正しい方法でデッドリフトを実践しよう!適切なフォームと重量設定を解説
公開日:2024.08.26 更新日:2024.08.30
文:内藤 かいせい(理学療法士)
デッドリフトは、筋トレのなかでもメジャーな種目で、スクワットとベンチプレスとあわせて「筋トレBIG3」のひとつといわれています。
しかし、正しい方法についてよくわからない方も多いのではないでしょうか。デッドリフトはバーベルを使用したトレーニングなので、間違った方法で行うとケガにつながる恐れもあります。
この記事では、デッドリフトの正しいフォームとやり方、おすすめの重量設定をご紹介します。適切な方法で行うコツをおさえることで、より効果的に実践できるようになるでしょう。
目次
デッドリフトで鍛えられる筋肉と効果は?
デッドリフトでは、おもに以下のような筋肉を鍛えられます。
● 僧帽筋(背中の上部の筋肉)
● ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)
● 大殿筋(お尻の筋肉)
広背筋や僧帽筋などの筋肉が鍛えることで、ガッチリとしたたくましい背中を作れます。
また、姿勢が改善されて体幹の安定性も向上するでしょう。
ハムストリングスや大殿筋は、引き締まった下半身を作るためには欠かせない筋肉です。
このように、デッドリフトは上半身と下半身の筋肉を同時に鍛えられるため、全身をバランスよく強化したい方におすすめです。
デッドリフトとスクワットの違い
デッドリフトとスクワットは、どちらも下半身の筋肉を鍛えられるトレーニング種目ですが、それぞれ大きな違いがあります。
デッドリフトは先ほど解説したように、上半身と下半身の筋肉を鍛えられます。
一方で、スクワットは下半身を中心としたトレーニングで、大殿筋や太もも前面の筋肉である大腿四頭筋を鍛えられるのが特徴です。
このように、太ももを効率的に鍛えたい方はスクワットが、下半身と上半身をバランスよく鍛えたい方はデッドリフトが適しています。それぞれのトレーニングの特徴を理解し、自分の目標にあわせて選ぶことが重要です。
基本的なデッドリフトのやり方とフォーム
ここでは、バーベルを使用したデッドリフトの基本的なやり方をご紹介します。
1. 両足を肩幅程度に広げる
2. 肩幅程度に腕を広げつつ、手のひらを下にしてバーベルを握る
3. バーベルを身体に沿わせながら持ち上げて姿勢をまっすぐにする
4. バーベルをすねの位置までゆっくりと下ろす
5. 3〜4の手順を繰り返す
デッドリフトのおすすめの重量設定は?
デッドリフトで筋肉を太くしたい場合、10〜12回繰り返すのが限界となる重量を設定するのがおすすめです。その回数を1セット以上、週に2〜3回行うことで、効率的に筋肉を鍛えられるでしょう。
また、初心者の場合は軽い重量からはじめて、徐々に重量を増やすことが望ましいです。最初から重い重量を扱うと、フォームが崩れやすくなり、ケガのリスクが高まります。フォームに慣れた段階で適切な重量と回数を繰り返してみましょう。
デッドリフトを行う際は無理のない重量設定を心がけ、安全にトレーニングを進めてください。
デッドリフトを行う際の注意点
デッドリフトは重量物を扱うトレーニングなので、やり方に注意しないとケガにつながる恐れがあります。ここでは、デッドリフトを行う際の注意点について解説します。
腰は丸めない・反らせない
デッドリフトを行う際の重要な注意点の1つは、腰の位置と姿勢です。腰を丸めながらバーベルを上げ下げすると、腰の筋肉に過剰な負担がかかって腰痛やぎっくり腰などのリスクが増加します。
トレーニング中は、胸を張り、腰をやや反らせた状態を保つことが重要です。
このときに、腰を反らしすぎないようにする点にも注意しましょう。腰を過度に反らせるのも、腰にストレスがかかる原因となります。適切な姿勢を保ち、腰の負担を最小限におさえて、安全にトレーニングを続けましょう。
バーベルと身体の距離を遠ざけない
バーベルと身体の距離は遠ざけず、できるだけ密着させた状態で持ち上げましょう。身体との距離が離れると重心が前方に移動して、腰にかかる負担が大きくなります。バーベルを身体に沿わせて持ち上げることで、腰部への負担を軽減し、安全にトレーニングができます。少しでも腰にかかる負担を減らして、全身の筋力をバランスよく鍛えていきましょう。
デッドリフトの種類
ここではデッドリフトの種類について解説します。それぞれ特徴が異なるので、自分にあったものを試してみましょう。
ハーフデッドリフト
ハーフデッドリフトは、通常のデッドリフトよりもバーベルの上げ下げを短く行うトレーニングです。下半身の負担が少なくなる代わりに、上半身の筋肉を集中的に鍛えられるメリットがあります。
1. 両足を肩幅程度に広げる
2. 肩幅程度に腕を広げつつ、手のひらを下にしてバーベルを握る
3. バーベルを身体に沿わせながら持ち上げて姿勢をまっすぐにする
4. バーベルを膝の上までゆっくりと下ろす
5. 3〜4の手順を繰り返す
ダンベルデッドリフト
バーベルではなくダンベルを使用したデッドリフトです。バーベルよりもバランスがとりにくい面がありますが、初心者でも行いやすいメリットがあります。
1. ダンベルを持ち、手のひらを後ろ側に向けて身体の前に位置する
2. 膝や股関節を曲げて、ダンベルをすねの位置までゆっくりと下ろす
3. ゆっくりとダンベルを上げて姿勢を元に戻す
4. 3〜4の手順を繰り返す
ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトとは、通常のデッドリフトとは異なり、バーベルを持ち上げた状態からはじまります。ハムストリングスや大殿筋など、下半身の筋肉を集中的に鍛えられる特徴があります。
1. 両足を肩幅より狭く広げる
2. 肩幅程度に腕を広げつつ、手のひらを下にしながらバーベルを持ち上げる
3. バーベルを身体に沿わせながらすねの位置までゆっくり下ろす
4. バーベルを持ち上げて姿勢をまっすぐにする
5. 3〜4の手順を繰り返す
バーベルを下ろす際は、なるべく膝を伸ばし気味にして行いましょう。
デッドリフトで全身の筋肉を鍛えよう!
デッドリフトは上半身から下半身まで、幅広い筋肉を鍛えられるトレーニングです。そのため、全身を効率的に鍛えたい方にとっておすすめといえます。背中をまっすぐにした状態をキープして、バーベルとの距離をできるだけ近づけるようにすることで、安全かつ効果的に行えます。ぜひ今回紹介したポイントをおさえながら、デッドリフトにチャレンジしてみましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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