内臓脂肪を効率的に減らすには?おすすめのダイエット方法をご紹介!
公開日:2024.11.26
文:内藤 かいせい(理学療法士)
お腹のなかにつく内臓脂肪を減らすためには、どんな方法がおすすめなのか知りたい方はいませんか?内臓脂肪はつきやすい一方で、落ちやすい脂肪でもあります。そのため、効果的なダイエット方法を実践すれば、効率的に脂肪を落とせるでしょう。
この記事では、内臓脂肪の特徴やおすすめの減らし方についてご紹介します。今回紹介するポイントを実践することで、スムーズな減量が期待できるでしょう。
内臓脂肪の特徴は?
内臓脂肪とは、内臓のまわりにつく脂肪のことで、男性に多くみられる傾向があります。内臓脂肪が増えると「りんご型」のような肥満体型になり、お腹がぽっこり出るのが特徴です。内臓脂肪がたまる原因として、以下のとおりです。
● 運動不足
● 食べすぎ
● 過度な飲酒
● ストレス
● 加齢による代謝の低下
この脂肪はつきやすい反面、減らしやすいという特徴があります。そのため、適切な対策をすることで、早期から脂肪の減少が期待できます。
内臓脂肪が増えると病気の発症リスクに
内臓脂肪の増加は、単に肥満になるだけでなく、生活習慣病のリスクを高める原因となります。とくに注意が必要なのは、以下のような生活習慣病です。
● 糖尿病
● 高血圧
● 脂質異常症
● 脳卒中
生活習慣病とは、日々の生活習慣が深く関わっている病気のことです。内臓脂肪の増加は、これらの生活習慣の乱れと密接に関連しており、結果として生活習慣病のリスクを高める恐れがあります。なかには命に関わるような病気も数多くあるため、発症を予防するには内臓脂肪を減らすことが重要です。
内臓脂肪の減らし方
内臓脂肪を減らすためには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは内臓脂肪の減らし方について、以下の3つの方法に分けて解説します。
● 食事
● 運動
● 睡眠
食事で内臓脂肪を減らす方法
ここでは、食事の工夫によって内臓脂肪を減らす方法についてみていきましょう。
栄養バランスを整える
内臓脂肪を減らすためには、栄養バランスを整えることが重要です。脂質や糖質に偏った食事を続けると、体内に余分な脂肪が蓄積されやすくなり、内臓脂肪を増やす原因となります。脂質や糖質のとりすぎを控えて、不足しがちなたんぱく質や食物繊維などの栄養素を積極的に取り入れましょう。
たんぱく質は、筋肉を作るためには欠かせない栄養素です。
詳細は後述しますが、筋肉量を増加・維持することで基礎代謝の低下を防げます。
たんぱく質を摂取するためには、以下のような食べ物がおすすめです。
● 肉類
● 魚類
● 卵
● 大豆製品
食物繊維には、脂質や糖の排出を促す効果があるとされているため、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防が期待できます。
以下のような、食物繊維が豊富に含まれている食べ物も積極的に取り入れましょう。
● 野菜
● 果物
● きのこ類
● 海藻類
● 豆類
食べすぎに注意する
内臓脂肪を減らすためには、食べすぎにも注意しましょう。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、その過剰分が脂肪として体内に蓄積されるからです。適切な食事量を意識するには、腹八分目を心がけることが重要です。満腹になる少し手前で食事を終えることで、過剰なカロリー摂取を予防できます。
また、1日の必要カロリーの目安を知っておくことも大切です。活動量や体格によって必要カロリーは変動しますが、おもな目安は以下のとおりです。
● 成人男性:1日2,650~2,700kcal
● 成人女性:1日1,950~2,000kcal
普段から食べすぎてしまう方は、このような点をおさえておきましょう。
3食しっかりと食べる
1日3食しっかりと食べることも内臓脂肪の減少につながります。これは、食事を抜くと体内のエネルギーが不足して、次の食事で過食しやすくなるからです。とくに朝食を抜くと午前中の代謝が上がらず、活動時のエネルギー消費量が低下してしまいます。
また、朝食を抜いた状態で昼食を取ると、血糖値が急激に上昇しやすくなります。血糖値の急上昇は、インスリンの反応を悪化させ、糖分を脂肪として蓄積させやすくする原因となるでしょう。このように、ご飯を抜くのはダイエットによいと思いがちですが、逆に太りやすい体質につながるのです。
よく噛んで食べる
食事の際は、よく噛んで食べましょう。よく噛むことで唾液の分泌が促進され、消化吸収がスムーズになります。それだけでなく、脳の満腹中枢が刺激されやすくなります。満腹中枢が刺激されると、頭が「お腹いっぱいだ」と認識し、食欲の抑制につながるのです。これにより、必要以上のカロリーを摂取しにくくなり、内臓脂肪の蓄積を予防できます。
早食いの人は肥満になりやすいという研究結果もあるため、食事の際はできるだけよく噛み、ゆっくり食べることを心がけましょう。
アルコールはなるべく控える
アルコールの摂取もなるべく控えましょう。お酒の飲み過ぎは内臓脂肪を増やす原因となるだけでなく、さまざまな健康リスクにつながります。まず、お酒自体が高カロリーの飲み物です。9%の缶チューハイ500mLの場合、アルコール分だけで250kcalにもなるとされています。250kcalをほかの食べ物に換算すると、茶碗一杯分のご飯に相当します。
さらに、アルコールの過剰摂取は肥満や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクにもなるでしょう。厚生労働省によると、1日あたりの適切な飲酒量は、以下のとおりです。
● ビール中瓶1本
● 日本酒1合
● チューハイ(350ml)1本
この飲酒量を超えるようなアルコールの摂取は控えましょう。
運動で内臓脂肪を減らす方法
ここでは、運動で内臓脂肪を減らす方法についてみていきましょう。
有酸素運動
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、内臓脂肪を減らすのにおすすめの運動です。有酸素運動には高い脂肪燃焼効果があるため、ダイエットとして最適な運動といえるでしょう。さらに、心肺機能の向上によるスタミナアップ、生活習慣病の予防などの効果も期待できます。
内臓脂肪を落とすためには、週に4〜5回、1回20分以上の有酸素運動の継続が望ましいです。ただし、1回20分が難しい場合でも、10分程度の短時間を1日に数回に分けて行っても効果があるとされています。最初は少ない頻度や時間でも問題ないので、まずは自分のペースで継続することが重要です。
筋トレ
筋トレによって筋肉量が増えることで「基礎代謝」が高まり、痩せやすい身体を作れます。基礎代謝とは、生きるために必要な最低限のエネルギー消費量のことです。筋肉量が増えるにともない、基礎代謝も高まりやすくなります。そのため、筋トレの継続によって、日常生活のなかでより多くのカロリーを消費しやすくなります。
筋トレをはじめる際は、スクワットや腕立て伏せなどの自重トレーニングがおすすめです。おもな目安としては、週2〜3回、各種目10〜15回×1〜3セット程度です。無理なく継続するためには、まずは自分のペースで行い、徐々に回数や強度を増やしましょう。
睡眠の見直しで内臓脂肪を減らす方法
十分な睡眠と規則正しい生活も、重要なポイントです。睡眠不足が続くと、食欲をおさえるホルモンの「レプチン」が減少し、食欲を増やす「グレリン」が増えます。その結果、食欲が増えて食べすぎにつながります。
このホルモンの乱れを防ぐためには、十分な睡眠時間を確保することが重要です。1日の睡眠時間の目安は、成人で6〜8時間とされているので、これを基準にするとよいでしょう。また、生活リズムが崩れると体内時計が乱れる原因となり、代謝が高まりにくくなります。生活リズムを整えるためには、毎日決まった時間の就寝・起床、食事を心がけましょう。
内臓脂肪を減らすための方法を取り入れよう
内臓脂肪はつきやすい特徴があるので、生活習慣が乱れているとすぐに太る原因となります。その一方で、落ちやすい脂肪でもあるため、食事の工夫や運動などを実践することで、早期からの肥満解消が期待できます。
生活習慣を整えることは生活習慣病の予防にもつながり、健康な毎日を送るきっかけにもなるでしょう。ぜひ今回の記事を参考にして、効率的なダイエット方法を実践してみてください。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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