やしたい場合は、足を広げたり、器具を使用したりするのもおすすめです。正しいワイドスクワットの方法を学び、効果的に下半身を鍛えていきましょう。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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