肩こりを一瞬で治す方法は?劇的に楽にするストレッチ方法を専門家が解説!
公開日:2024.07.18
文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)
あなたは「肩が凝って仕事をするのが辛い」「肩こりがひどくて毎日疲れている気がする」そんなお悩みはありませんか。そしてマッサージや整体に行ってもなかなかよくならず困っているということはないでしょうか。そんな辛い肩こりを楽にするためには、肩こりの原因を知り根本的な解決策を取っていく必要があります。当記事では、肩こりの原因と再発しないためのストレッチを紹介します。あなたの辛い肩こりを一緒に解決していきましょう。
目次
そもそも肩こりは一瞬で治せるの?
結論から述べると、肩こりを一瞬で完治させることはできません。というのも、肩こりは日々の体の使い方や習慣などにより、慢性的な疲労などから起こるからです。
しかし、一瞬で治す方法はないとは言え、肩こりの原因を知り対処していくことで、軽減していくことは可能ですので、まずは肩こりが起こる原因について理解していきましょう。
【意外と知らない】肩こりのメカニズムについて解説
まず肩こりが起こるメカニズムについて解説します。肩こりと深く関係しているのが、筋肉の緊張です。
何らかの原因によって、首や肩周りの筋緊張が高まると、筋肉の中を走っている血管も圧迫され血流が悪くなります。血流が悪化すると筋肉には疲労物質が溜まるため、その疲労物質を神経が察知し脳に司令を送ることで、コリとして認識されるのです。
また下を向いている時に、首や肩の筋肉が常に引っ張られ負担が掛かることで、肩こりになることもあります。その時には、筋肉は常に伸ばされているため、傷がつくことがあり、その傷も神経が察知することで、コリに繋がっている可能性があります。
【あなたは何個当てはまる?】肩こりの原因について解説
肩こりは、痛みや不調を感じる自覚症状の中でも男性では第2位、女性では第1位と多くの方が悩んでいる症状です。現代病とも言われていて、近年のライフスタイルなどが大きく関係していると言われます。では、実際にどのような習慣が肩こりに関係しているのか見ていきましょう。
姿勢が悪い
デスクワークやスマホの使用により、姿勢が悪くなっている方は肩こりの可能性が高まります。下を向き、頭が前に出ている姿勢では、首や肩の筋肉に負担が掛かります。
また普段から猫背姿勢の方も同様に、首や肩の筋肉が常に緊張状態となるため、コリに繋がるのです。
さらに悪い姿勢が長時間に渡って続くことで、より血流が悪化するため、肩こりは重症化しやすいです。そのため普段、仕事でPCを使い、行き帰りには電車の中でスマホを猫背になりながら見ているという方は姿勢が肩こりの原因になっている可能性が高いでしょう。
ストレスや寝不足
ストレスや寝不足は、緊張状態になるため肩こりに繋がる可能性があります。
もう少し具体的に説明すると、自律神経と呼ばれる神経が関係しています。ストレスが溜まっていたり寝不足の状態では、自律神経のうち交感神経と呼ばれる興奮状態の時に強く働く神経の働きが活発になります。
この交感神経が優位になると、筋肉は縮むように指示を受けるため緊張状態になるのです。そうすることでコリに繋がるのです。
冷え
冬場や強い冷房などで体が冷えを感じると、筋肉は収縮します。その結果、筋肉の緊張が高まり血流が悪くなるため、肩こりに繋がる可能性があります。
【根本的に改善する!】肩こり解消ストレッチ&トレーニングを紹介
それでは肩こりを解消するトレーニングを紹介します。写真付きで解説していますので、見ながら一緒に取り組んでみてください。
キャットアンドカウ
まずは背骨を動かす運動を行なっていきましょう。背骨を動かすことで自律神経を整えたり、肩周りの筋肉への血流を促すことができます。猫背姿勢を改善するためにも、胸の背骨が動くことは重要です。
⒈まずは四つ這いの姿勢になります。肩の下に手首、股関節の下に膝がくるようにセットしましょう。
⒉息を吐きながら、お尻の穴を下に向け、背骨を全体的に丸めます。
⒊息を吸いながら、お尻の穴を天井に向け、背骨を全体的に反らしていきましょう。この時、お腹の力が抜けて腰を反らないように、しっかりと手で床を押しながら行います。
スイミング
肩こりの原因にもなっている猫背姿勢や頭が前に出ている姿勢を改善するためのエクササイズです。
正しい頭の位置を学習したり、猫背で前に倒れている肩甲骨の位置を修正するための「僧帽筋下部」を使っていきます。
⒈まずは四つ這いの姿勢になりましょう。肩の下に手首、股関節の下に膝がくるようにセットしましょう。
⒉姿勢をまっすぐに保ったまま、片手を持ち上げて行きましょう。
バンザイトレーニング
次に肩の使い方を修正していきます。肩こりになる方は、肩甲骨周りの筋肉のバランスが乱れていたり、肩を動かす際に本来は使いすぎたくない「僧帽筋上部」を過剰に使っている可能性があります。
筋肉は脳からの司令で動きますので、脳の書き換えを行っていくことが重要です。
⒈体育座りになりましょう。骨盤が後ろに倒れないように、お尻の下の骨(坐骨)が床に当たるように座ります。腿裏が辛い方は膝を曲げた状態でも構いません。
⒉そこから両手を万歳します。
⒊この時、肩こりになる傾向の方は肩をすぼめるように持ち上げます。ここで、肩は上げずに胸を上に向け、肩は下げたまま腕を持ち上げるような動き方ができるようにしましょう。
そうすることで、肩こりになる可能性が軽減します。
【生活の中に取り入れる】肩こりを解消する対処法
それでは最後に、日常生活の中で行える対処法を紹介します。肩こりは自律神経という神経や血流が大きく関わりますので、運動やストレッチだけでなく、普段の生活習慣を変えていくことも重要です。
身体を温める
肩こりの原因になっている冷えを改善していきましょう。具体的には湯船に浸かったり、夏場でもカーディガンを持参し、クーラーが強い時には羽織るなどの対策をしてみても良いでしょう。
リラックスできる時間をつくる
日常が忙しくなると知らないうちにストレスが溜まり、自律神経が乱れてしまうことがありますよね。そんな時は、意識的にリラックスできる時間を確保してみてください。
またアロマオイルを使用したり、白湯を飲むなどすると、よりリラックスした状態をつくることができるのでおすすめです。
睡眠をしっかりとる
睡眠時間を確保することも重要ですが、睡眠の質を高めることで、自律神経は整います。寝る前にスマホの画面を見てしまうとブルーライトを浴びるため、睡眠の質が落ちてしまうと言われています。また、お酒の飲み過ぎも睡眠の質に影響を与えると言われていますので、寝る前の習慣を見直すことも肩こりの改善に繋がるでしょう。
まとめ
今回は、肩こりの原因や解決するための対処法について解説しました。
肩こりを一瞬で治すことは難しいですが、原因のほとんどが日常生活の中に隠れています。そのため、日々の生活習慣の改善やセルフケアを取り入れることで軽減する可能性は十分にあります。
肩こり改善のためには、姿勢や呼吸を改善することで肩周りの筋肉の負担を軽減させたり、背骨や肩を動かすことで血流を改善させていくことが重要です。
さらに日頃からの癖になっている動きを変えていくことで、根本的な解決にも繋がります。そのためにも、ぜひ当記事を参考にしていただけたら幸いです。
※構成提出の際は見出しと簡単な概要を記載いただけますと幸いです。
服部 恵実
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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