医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報

セラピストプラス

マイナビコメディカル
マイナビコメディカル

医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報

セラピストプラス

ベンチプレスのフォームを正しく習得するポイントを詳しく解説

公開日:2024.07.24

ベンチプレスのフォームを正しく習得するポイントを詳しく解説

文:内藤 かいせい(理学療法士)

器具を活用した上半身のトレーニングで代表的なのが、ベンチプレスです。しかし、実際にトレーニングをはじめるとき、どのようなフォームで行えば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。ベンチプレスは上半身の筋肉を効率的に鍛えられる一方、やり方を間違えると思うような効果を得られず、ケガにつながる恐れもあります。

この記事では、ベンチプレスを正しいフォームで行うやり方と、効果を高めるポイントをご紹介します。トレーニングのコツを学ぶことで、効率的に上半身を鍛えられるようになるでしょう。

ベンチプレスはどんな筋肉に効く?

ベンチプレスのフォームを正しく習得するポイントを詳しく解説

ベンチプレスで鍛えられる筋肉は、以下があげられます。

● 大胸筋(胸の筋肉)
● 三角筋(肩の筋肉)
● 上腕三頭筋(腕の筋肉)

大胸筋がメインのトレーニングですが、肩や腕の筋肉も同時に鍛えられるのがベンチプレスの大きな特徴です。どれも大きい筋肉なので、鍛えることでたくましい上半身を作れます。また、ベンチプレス自体が負荷量が大きいトレーニングなので、継続することで効率的に筋肉量を増やせるでしょう。

ベンチプレスを行うことによる効果

ベンチプレスを行うことで、どのような効果を得られるのでしょうか。ここでは、おもな効果について詳しく解説します。

逆三角形の身体を作れる

ベンチプレスを行うことで、逆三角形の身体を作れます。ベンチプレスは大胸筋に刺激が入りやすいので、胸板をより厚くできます。

また、三角筋や上腕三頭筋などの腕・肩まわりについている筋肉のトレーニングにもなるので、肩幅も広げやすくなるでしょう。その結果、逆三角形の身体となり、カッコいいシルエットを作れるようになるのです。また、女性であればバストアップや二の腕のたるみ予防にもつながります。

筋肉量が増えて痩せやすい身体を作れる

筋肉量が増えれば、基礎代謝が上がって痩せやすい身体を作れます。基礎代謝とは、何もしていない状態でも消費される、生きるうえで必要なエネルギーのことです。この両者は相関関係にあり、筋肉量が多いほど基礎代謝量が増加します。

基礎代謝が上がれば、その分消費エネルギーが増えるので、普段よりも痩せやすくなるでしょう。また、ベンチプレスは大きな筋肉を鍛えられるため、効果的に基礎代謝を上げられるのもメリットです。

正しいフォームでのベンチプレスのやり方

ベンチプレスのフォームを正しく習得するポイントを詳しく解説

間違った方法でベンチプレスを行うとケガにつながります。ここでは正しい手順について詳しくみていきましょう。

【ベンチプレスのやり方】
1. ベンチにあお向けになり、バーを目線の位置にくるようにする
2. 胸を張った状態でバーを握り、ゆっくり持ち上げる
3. 持ち上げた後はその状態をキープした後、バーを胸の位置まで移動する
4. 胸につくまでバーをゆっくり下げる
5. 胸についたらバーをまっすぐ上げる
6. 4〜5の手順を繰り返す

バーは肩幅よりやや広めに握るようにしてください。呼吸は止めず息を吸いながらバーを下げ、吐きながら上げることを意識してみましょう。バーを持ち上げる際は腰を反らして、お尻を上げないように注意してください。

ベンチプレスの重量はどのくらいがおすすめ?

筋肉量を増やすことを目的にベンチプレスを行う場合は、8〜12RM×1セット以上を目安にすると良いでしょう。RMとは最大反復回数のことで、「どのくらいの回数が限界なのか」を示す指標です。

つまり、8〜12RMは「8〜12回行うのが限界な負荷量」を指し、その回数に応じた重量を設定することが大切です。自分にとって8〜12RMはどのくらいの重量なのかを把握したうえで、その数値を基準にトレーニングを進めてみましょう。

ベンチプレスの効果を高める3つのポイント

ベンチプレスのフォームを正しく習得するポイントを詳しく解説

ベンチプレスの効果を高めるためには、以下の3つを意識することが大切です。

1. 軽い重量からはじめる
2. 筋肉痛がある場合はトレーニングを控える
3. たんぱく質を補給する

ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

1.軽い重量からはじめる

1つ目が、軽い重量からはじめることです。先ほど適切な重量や回数について説明しましたが、これはベンチプレスに慣れた段階で設定するものです。慣れない状態で行うと、正しいフォームが身につかないだけでなく、ケガのリスクも高まります。

まずは軽い重量で正しいフォームを習得し、徐々に重さを増やすことが大切です。重りをつけず、バーのみで行う方法もおすすめです。軽い重量からはじめるのは継続するコツでもあるので、いきなり負荷をかけすぎないようにしましょう。

2.筋肉痛がある場合はトレーニングを控える

2つ目は、筋肉痛がある場合はトレーニングを控えることです。筋肉痛は筋肉が傷ついている状態であり、痛みや固さなどの症状が現れています。その状態でトレーニングすると、ケガのリスクが高まるでしょう。

また筋肉痛は筋肉が修復され、より太く強くなるための過程でもあり、この現象を「超回復」と呼びます。超回復中にトレーニングすると、筋肉の修復が妨げられてしまうのです。筋肉痛が治まるまではトレーニングを避け、休養をしっかりとることが大切です。

3.たんぱく質を補給する

3つ目は、たんぱく質を補給することです。たんぱく質は筋肉を構成する重要な栄養素であり、トレーニング後の筋機能の改善に役立ちます。たんぱく質が不足している状態でトレーニングしても、思うような効果が得られないことがあります。それどころか、筋肉がつかなくなる原因にもなるでしょう。

たんぱく質を補給するためには、鶏肉や魚、大豆製品などを積極的に取り入れることが大切です。食事でなかなかたんぱく質をとれない場合は、プロテインを活用するのもおすすめです。

ベンチプレスの種類

ベンチプレスにはさまざまなバリエーションがあり、それぞれ負荷をかけやすい筋肉が異なります。ここでは、ベンチプレスの種類について解説します。狙いたい筋肉がある場合は、ぜひ他の種類のベンチプレスを行ってみましょう。

インクラインベンチプレス

”インクラインベンチプレス“/

インクラインベンチプレスは、ベンチの角度を上げた状態で行うトレーニングです。通常のベンチプレスよりも、大胸筋上部を鍛えやすいのが特徴です。

【インクラインベンチプレスのやり方】
1. ベンチの角度を30〜45度に設定して、あお向けになる
2. 胸を張った状態でバーを握り、ゆっくり持ち上げる
3. 持ち上げた後はその状態をキープした後、バーを胸の位置まで移動する
4. 胸につく直前までバーをゆっくり下げる
5. バーをまっすぐ真上に上げる
6. 4〜5の手順を繰り返す

バーは通常のベンチプレスよりも、やや狭く握ってください。肘を外に開かず、バーの真下に位置するように意識してみましょう。

デクラインベンチプレス

”デクラインベンチプレス“/

デクラインベンチプレスは、ベンチの角度を下げた状態で行うトレーニングです。腕がやや下方向になった状態でベンチプレスを行うので、大胸筋下部を効率的に鍛えられます。

【デクラインベンチプレスのやり方】
1. ベンチの角度をマイナス15〜30度に設定して、あお向けになる
2. 胸を張った状態でバーを握り、ゆっくり持ち上げる
3. 持ち上げた後はその状態をキープした後、バーを胸の下の位置まで移動する
4. 胸の下につく直前までバーをゆっくり下げる
5. バーをまっすぐ真上に上げる
6. 4〜5の手順を繰り返す

身体が斜め下方向に傾いていますが、腕は真上に上げるようにしてください。

ワイドグリップベンチプレス

”ワイドグリップベンチプレス“/

ワイドグリップベンチプレスは、通常のベンチプレスよりもバーを広く握るトレーニングです。広く握ることで、大胸筋の外側にかかる負荷量を上げられます。

【ワイドグリップベンチプレスのやり方】
1. ベンチにあお向けになり、バーを目線の位置にくるようにする
2. 胸を張った状態通常のベンチプレスよりも広くバーを握り、ゆっくり持ち上げる
3. 持ち上げた後はその状態をキープした後、バーを胸の位置まで移動する
4. 胸に近づけたらバーをゆっくり下げる
5. バーをまっすぐ上げる
6. 4〜5の手順を繰り返す

バーを下げすぎると肩にストレスがかかりやすくなるので、痛みが出ない範囲まで下げるようにしてください。また、重量も通常のベンチプレスよりも低めに設定しておきましょう。

正しいベンチプレスを実践してたくましい上半身を作ろう

ベンチプレスは、たくましい上半身を作りたい方にとっておすすめのトレーニングです。しかし、器具を使用する分、正しいフォームを意識して行うことが大切です。筋肉痛のときはトレーニングを避け、たんぱく質を欠かさず摂取することも意識してみてください。まずは軽い負荷量から行い、少しずつベンチプレスに慣れていきましょう。

■関連記事
胸トレで分厚い胸板をつくるポイントは?効果的なメニューとプログラム例を紹介

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

今よりさらに良い環境で働けるよう
キャリアドバイザーが全力でサポートします
\今すぐ1分で完了/

    <PR>マイナビコメディカル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  LINEで送る

他の記事も読む

おすすめ

TOPへ