僧帽筋の筋トレで背中を大きくしよう!おすすめメニューと鍛え方のポイントを紹介
公開日:2024.09.19
文:内藤 かいせい(理学療法士)
背中の筋肉である「僧帽筋」を鍛えたいものの、どのようなトレーニングをすればよいかイマイチわからない方もいるのではないでしょうか。僧帽筋は自重トレーニングや器具を使用した筋トレなど、さまざまな方法で鍛えることが可能です。
この記事では、僧帽筋を鍛えるおすすめメニューと実践する際のポイントについてご紹介します。筋肉の構造や鍛え方を把握することで、効率的に背中のボリュームを増やせるようになるでしょう。
僧帽筋とはどんな筋肉?
僧帽筋とは、背中から首、肩甲骨にかけて広がっている大きな筋肉です。この筋肉は以下の3つの線維に分かれており、それぞれが異なる役割を持っています。
● 中部:肩甲骨を内側に寄せる
● 下部:肩を下げる
このように、僧帽筋は各線維が協調的に働くことで、肩の動きをコントロールしています。日常生活やスポーツなど、多くの場面で使用される重要な筋肉といえるでしょう。各線維にあわせた動作を行うことで、僧帽筋を効率的に鍛えられます。
僧帽筋を鍛えるメリット
僧帽筋を鍛えることで、さまざまなメリットを得られます。まず、筋トレによって背中のボリュームが増し、たくましい逆三角形の身体を作れます。
また僧帽筋は、姿勢にも深く関わっている筋肉です。鍛えることで肩甲骨の安定性が高まり、姿勢崩れの改善が期待できます。キレイな姿勢は見栄えをよくするだけでなく、腰痛や肩こりなどの身体の不調予防にもつながります。
このように、僧帽筋は見た目の改善だけでなく、健康的な生活を送るうえで重要といえるでしょう。
僧帽筋を鍛えるトレーニングメニュー
ここでは、僧帽筋を鍛えるおすすめのトレーニングメニューをみていきましょう。自重トレーニングと器具を使用した筋トレの2つに分けてご紹介します。
自重トレーニング
ここでは、僧帽筋を鍛えられる自重トレーニングについて解説します。
プランク
プランクはうつ伏せの姿勢で行うトレーニングです。僧帽筋を含めた背筋を鍛えられるだけでなく、腹筋やインナーマッスルにも刺激が入りやすいのが特徴です。
1. うつ伏せになる
2. 上半身を両肘で支えて身体を浮かせる
3. 両肘を両足で支えて、上半身と下半身を一直線にした状態をキープする
4. 20〜30秒キープしたら元に戻る
5. 2〜4の手順を繰り返す
バックエクステンション
バックエクステンションは、うつ伏せの状態で上体を起こすトレーニングです。背中の筋肉全体を鍛えられます。
1. うつ伏せの状態になり、両手を前に伸ばす
2. 上体を上げて、胸を床から離す
3. 無理のない高さまで上げたらゆっくりと元に戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
上体を上げる際は勢いよく行わないように注意してください。
リバースエルボープッシュアップ
リバースエルボープッシュアップとは、肘の力で上体を起こすトレーニングです。僧帽筋や広背筋など、背中の大きい筋肉を鍛えられます。
1. あお向けになって両膝を曲げる
2. 手は身体の横につける
3. 肘で床を押して上体を起こす
4. ゆっくりと元に戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
通常の上体起こしの要領で行いますが、なるべく腹筋ではなく、背中に力を入れて行いましょう。
器具を使用したトレーニング
ここでは、器具を使用したトレーニングについて解説します。おもにダンベルを使用したトレーニングを紹介しますが、用意できない場合は水の入ったペットボトルでも代用できます。
ダンベルシュラッグ
ダンベルシュラッグとは、ダンベルを持った状態で肩を上げるトレーニングです。僧帽筋の上部線維を中心に、肩甲骨まわりの筋肉を鍛えられます。
1. 両手にダンベルを持って腕をまっすぐ下ろす
2. 肩をすくめるように真上に上げる
3. ゆっくり元に戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
アップライトロウ
アップライトロウとは、ダンベルを前に上げるトレーニングです。僧帽筋だけでなく、肩の筋肉の「三角筋」や腕の筋肉の「上腕二頭筋」も鍛えられるメリットがあります。
1. ダンベルを両手で持って背筋を伸ばす
2. 肘を軽く曲げつつ、ダンベルをあごの高さまで上げる
3. ゆっくりダンベルを下ろす
4. 2〜3の手順を繰り返す
ダンベルは、なるべく左右対称にしながら上げましょう。
デッドリフト
デッドリフトとは、ダンベルを上半身の力で持ち上げるトレーニングです。僧帽筋や広背筋などの背中の筋肉以外にも、ハムストリングス・大殿筋といった下半身の筋肉も鍛えられます。
1. 両手でダンベルを持つ
2. ダンベルを身体の前に移動させて、手のひらを後ろ側に向ける
3. 膝や股関節を曲げて、ダンベルをすねの位置までゆっくりと下ろす
4. ゆっくりとダンベルを上げて姿勢をまっすぐにする
5. 3〜4の手順を繰り返す
ベントオーバーロー
ベントオーバーローとは、上体を前傾させた状態でダンベルを引き上げるトレーニングです。僧帽筋の中部・後部線維を効率的に鍛えられます。
1. 両手でダンベルを持つ
2. 膝を軽く曲げて、姿勢を伸ばしながら上体を前傾させる
3. 肘を伸ばして膝の前にダンベルを持っていく
4. 左右の脇腹に向かって肘を後ろに引きながらダンベルを上げる
5. ゆっくりと元に戻る
6. 4〜5の手順を繰り返す
僧帽筋の鍛え方のポイント
僧帽筋を鍛えるためには、いくつかのポイントを意識する必要があります。ここでは、そのポイントについて詳しく解説します。
肩甲骨を意識してトレーニングする
僧帽筋を効果的に鍛えるには、肩甲骨を意識して動かすことが重要です。僧帽筋のトレーニングの多くは、腕の力も必要です。そのため、ついつい腕に意識が向いてしまい、僧帽筋に十分に負荷をかけられないこともあります。
腕ではなく肩甲骨の動きに注目することで、より効果的に僧帽筋を鍛えられます。繰り返しトレーニングを行い、肩甲骨を意識できるように取り組んでみましょう。
適切な負荷量・回数で行う
僧帽筋トレーニングの効果を最大化させるには、適切な負荷量と回数で行うことが大切です。筋肉を大きくしたい場合は、1セット8〜12回が限界となるような重量に設定しましょう。この設置以上の重量や回数で行うと、オーバーワークとなって筋肉痛の悪化やケガにつながる恐れがあります。
一方で、筋持久力の向上やダイエットが目的の場合は、重量を軽くして15〜20回程度が限界となるような回数で行うとよいでしょう。とくに器具を使用したトレーニングでは、その方に応じた重量設定が重要です。
トレーニングの頻度は、週に2〜3回程度がよいとされています。適切な負荷量と回数、頻度でトレーニングすることで、効果的に僧帽筋を鍛えられます。
僧帽筋の筋トレで背中のボリュームを増やそう!
僧帽筋は背中についている大きな筋肉で、肩甲骨の動きや姿勢に強く関わっています。鍛えることで、背中のボリュームを増やせるだけでなく、姿勢改善も期待できます。僧帽筋は自重トレーニングから器具を使用した筋トレまで、さまざまな方法で鍛えることが可能です。ぜひ今回の記事を参考にして、僧帽筋の筋トレを実践していきましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
他の記事も読む
- 【初心者必見!】ハンギングレッグレイズのやり方と効果を高めるポイントを解説
- プッシュアップを効果的に行うには?コツや種類を徹底解説!
- ドローインでおなかが引き締まる?効果を最大限に引き出すやり方を解説
- 筋トレはどの時間帯がおすすめ?避けるべきタイミングもご紹介
- 無酸素運動とは?具体的な効果・種類や有酸素運動との違いを詳しく解説
- 三角筋をバランスよく鍛える筋トレは?メニューと実施中のポイントをご紹介
- 内転筋を鍛えるメリットは?おもな役割やおすすめ筋トレメニューを解説
- 肩を大きくする筋トレメニュー6選|鍛え方のコツについても解説
- ベントオーバーローのやり方とは?適切な回数・重量や握り方による違いもご紹介
- シシースクワットを正しく行うには?効果を高めるポイントや注意点を解説
- ラットプルダウンの正しいやり方は?効果を下げるNGな方法もご紹介
- ダンベルを使った上腕二頭筋の筋トレメニュー7選|効率的に鍛えるポイントも解説
- 【肩こり解消】隙間時間にできる肩すっきりストレッチ&セルフケアを紹介!
- 【前ももストレッチ】自宅で行えるハリを簡単に解消する方法を専門家が解説
- 運動しないでプロテインを飲むと太るってホント?おすすめの活用法と飲むタイミングを解説
- リストカールは意味ない?前腕を太くする正しい方法や効率的に行うポイントを解説
- 脚やせにおすすめの筋トレとは?具体的な内容と効果を高めるポイントを解説
- 正しい方法でデッドリフトを実践しよう!適切なフォームと重量設定を解説
- フレンチプレスで上腕を鍛えよう!正しいやり方と効果を高めるコツをご紹介
- 前腕を太くするには?器具あり・なしのおすすめトレーニングをご紹介