ダンベルフライで胸板を厚くしよう!正しいやり方と効果を高めるポイントを解説
公開日:2024.07.15
文:内藤 かいせい(理学療法士)
大胸筋を効率的に鍛える方法として、ダンベルフライはおすすめのトレーニングです。しかし、適切なやり方を知らないと、大胸筋にうまく負荷がかからないこともあります。
この記事では、ダンベルフライの正しい方法と、効果を高めるためのポイントについてご紹介します。適切なやり方を学ぶことで、大胸筋を効率的に鍛えて、たくましい胸板を作れるようになるでしょう。
目次
ダンベルフライで鍛えられる筋肉は?
ダンベルフライで鍛えられるおもな筋肉は、胸板を作る「大胸筋」です。大胸筋は「上部、中部、下部」の3つの線維からできており、ダンベルフライはそのなかでも中部を集中的に鍛えられます。角度を変えることで、他の線維にも効果的にアプローチできるのも大きな特徴です。
また、ダンベルフライは大胸筋だけでなく、腕の「上腕二頭筋」や肩の「三角筋」も同時に鍛えられます。
ダンベルフライに類似したトレーニングとの違い
ダンベルフライに似たトレーニングとして、「ダンベルプレス」や「ベンチプレス」などがあげられます。ここでは、ダンベルフライに似たトレーニングとどのような違いがあるのかについて解説します。
ダンベルプレスとの違い
ダンベルフライとダンベルプレスのおもな違いは、関節の動かし方です。ダンベルフライは肩関節を中心に動かすトレーニングなので、大胸筋に特化して鍛えられます。一方で、ダンベルプレスは肘と肩の両方を動かすため、大胸筋だけでなく、腕や肩の筋肉も鍛えやすいのがメリットです。
大胸筋の厚みを出したい方はダンベルフライがおすすめですが、上半身全体を鍛えたい場合はダンベルプレスが向いています。それぞれメリットがあるので、自分のトレーニングの目的に応じてどちらを行うか検討すると良いでしょう。
ベンチプレスとの違い
ベンチプレスとダンベルフライの違いは、重量とターゲットとなる筋肉です。ベンチプレスは高重量のバーベルを持ち上げる運動なので、大胸筋や腕、肩などの広範囲の筋肉に負荷をかけやすいのが特徴です。
一方で、ダンベルフライは比較的軽い重量で行うことが多く、大胸筋にピンポイントで負荷をかけやすいメリットがあります。上半身の広範囲の筋肉を鍛えたい場合はベンチプレスを、大胸筋に集中したい場合はダンベルフライを取り入れるといいでしょう。トレーニングのバリエーションを増やすために、両方をローテーションで行うのもおすすめです。
ダンベルフライの正しいやり方とフォーム
ダンベルフライはベンチにあお向けになった状態で、ダンベルを持ち上げるトレーニングです。ここでは具体的なやり方についてみていきましょう。
1. ダンベルを持ってベンチにあお向けになり、両足を地面につける
2. ダンベルを向かい合わせるように持ち上げる
3. 肩を中心に弧を描きながらダンベルをゆっくり下ろす
4. ゆっくりダンベルを持ち上げる
5. 3〜4の手順を10〜15回×2〜3セット行う
ダンベルフライの効果を高める4つのポイント
ダンベルフライの効果を高めるためには、以下のポイントを意識してみましょう。
2. 肩の高さまでダンベルを下ろす
3. 肘を軽く曲げながら行う
4. トレーニング中は呼吸を止めない
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.肩甲骨を寄せて胸を張る
1つ目が、肩甲骨を寄せて胸を張りながら行うことです。胸を張ることで肩や腕にかかる負担が軽減され、大胸筋に集中してアプローチできます。そして姿勢も安定するので、安全にトレーニングできます。
反対に、肩甲骨を寄せずにダンベルフライを行うと、肩や腕に余計な力が入りやすくなり、ケガのリスクが高まるでしょう。なるべく肩甲骨を意識して、効率的なトレーニングを心がけてください。
2.肩の高さまでダンベルを下す
2つ目のポイントは、肩の高さまでダンベルを下ろすことです。肩よりも上の位置で止めると、大胸筋に十分な負荷がかからないからです。肩の高さまで下げることで大胸筋に負荷がかかりやすくなり、トレーニングの効果が高まります。
ただし、下げ過ぎると肩に負担がかかってケガの原因になる恐れがあるので、その点に注意しましょう。できるだけ肩の高さまでダンベルを下げることを意識して、安全かつ効果的なトレーニングを行ってみてください。
3.肘を軽く曲げながら行う
3つ目のポイントは、肘を軽く曲げながら行うことです。肘をまっすぐに伸ばした状態で行うと、腕に負担がかかって大胸筋に効きにくくなります。さらに、肘や肩のケガのリスクにもなるでしょう。
ダンベルフライを行う際は、肘を90度程度に曲げるようにしておくことが大切です。そうすれば大胸筋に負荷がかかりやすくなり、トレーニング効果の向上が期待できます。
4.トレーニング中は呼吸を止めない
4つ目のポイントは、トレーニング中は呼吸を止めないことです。呼吸を止めて力を入れると血圧が上がりやすくなり、身体に負担をかけてしまいます。ダンベルフライを行う際は、腕を下ろすときに息を吸い、上げるときに息を吐くことを意識してみてください。
呼吸を意識しながらトレーニングすることで、体幹が安定して上半身の筋肉を効率的に使えるようになるでしょう。
ダンベルフライの種類
ダンベルフライにはいくつかの種類があるため、やり方を変えることで大胸筋に負荷がかかる部位を調整できます。ここではダンベルフライの他の種類についてご紹介します。さまざまバリエーションをおさえておくことで、鍛えたい部分を効率的にトレーニングできるでしょう。
インクラインダンベルプレス
インクラインダンベルプレスは、ベンチの角度を上げた状態でダンベルプレスを行う方法です。通常のダンベルプレスよりも腕を上げた状態で行うため、大胸筋の上部線維を効率的に鍛えられます。
1. ベンチを15〜30度程度の角度に調整する
2. ダンベルを持ってベンチにあお向けになり、両足を地面につける
3. ダンベルを向かい合わせるように持ち上げる
4. 肩を中心に弧を描きながらダンベルをゆっくり下ろす
5. ゆっくりダンベルを持ち上げる
6. 4〜5の手順を10〜15回×2〜3セット行う
ベンチの角度を上げ過ぎると肩の負担が強くなり、ケガの原因となります。ベンチは高くても45度以上に設定しないように注意しましょう。
デクラインダンベルプレス
デクラインダンベルプレスは、インクラインダンベルプレスとは逆にベンチの角度を下げて行うトレーニングです。通常のダンベルプレスよりも腕を下げて行うので、大胸筋の下部線維を鍛えられるのが特徴です。
7. ベンチをマイナス15度程度の角度に調整する
8. ダンベルを持ってベンチにあお向けになり、両足を地面につける
9. ダンベルを向かい合わせるように持ち上げる
10. 肩を中心に弧を描きながらダンベルをゆっくり下ろす
11. ゆっくりダンベルを持ち上げる
12. 4〜5の手順を10〜15回×2〜3セット行う
ベンチの角度を下げ過ぎると他の筋肉が働きやすくなるので、マイナス30度以下にとどめておきましょう。ベンチの角度を下げられない場合は、足を立てて腰を上げた状態で行ってみてください。
ダンベルフライの効果的な方法をおさえておこう
ダンベルフライはダンベルプレスやベンチプレスなどのトレーニングと比べると、大胸筋を集中的に鍛えられるメリットがあります。また、ベンチの角度を調整することで、大胸筋の上部・中部・下部線維のそれぞれにアプローチが可能です。ただし、間違った方法で行うとトレーニング効果が弱まったり、ケガにつながったりする恐れがあるので、やり方のポイントをおさえておくことが大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、正しい方法でダンベルフライを実践してみましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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