ハムストリングスを鍛えるには?おすすめの筋トレメニューと鍛え方のポイントを解説
公開日:2024.10.17
文:内藤 かいせい(理学療法士)
ハムストリングスを鍛えるには、どのような筋トレを行えばよいのか気になる方はいませんか?ハムストリングスは太もも裏についている大きな筋肉で、鍛えることでさまざまなメリットを得られます。
この記事では、ハムストリングスのおすすめの筋トレメニューや鍛える際のポイントについてご紹介します。適切な鍛え方を学ぶことで、効率的に筋トレを進められるでしょう。
ハムストリングスはどんな筋肉?
ハムストリングスは太ももの裏側にある筋肉群で、以下の3つの筋肉で構成されています。
● 大腿二頭筋
● 半腱様筋(はんけんようきん)
● 半膜様筋(はんまくようきん)
大腿二頭筋は膝の外側についているのに対して、半腱様筋と半膜様筋は内側についています。ハムストリングスに共通した働きは、膝を曲げること、股関節の後ろに曲げることです。それ以外にも、単一の筋肉を働かせることで、足を回旋させる働きもあります。このような機能によって歩く、走る、ジャンプするなどの動作をサポートしています。
ハムストリングスの筋トレをするメリット
ハムストリングスを鍛えるメリットには、おもに以下があげられます。
● ヒップアップ効果
● 基礎代謝の向上
● スポーツのパフォーマンス向上
お尻の筋肉と連動して働くことも多いため、筋トレによって美しいヒップラインを作れます。ハムストリングスは大きな筋肉なので、基礎代謝を効率的に上げて消費エネルギーの増加につながるでしょう。また走る、跳ぶなどの多くの動作に関わる筋肉のため、さまざまなスポーツでのパフォーマンスアップが期待できます。
このように、美しい身体作りを目指す方はもちろん、スポーツ選手や健康的な生活を送りたい方にとっても、重要な筋肉といえるでしょう。
ハムストリングスを鍛えるおすすめの筋トレメニュー6選
ここでは、ハムストリングスを鍛えられるおすすめメニューをご紹介します。
1.スクワット
スクワットはハムストリングスや太もも前面の大腿四頭筋など、下半身を広範囲に鍛えられるトレーニングです。
【スクワットのやり方】
1. 足を肩幅程度に広げる
2. つま先と膝を同じ向きにする
3. 背筋を伸ばしたまま膝と股関節を曲げる
4. 膝を90°ほど曲げたらゆっくりともとに戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
膝はつま先よりも前に出ないように、ゆっくりと曲げていきましょう。
2.ジャンピングスクワット
ジャンピングスクワットは、ジャンプしながらスクワットをするトレーニングです。通常のスクワットよりも負荷が強くなるので、効率的に下半身の筋肉を鍛えられます。
【ジャンピングスクワットのやり方】
1. 足を肩幅程度に広げて立ち、背筋を伸ばす
2. 膝を曲げて、手を振りながら地面を蹴ってジャンプする
3. 着地する
4. 2〜3の手順を繰り返す
3.ランジ
ランジは、足を前方に踏み込むトレーニングです。このトレーニングもハムストリングスや大腿四頭筋に負荷をかけられます。
【ランジのやり方】
1. 両脚を肩幅程度に開く
2. 片脚を前方に踏み込みつつ体重を乗せる
3. 踏み込んだ膝を90度ほど曲げたら、ゆっくりともとに戻る
4. 2〜3の手順を左右の足で行う
4.ジャンピングランジ
ジャンピングランジは、ジャンプしながら足を前後に切り替えるトレーニングです。通常のランジよりも下半身の筋肉に負荷をかけられます。
【ジャンピングランジのやり方】
1. 足を肩幅程度に広げて立つ
2. 片足を前に踏み出し、膝を90度ほど曲げる
3. 膝を伸ばす際に地面を蹴ってジャンプする
4. ジャンプ中に足を入れ替える
5. 着地する
6. 2〜5の手順を繰り返す
5.スタンディングレッグカール
スタンディングレッグカールとは、立った状態で膝を曲げるトレーニングです。負荷量は比較的軽いですが、ピンポイントにハムストリングスにアプローチできるのが大きな特徴です。
【スタンディングレッグカールのやり方】
1. 足を肩幅程度に広げて立つ
2. 片足をやや後ろに引いてかかとを浮かせる
3. 上体をやや前傾にしたまま膝をできる限り曲げる
4. 曲げ伸ばしを繰り返す
5. 3〜4の手順を左右の足で行う
膝を曲げるときは、股関節を前に出さないように注意してください。
6.ヒップリフト
ヒップリフトは、あお向けの状態でお尻を上げるトレーニングです。ハムストリングスと大殿筋を中心に鍛えられます。
【ヒップリフトのやり方】
1. あお向けになって両膝を立てる
2. ゆっくりとお尻を上げる
3. 上半身と太ももが一直線になるまで上げたら、ゆっくりともとに戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
ハムストリングスの鍛え方のポイント
ハムストリングスを鍛えるときに、どのような点を意識すべきなのでしょうか。ここでは、トレーニングをする際のポイントについて解説します。
適切な頻度と回数で行う
ハムストリングスの筋トレを効果的に行うには、適切な頻度と回数で実施することが重要です。頻度としては、週に2〜3回程度が推奨されています。筋トレの日と休息日を交互に設けることで、十分な回復時間を確保しつつ、効率的に筋肉を太くできます。回数は、10〜15回程度を1〜3セットを目安にしておきましょう。
無理に頻度や回数を増やすと、ケガやひどい筋肉痛につながるケースもあり、かえって筋トレの効率を低下させる恐れがあります。とくに初心者の方は、まずは少ない頻度と回数からはじめて、徐々に増やすことが大切です。
筋トレ前後でストレッチをする
ハムストリングスの筋トレを効果的かつ安全に行うためには、トレーニングの前後にストレッチを行いましょう。筋トレ前のストレッチは、ハムストリングスの柔軟性を高め、ケガのリスク予防につながります。
一方で筋トレ後のストレッチは、クールダウンの役割を果たします。トレーニングで緊張した筋肉をゆっくりと伸ばすことで、疲労をやわらげられるでしょう。
【ハムストリングスのストレッチ方法】
1. 床に座って両膝を前に伸ばす
2. 片足を曲げる
3. 伸ばした足に向かって手を伸ばし、上体を傾ける
4. 傾けた上体を20秒ほどキープする
5. もとに戻り、足を交代する
ハムストリングスをストレッチする際は、膝が曲がらないように注意してください。
たんぱく質を補給する
ハムストリングスに限らず、筋トレする際はたんぱく質の補給をしましょう。たんぱく質は筋肉を作っている重要な栄養素です。筋トレによって傷ついた筋肉を修復し、より太くするためにはたんぱく質が必要です。たんぱく質が多く含まれている食べ物には、以下があげられます。
● 肉類
● 魚類
● 卵
● 乳製品
● 大豆製品
これらの食べ物を意識的に取り入れることで、十分なたんぱく質を補給できるでしょう。食事だけで十分な量を摂取するのが難しい場合は、プロテインの使用も検討してみてください。
ハムストリングスの筋トレを実践してみよう
ハムストリングスを鍛えることでヒップアップやダイエット効果など、さまざまなメリットを得られます。ハムストリングスを鍛えられるトレーニングは豊富にあるので、自分にあった種目を実践することが大切です。筋トレを行う際は適切な頻度と回数で行い、運動前後のストレッチやたんぱく質の補給も忘れないようにしましょう。ぜひ今回の記事を参考にして、ハムストリングスを効率的に鍛えていきましょう。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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