筋トレはダイエットに効果的?おすすめメニューや痩せるポイントを解説
公開日:2024.10.25
文:内藤 かいせい(理学療法士)
筋トレにはダイエット効果があるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。筋トレは有酸素運動とは異なり、即時的なダイエット効果は薄いですが、継続することで痩せやすい体質につながります。
この記事では筋トレダイエットのおすすめメニューや、運動の効果を高めるポイントをご紹介します。筋トレの知識を深めることで、より効率的にダイエットができるでしょう。
筋トレがダイエットに効果的な理由
筋トレがダイエットに効果的な理由として、「基礎代謝」の向上があげられます。基礎代謝とは、生きるうえで必要な最低限のエネルギー消費量のことです。基礎代謝を決める指標はさまざまですが、もっとも多く割合を占めるのが筋肉量とされています。そのため、筋トレによって筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、それにともない消費カロリーが増加するのです。
基礎代謝は人の消費エネルギーの約60%を占めているとされているため、ダイエットするうえで重要な要素といえます。さらに、筋トレには基礎代謝の向上以外にも、体型の引き締めやストレス解消などのメリットもあります。
ダイエットにおすすめの痩せる筋トレメニュー
ここでは、ダイエットにおすすめの筋トレメニューをご紹介します。どの筋トレも自宅ですぐにできるものなので、気軽に実践してみましょう。
スクワット
スクワットは太ももについている、「大腿四頭筋」や「ハムストリングス」などの大きな筋肉を鍛えられるトレーニングです。
【スクワットのやり方】
1. 足を肩幅程度に広げて立つ
2. つま先と膝を同じ向きにする
3. 背筋を伸ばしたままゆっくりと膝を曲げる
4. 膝を90°ほど曲げたらゆっくりともとに戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
関節の負担を高めないように、膝は90度以上曲げないようにしてください。膝はつま先よりも前に出ないようにしましょう。
ヒップリフト
ヒップリフトは、あお向けでお尻を上げるトレーニングです。お尻の筋肉である「大殿筋」を中心に鍛えられます。
【ヒップリフトのやり方】
1. あお向けになって両膝を立てる
2. 両膝をつけたままゆっくりとお尻を上げる
3. 上半身と太ももが一直線になるまで上げたら、ゆっくりと下げる
4. 2〜3の手順を繰り返す
お尻を締めるイメージで行うと、大殿筋に力が入りやすくなります。
プッシュアップ
プッシュアップ(腕立て伏せ)は、大胸筋や上腕三頭筋などの上半身の筋肉を鍛えられるトレーニングです。
【プッシュアップのやり方】
1. うつ伏せになって、両腕を肩幅程度に広げて床につける
2. 両足を床につけて、身体を浮かす
3. 身体をまっすぐにしながら、肘を曲げてゆっくり上体を下げる
4. 上体を床につく直前まで下げたら、肘を伸ばしてゆっくりと上体を上げる
5. 3〜4の手順を繰り返す
クランチ
クランチは、あお向けの状態で上半身を起こすトレーニングです。腹筋を効率的に鍛えられるのが大きな特徴です。
【クランチのやり方】
1. あお向けになって足を上げる
2. 股関節と膝を90度に曲げる
3. へそをのぞき込むように上体を起こす
4. 上体を限界まで起こしたら、ゆっくりともとに戻る
5. 3〜4の手順を繰り返す
トレーニング中は頭を床につけずに行うと、腹筋に持続的に刺激を入れられます。
バックエクステンション
バックエクステンションは、うつ伏せの状態で上体を上げるトレーニングです。「脊柱起立筋」をはじめとした、背中の筋肉を鍛えられます。
【バックエクステンションのやり方】
1. うつ伏せになって両手を前方に伸ばす
2. 上体を後ろに反って、胸を床から離す
3. できるだけ上体を反らしたら、ゆっくりともとに戻る
4. 2〜3の手順を繰り返す
筋トレダイエットの効果を高める3つのポイント
筋トレのダイエット効果を高めるポイントとして、以下の3つがあげられます。
1. 正しいフォームで行う
2. 有酸素運動を組み合わせる
3. 栄養バランスを整える
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.正しいフォームで行う
1つ目は、正しいフォームで筋トレをすることです。適切なフォームで筋トレすることで、狙いたい筋肉に効率よく負荷をかけられます。一方で、間違ったフォームで筋トレをすると、筋肉にかかる負荷が分散し、トレーニングの効果が低下してしまいます。不適切な筋トレは、ケガや身体の不調につながる恐れもあるでしょう。
正しいフォームを身につけるには、以下のような工夫をすることが重要です。
● 鏡を見ながら動作を確認する
● はじめは軽い重量からはじめる
● 専門家のアドバイスを受ける
2.有酸素運動を組み合わせる
2つ目は、筋トレと有酸素運動を組み合わせることです。有酸素運動とは、低負荷の強度で長時間行う運動のことで、以下のような種目があげられます。
● ウォーキング
● ジョギング
● サイクリング
● 水泳
● ヨガ
有酸素運動は即時的な脂肪燃焼効果が期待できるので、筋トレと組み合わせることで、より多くのカロリーを消費できます。ダイエット以外にも、心肺機能の向上や生活習慣病の予防などの効果も期待できるでしょう。
筋トレと有酸素運動を組み合わせる際は、順番にも注意が必要です。ダイエット効果を高めたい場合は筋トレを先に行い、その後に有酸素運動をするのがおすすめです。先に筋トレをすることで代謝が高まり、その後の有酸素運動で脂肪を燃焼しやすくなります。自分のペースにあわせて、無理のない範囲で有酸素運動を取り入れてみましょう。
3.栄養バランスを整える
3つ目は、栄養バランスを整えることです。筋トレの効果を高めるためには、十分なエネルギーを確保する必要があります。とくに、たんぱく質は筋肉を作る重要な栄養素です。筋トレ後にたんぱく質を摂取することで、筋肉の回復を促進し、筋力アップや筋肥大につながります。
以下のようなたんぱく質を多く含む食べ物を取り入れつつ、バランスよく栄養を摂取しましょう。
● 肉類(鶏肉、牛肉、豚肉など)
● 魚介類(鮭、マグロなど)
● 卵
● 大豆製品(豆腐、納豆など)
● 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
筋トレダイエットを行う際の注意点
筋トレダイエットをする際には、いくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、筋トレダイエットの注意点について詳しく解説します。
過度なトレーニングは避ける
筋トレダイエットでは、過度なトレーニングは避けましょう。筋トレを頑張ろうとして過度なトレーニングを続けると、以下のような悪影響が現れる恐れがあります。
● 筋肉や関節のケガ
● 強い筋肉痛
● モチベーションの低下
このように、かえって筋トレの効率が低下し、長続きしなくなる可能性があるのです。適切な筋トレの目安としては、週に2〜3回程度、1種目につき10〜15回を1〜3セット行うことが推奨されています。
はじめはこれらの基準に従い、慣れてきたら少しずつ回数や種目を増やしていくのがよいでしょう。自分のペースで楽しみながら継続することで、長期的には大きな効果が期待できます。焦らず、着実に筋トレダイエットを進めてみましょう。
筋トレをする時間帯に注意する
筋トレダイエットを効果的に行うには、時間帯に注意することも大切です。避けるべき時間帯として、以下の3つがあげられます。
● 起床直後
● 空腹時
● 就寝直前
起床直後は身体が目覚めきっておらず、筋肉の柔軟性も低下している状態なので、ケガのリスクが高まります。空腹時は身体に十分なエネルギーがないため、筋トレをしても思うような効果が得られないケースがあるでしょう。
また就寝直前に筋トレをすると、脳が興奮して睡眠を妨げてしまう恐れがあります。
筋トレする際は、これらの時間帯を避けましょう。
筋トレを継続してダイエット効果を高めよう!
筋トレは基礎代謝が高まり、消費エネルギーの増加につながるので、ダイエットにおすすめの運動といえます。ダイエットの効果を高めるためには、有酸素運動と組み合わせたり、栄養バランスを整えたりすることも重要です。
また過度な負荷や、起床直後・就寝直前などのタイミングでの筋トレはなるべく避けましょう。ぜひ今回の記事を参考にして、ダイエットのための筋トレを実践してみてください。
内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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