プッシュアップを効果的に行うには?コツや種類を徹底解説!
公開日:2024.09.27
文:町田 晋一(お腹痩せトレーナー)
「プッシュアップで胸板を厚くしたいけれど、全然効果が現れない…」「バストアップに効果があると聞いたけど、腕や肩ばかり疲れて効果がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
プッシュアップは手軽にできるトレーニングですが、胸を始めとする狙った筋肉にしっかりアプローチするには、コツが必要です。
そこで今回は、パーソナルトレーニング指導歴24年のトレーナーが、プッシュアップを効果的に行うコツや、トレーニングのバリエーションなどをわかりやすくお伝えします。胸・肩・二の腕のトレーニングにお役立てください。
目次
プッシュアップとは?鍛えられる筋肉について
「プッシュアップ」とは「腕立て伏せ」のことです。両手を床について両腕を立てた体勢から、体を床に伏せる動作を繰り返すエクササイズです。特別なトレーニングツールが不要なので、どこでも手軽にできるのが特徴です。プッシュアップで鍛えられる筋肉は、主に以下の3つとなります。
2. 三角筋前部線維
3. 上腕三頭筋
それぞれの筋肉の役割と、鍛えることによる効果を解説します。
大胸筋
「大胸筋」とはその名の通り、胸を覆っている大きな筋肉のことで、この筋肉を鍛えることで胸板を厚くすることができます。女性なら、バストアップの効果を狙えます。大胸筋には腕を上げたり体の内側に向かって動かしたりする働きのほか、腕を内側にひねるといった働きがあります。
三角筋前部線維
「三角筋」は肩を覆っている筋肉で、前部・中部・後部という3つの線維からなります。プッシュアップで鍛えられるのは、このうちの鎖骨につながっている前部線維となります。腕を上げたり体の内側に向かって動かしたりする働きのほか、腕を内側にひねるといった働きがあります。
三角筋前部線維を鍛えることで、筋肉量が増え、基礎代謝アップ・カロリー消費量の向上の効果があります。また、肩回りの血流が良くなることから、肩こりの軽減も期待できるでしょう。
上腕三頭筋
「上腕三頭筋」は上腕部の裏側にある筋肉で、主に肘を伸ばす際に機能します。上腕部の約3分の2を占めるとされることから、この筋肉を鍛えることで、効率良く腕を太くすることができると言えます。また、二の腕の引き締めにも効果的です。
プッシュアップで得られる効果3選
それではプッシュアップを行うことでどのような効果が得られるのでしょうか。その主な効果として以下の3つが挙げられます。
2. 「太くてたくましい腕」「引き締まった二の腕」にすることができる!
3. 基礎代謝がアップし「痩せやすい体」になる!
「魅力的な厚い胸板」「魅力的なバスト」にすることができる!
プッシュアップでは主に大胸筋が鍛えられるので、厚い胸板を手に入れることができます。大胸筋はバストの土台でもあるので、女性にはバストアップ効果も期待できます。デコルテから胸の下までのボディラインのメリハリがつき、洋服もかっこ良く着こなせるようになり、若々しく見られることもあるでしょう。
「太くてたくましい腕」「引き締まった二の腕」にすることができる!
太くてたくましい腕にしたいときや、二の腕を細くしたいときもプッシュアップは有効です。上腕三頭筋は大きな筋肉なので、筋肉で腕を太くしたいなら上腕三頭筋を鍛えるのが効果的。また、上腕三頭筋は腕の内側にあるので、二の腕の振袖肉が気になる人もプッシュアップがおすすめです。
基礎代謝がアップし「痩せやすい体」になる!
プッシュアップを行うことで代謝が上がり、痩せやすい体にすることもできます。プッシュアップで鍛えられる大胸筋、三角筋、上腕三頭筋は、上半身のなかでも大きな筋肉トップ3です。プッシュアップによって効率良く筋肉量を増やすことができるので、基礎代謝アップにつながります。
基礎代謝は1日の総消費エネルギー量の約60%を占めています。基礎代謝がアップすれば消費エネルギー量もアップし、痩せやすい体にすることができると言えるのです。
プッシュアップの正しいやり方
プッシュアップによる効果を得るためには、プッシュアップを正しく行う必要があります。ここからは、プッシュアップの効果的なやり方についてお伝えしていきます。
1. 肩幅よりもやや広めに手幅を広げ、肩のラインよりもやや低い位置(胸側)に手をセットします。そうすることで肩への負担を軽減させることができます。指先はやや外側に向けるようにします。
2. 頭からかかとまでを結ぶ線が一直線となるようにし、肩甲骨を内側に寄せます。
3. 肩甲骨を内側に寄せたまま、息を吸いながら肘を外側に開くことで胸を床に触れる手前までゆっくり下ろしていきます。体をもち上げるときは、息を吐きながら手で床を押します。このとき、肘を伸ばしきらないよう気を付けましょう。肘を伸ばしきると、負荷を筋肉ではなく関節で受け止め、けがの原因になるためです。
この動作を10回前後、反復可能な強度で、1分間〜1分30秒間の休憩を入れながら3〜5セット行いましょう。
プッシュアップの3つの種類とやり方
プッシュアップにはいくつかのバリエーションがあります。主なものは以下の3つです。
2. リバースプッシュアップ
3. パイクプッシュアップ
鍛えられる筋肉が異なりますので、それぞれ解説します。
ナロープッシュアップ
狭い・細いという意味の「ナロー」というネーミング通り、手幅を狭くして行うプッシュアップです。上腕三頭筋に特化したエクササイズで、肩関節よりも肘関節の動きが強調されます。二の腕の振袖部分の引き締めをしたい方におすすめのプッシュアップです。
1. 手幅を肩幅よりもやや狭めて、肩のラインよりも胸側にセットします。指先はやや内側に向けます。
2. 頭からかかとまでを結ぶ線が一直線となるようにし、肩甲骨を内側に寄せます。
3. 肩甲骨を内側に寄せたまま、息を吸いながら上腕部が床と平行になるまで肘を曲げます。肘を伸ばすときは息を吐きながら手で床を押し、腕を外に向かって伸ばすようにします。こうすることで、効果的に上腕三頭筋を鍛えることができます。動作中は常に手首の真上に肘が位置しているようにしましょう。
10回前後反復可能な強度で、1分間〜1分30秒間の休憩をはさんで3〜5セット行いましょう。
リバースプッシュアップ
「リバースプッシュアップ」とは、おなかを天井側にし、上体を起こして肘の曲げ伸ばし動作を繰り返すプッシュアップのことです。上腕三頭筋に特化したエクササイズとなります。こちらも二の腕の振袖部分が気になる方におすすめです。
1. 両脚を前に伸ばして床に座り、両ひざを軽く曲げておきます。両手は体の後ろについて、指先が正面を向くようにします。手幅は肩幅程度に広げ、おしりを両ひざよりもやや低い位置にセットし両肘を伸ばします。
2. 息を吸いながら、上腕部がなるべく床と平行になるまでゆっくりと肘を曲げていき、息を吐きながら肘を伸ばす動作を繰り返します。肘の角度が90度になるまでしっかり曲げることが、上腕三頭筋に効かせるコツです。
10回前後反復可能な強度で、1分間〜1分30秒間の休憩をはさんで3〜5セット行いましょう。
パイクプッシュアップ
「パイクプッシュアップ」とは、体を折り曲げておしりをもち上げた状態で行うプッシュアップです。
肩の動きが強調されるようになるので、三角筋や大胸筋上部が鍛えられます。
1. 肩幅よりもやや広めに手幅を広げ、指先はやや外側に向けます。お尻をもち上げ、体を折り曲げた体勢をつくります。
2. 息を吸いながら肘を曲げ、おでこが床に触れる手前まで、できるだけゆっくり下ろします。体をもち上げるときは、息を吐きながら手で床を押します。三角筋と大胸筋上部に効かせるには「開いて閉じる」という肘の動きを意識することでことが大切です。。
10回前後反復可能な強度で、1分間〜1分30秒間の休憩をはさんで3〜5セット行いましょう。
プッシュアップの3つのポイント
プッシュアップをより効果的に行うには、3つのポイントを踏まえて行う必要があります。
肩甲骨を内側に寄せた状態をキープすること
肩甲骨が外側に開いている状態では、負荷が肩や腕に分散してしまい、胸の筋肉に効果的に刺激を与えることができません。最初の体勢をセットし肘を曲げる前に、必ず肩甲骨を内側に引き寄せましょう。
「開いて閉じる」という肘の動きを意識すること
プッシュアップでは、肘を曲げることを意識しがちですが、肘を曲げるときは肘を外に向かって開き、伸ばすときは肘を内側に閉じるイメージで動作をしましょう。胸の筋肉である大胸筋には「外に開いた上腕部を体の内側に向かって閉じる」という働きもあります。そのため、プッシュアップの動作で上腕部を外に開いて内側に閉じることを意識すると、大胸筋を効果的に鍛えることができるでしょう。
胸の筋肉がストレッチされたところで静止すること
胸を床に触れる手前まで2〜4秒間かけてゆっくり下ろしたら、胸の筋肉がストレッチされたところで1秒間程度静止するようにしましょう。筋肉が伸ばされながら収縮するようになるので、筋肥大効果につなげることができます。
ただし、肩に痛みや違和感が生じる場合は、無理しない程度に下ろすようにしましょう。
プッシュアップを行う際の3つの注意点
間違った方法でのトレーニングや無理をすると、けがにつながります。プッシュアップを行う際に注意すべき点を3つお伝えします。
正しいフォームを心がけること
強度よりも正しいフォームを意識して行うようにしましょう。正しいフォームで行うことで、効かせるべき筋肉に効かせられるようになります。フォームがくずれた状態で強度を上げてしまうと、ターゲットとなる筋肉に効かなくなるばかりか肩や肘などを痛めてしまうことが考えられます。
合間に休養日をつくること
トレーニングを毎日行うのではなく、合間に休養日をつくるようにしましょう。トレーニングの刺激で傷ついた筋線維は48〜72時間の休養を取ることで回復し、トレーニング前よりも太くなると言われています。つまり休養日を入れたほうが、トレーニングの効果が出やすいと言えます。たとえば月曜日にプッシュアップを行ったら火曜日と水曜日は休養日とし、木曜日にまたプッシュアップを行うというスケジュールがおすすめです。
肩や肘などに痛みや違和感がある場合はすぐに中止すること
プッシュアップを行っていて肩や肘など関節に痛みや違和感があればすぐに中止するようにしましょう。そのまま続けると症状が悪化し、痛みをますます強めてしまうことになりかねません。
まとめ
今回は、プッシュアップの正しい方法や効果、バリエーションなどについて解説しました。
プッシュアップを効果的に行うポイントをまとめると以下になります。
● 「開いて閉じる」という肘の動きを意識すること
● 胸の筋肉がストレッチされたところで静止すること
また、毎日行うのではなく、休息日を設けながら続けるのも筋肉を育てるのに効果的です。この記事を参考にプッシュアップを継続して、理想の上半身を目指してくださいね。
町田 晋一
トレーニングモデルをしていた頃に、禁酒と食事制限でリバウンドを繰り返し、ダイエットに失敗した経験から、無理な食事制限をせず継続できるダイエットを指導。「姿勢改善」「筋肉量アップ」「脂肪燃焼」という3つのアプローチからなる独自のお腹瘦せメソッドを提唱し、ぽっこりお腹に悩む女性をサポートしている。「2ヶ月で平均−5.6cm」を実現するお腹痩せメソッドは、40代・50代女性を中心に多くの支持を獲得。現在は、東京都渋谷区・新宿区のパーソナルジムで活動するほか、セミナー講師、美容サイトの公式アンバサダー、フィットネスライターなど幅広く活動している。パーソナルトレーニング指導歴24年。
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