三角筋をバランスよく鍛える筋トレは?メニューと実施中のポイントをご紹介
公開日:2024.09.23
文:内藤 かいせい(理学療法士)
三角筋を鍛えて肩を大きくしたいと思っているものの、どのような筋トレをすればいいのかよくわからない方もいるのではないでしょうか。三角筋は線維によって鍛え方が異なるので、どのような方向に力を入れればいいのかを把握しておくことが大切です。
この記事では、三角筋のおすすめの筋トレメニューや鍛え方のポイントをご紹介します。正しい方法を知ることで、効率的に筋トレを進められるでしょう。
三角筋とはどんな筋肉?
三角筋は、肩まわりを覆う大きな筋肉です。三角筋には「前部・中部・後部」の3つの線維に分かれており、それぞれが以下のような働きがあります。
● 中部:腕を横に上げる
● 後部:腕を後ろに引く
このように、線維にあわせた方向に抵抗をかけることで、三角筋を鍛えられます。三角筋を鍛える最大のメリットは、逆三角形のボディラインを作れることです。また見た目だけでなく、重い荷物を持ち上げる、高い場所にあるものを取るなどの日常動作が楽に行えます。
三角筋のおすすめの筋トレメニュー
ここでは、三角筋のおすすめの筋トレメニューをみていきましょう。自重トレーニングと器具を使用した筋トレの2つに分けて紹介します。
自重トレーニング
ここでは、三角筋を鍛えられる自重トレーニングを紹介します。
パイクプレス
パイクプレスとは、身体を「くの字」に曲げながら腕立て伏せをするトレーニングです。この筋トレでは、三角筋の前部・中部を鍛えられます。
1. 四つ這いになって腕立て伏せの姿勢をとる
2. 股関節を曲げて身体を「くの字」の状態になる
3. 股関節を曲げた状態をキープしながら、ゆっくり肘を曲げる
4. 顔が床に触れる寸前で肘を伸ばす
5. 3〜4の手順を繰り返す
サイドプッシュアップ
サイドプッシュアップとは、横向きの状態で腕立て伏せをするトレーニングです。三角筋だけでなく、肘を伸ばす作用がある上腕三頭筋も鍛えられます。
1. 横向きに寝て、上側の手を床につける
2. 床についた手に力を入れて肘を伸ばし、上体を起こす
3. 肘を曲げてゆっくりと元に戻る
4. 2〜3の手順を左右で繰り返す
戻す際に上体を床につけないように行うと、さらに三角筋や上腕三頭筋への負荷量を高められます。
チンニング(懸垂)
バーを使用して身体を持ち上げる懸垂は、三角筋だけでなく上腕三頭筋、広背筋などの筋肉も鍛えられます。
1. 手のひらが後ろ向きの状態で懸垂用のバーを握る
2. 肘を曲げて身体をバーに近づける
3. 顔のあたりまでバーが近づいたら、ゆっくりと元に戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
腕の力だけでなく、左右の肩甲骨を寄せることも意識しながら身体を持ち上げていきましょう。
器具を使用したトレーニング
ここでは、器具を使用したトレーニングについて解説します。ダンベルを使用したトレーニングをご紹介していますが、持っていない場合は水の入ったペットボトルでも代用できます。
フロントレイズ
フロントレイズとは、ダンベルを持って腕を前に上げるトレーニングです。三角筋の前部を効率的に鍛えられるのがメリットです。
1. 両手でダンベルを持つ
2. 肘を少し曲げながら、手のひらを下に向けた状態で腕を上げる
3. 肩の高さまで上げたらゆっくりと下ろす
4. 2〜3の手順を繰り返す
サイドレイズ
サイドレイズとは、腕を横方向に広げるトレーニングです。三角筋の中部線維を集中的に鍛えられます。
1. 両手でダンベルを持って、手のひらをそれぞれ内側に向ける
2. 肘を少し曲げた状態で両腕を真横に広げる
3. 肩の高さまで上げたらゆっくりと下ろす
4. 2〜3の手順を繰り返す
アップライトロウ
アップライトロウは、肘を曲げた状態でダンベルを持ち上げるトレーニングです。三角筋の前部・中部線維の他に、背中の大きな筋肉である僧帽筋も鍛えられるのが特徴です。
1. 背筋を伸ばして、ダンベルを両手で持つ
2. 手のひらを内側に向けて、両手を身体の前にセットする
3. 肘を曲げながらダンベルを左右対称に持ち上げる
4. 肘が肩の高さになるまで上げたらゆっくりダンベルを下ろす
5. 3〜4の手順を繰り返す
リアレイズ
リアレイズとは、上体を前傾にした状態でダンベルを横に持ち上げるトレーニングです。三角筋後部や広背筋、僧帽筋などを鍛えられます。
1. 立った状態で両手でダンベルを持ち、前屈みになる
2. 手のひらをそれぞれ内側に向けて、身体の前にセットする
3. 肩の高さまで腕を真横に広げる
4. ゆっくりと元に戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
三角筋の効率的な鍛え方のポイント
三角筋を効率的に鍛えるためには、以下の3つのポイントをおさえておくことが大切です。
2. 正しいフォームを意識して行う
3. 筋トレ前後はストレッチを行う
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.適切な重量・回数で行う
1つ目が、適切な重量と回数で行うことです。筋肉を大きくしたい場合、1セットあたり8〜12回が限界になるような重量設定がよいとされています。この範囲内で行うことで筋肉に適度な負荷がかかり、トレーニングの効果が高まりやすくなります。
早く筋肉をつけようとして回数を増やしすぎたり、重量を上げすぎたりしないように注意しましょう。オーバーワークは筋肉に過度な負荷がかかり、ケガにつながる恐れがあります。
とくに筋トレ初心者の場合、筋肉痛やケガを起こす可能性が高いので、慣れないうちは無理のない重量と回数からはじめることが大切です。
2.正しいフォームを意識して行う
2つ目が、正しいフォームを意識してトレーニングすることです。フォームが崩れた状態で筋トレを続けると、狙った筋肉に十分な負荷がかからず、期待した効果が得られなくなります。別の筋肉に負担がかかりやすくなるので、肩こりや腰痛などの身体の不調につながることもあるでしょう。
正しいフォームを行うためには、最初は軽い負荷で行う、鏡を見ながら行うなどの工夫を取り入れてみてください。
3.筋トレ前後はストレッチを行う
3つ目は、筋トレ前後はストレッチを行うことです。ストレッチは筋肉の柔軟性を高め、ケガ予防や疲労軽減につながります。三角筋のストレッチ方法は、以下のとおりです。
● ストレッチ②:片腕を胸の前につけて、もう片方の手でおさえる
これらのストレッチを20秒程度、左右それぞれ行うことで、三角筋をほぐせます。筋トレ前後のストレッチを習慣づけて、安全に三角筋を鍛えましょう。
三角筋の筋トレを実践して肩を大きくしよう
三角筋は肩まわりの大きな筋肉で、鍛えることで逆三角形の身体を作れるのが大きな魅力です。三角筋を鍛えるには、それぞれの線維にあわせた動きを行うことが大切です。自重トレーニングや器具を使用した筋トレなど、三角筋を鍛える方法は豊富にあるので、自分にあった種目を行いましょう。鍛える際のポイントもおさえつつ、効率的な筋トレを実践してみてください。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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