インクラインダンベルプレスで大胸筋を鍛えよう!正しいやり方や回数をご紹介
公開日:2024.07.25
文:内藤 かいせい(理学療法士)
インクラインダンベルプレスは、器具を使用した筋トレのため、上半身の筋肉を効率的に鍛えられます。しかし、どのようなフォームで行えば良いのか、よくわからない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、インクラインダンベルプレスの正しいやり方や、効果を高めるためのポイントをご紹介します。効果的な方法を学ぶことで、トレーニングの継続によってたくましい上半身を作れるようになるでしょう。
目次
インクラインダンベルプレスで鍛えられる筋肉
インクラインダンベルプレスは以下の筋肉を鍛えられるトレーニングです。
● 上腕三頭筋
● 三角筋(肩の筋肉)
メインとしては大胸筋の上部線維で、鎖骨付近に近い部位に刺激が入りやすくなります。また、腕や肩を使った筋トレなので、肘を伸ばす際に働く上腕三頭筋や、肩を動かす働きのある三角筋も同時に鍛えられます。大胸筋の上部を効率的に鍛えたい場合は、通常のダンベルプレスよりもインクラインダンベルプレスを行ってみましょう。
インクラインダンベルプレスの効果
インクラインダンベルプレスを行うことで、どのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、インクラインダンベルプレスの具体的な効果について詳しく解説します。
厚い胸板を作れる
インクラインダンベルプレスは、厚い胸板を作るのにおすすめの筋トレです。大胸筋の上部線維を集中的に鍛えることで、立体的な胸を作りやすくなります。厚い胸板を作れば、たくましい上半身となり、シャツの上からでも筋肉がわかりやすくなります。
また、女性の場合は大胸筋の上部線維を鍛えることで、バストアップにつながるでしょう。
逆三角形の身体を作れる
逆三角形の身体を作れるメリットもあります。インクラインダンベルプレスは、大胸筋だけでなく、上腕三頭筋や三角筋など、腕や肩の筋肉も同時に鍛えられます。上半身の筋肉をバランス良くつけることで、逆三角形の身体を作りやすくなるのです。
さらに、背中の筋肉も同時に鍛えれば、よりくっきりとしたシルエットを作れるでしょう。
基礎代謝が上がって痩せやすい身体を作れる
インクラインダンベルプレスによって基礎代謝が上がり、痩せやすい身体を作れます。基礎代謝とは、何もしていない安静時に消費されるエネルギーのことです。筋肉量が多いほど基礎代謝は高くなり、太りにくい身体になるとされています。
インクラインダンベルプレスは、大胸筋や上腕三頭筋などの大きな筋肉を鍛えられるので、基礎代謝の向上に効果的といえます。このように、筋肉量が増えるだけでなく、ダイエット効果も高まるメリットもあるのです。
インクラインダンベルプレスのやり方
インクラインダンベルプレスは、ダンベルを活用したトレーニングです。正しいフォームを覚えて、効率的に筋肉を鍛えていきましょう。
1. ベンチの角度を30〜45度に設定する
2. ダンベルを持った状態でベンチにあお向けになる
3. ダンベルを持ち上げ、腕を真上に上げる
4. 肩甲骨を寄せながらゆっくり腕を下げる
5. 3〜4の手順を繰り返す
腕は広げた状態にしておき、ダンベルを下げるときは肘を曲げましょう。呼吸は止めず、腕を上げる際は息を吐き、下げる際は吸うように意識してください。
インクラインダンベルプレスのおすすめの回数は?
インクラインダンベルプレスで筋力を高めたい場合は、「8〜12RM」を最低1セット以上、週に2〜3回のペースが良いとされています。RMとは「最大反復回数」のことで、特定の重量で行う際の限界の回数を示すものです。
つまり8〜12RMとは、8〜12回が限界の重量で行うことです。筋トレの効果を高めたい場合は、ダンベルの重量を変更して負荷量を調整してみてください。ただし、はじめてインクラインダンベルプレスを行う際は、軽めの重量にして正しいフォームに慣れていきましょう。
インクラインダンベルプレスの効果を高める3つのポイント
インクラインダンベルプレスの効果を高めるためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
2. 反動をつけずに行う
3. お尻を浮かせない
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.ベンチの角度を上げすぎないようにする
1つ目は、ベンチの角度を上げすぎないようにすることです。ベンチの角度は、上げれば上げるほど良いわけではありません。角度を上げすぎると、ダンベルを真上に上げるフォームになり、肩関節に負荷がかかりやすくなります。
効果的に大胸筋上部を鍛えるには、ベンチの角度を30〜45度の範囲で行うことが大切です。適切な角度でトレーニングすることで、ケガのリスクを減らしつつ、効果的に筋肉を鍛えられるでしょう。
2.反動をつけずに行う
2つ目は、反動をつけずに行うことです。反動をつけてダンベルを上げると、筋肉にかかる負荷が減って、トレーニング効果が下がる原因になります。筋肉にしっかりと負荷をかけるには、反動をつけずにゆっくりと動作を行いましょう。
ダンベルを下ろす際も、ゆっくりと行うことで、筋肉により長時間負荷をかけられます。反動をつけないことを意識して、丁寧にトレーニングしましょう。
3.お尻を浮かせない
3つ目は、トレーニング中にお尻を浮かせないことです。お尻が浮くと上半身が持ち上がるため、腕を上げる角度が下がります。そうなると通常のダンベルプレスのような形となり、大胸筋上部に負荷がかかりにくくなります。
また、お尻を浮かせて腰をそらすと、腰痛の原因にもなるでしょう。しっかりと大胸筋上部を鍛えるためにも、お尻を浮かせずに行うことを意識してみてください。
インクラインダンベルプレス以外でおすすめのトレーニング
ここではインクラインダンベルプレス以外でおすすめの、ダンベルを使用したトレーニングについて解説します。それぞれのトレーニングをローテーションで行うことで、満遍なく筋肉を鍛えられるでしょう。
デクラインダンベルプレス
デクラインダンベルプレスは、インクラインダンベルプレスとは逆に、ベンチを斜め下方向にして行うトレーニングです。上半身に対して腕を下げたフォームになるので、大胸筋の下部線維を効率的に鍛えられます。
1. ベンチの角度をマイナス15〜30度に設定する
2. ダンベルを持った状態でベンチにあお向けになる
3. ダンベルを持ち上げ、腕を真上に上げる
4. 肩甲骨を寄せながらゆっくり腕を下げる
5. 3〜4の手順を繰り返す
インクラインダンベルプレスと異なり、お尻を浮かすとさらに大胸筋下部線維に効きやすくなります。ただし、腰に負担がかかりやすくなるので、浮かしすぎには注意しましょう。
リバースグリップダンベルプレス
リバースグリップダンベルプレスは、手のひらを顔に向けた状態でダンベルを上げるトレーニングです。大胸筋上部だけでなく、三角筋にも強い負荷をかけられるのが特徴です。
1. ダンベルを持って、フラットな角度のベンチにあお向けになる
2. 手のひらを顔に向けて、肘を身体の横につける
3. ダンベルを持ち上げ、腕を真上に上げる
4. 肩甲骨を寄せながらゆっくり腕を下げる
5. 3〜4の手順を繰り返す
難易度が高いトレーニングなので、最初は負荷量を減らして正しいフォームを意識することからはじめましょう。
正しいフォームでインクラインダンベルプレスを実践しよう
インクラインダンベルプレスは、大胸筋上部や上腕三頭筋、三角筋を効率的に鍛えられるトレーニングです。インクラインダンベルプレスを継続することで、たくましい上半身となり、痩せやすい身体に近づくでしょう。トレーニングの効果を高めるためには、反動をつけず、お尻を浮かせないように意識して行うことが大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、正しいフォームでのインクラインダンベルプレスを実践してみましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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