【膝がポキポキ鳴るのはなぜ?】膝音の原因と対処ストレッチを徹底解説!
公開日:2024.11.29
文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)
あなたは膝が「ポキポキ」と鳴るのはなぜか不思議に思ったことはないでしょうか。また「ポキポキ」となる音はなぜなのか、そしてその音を解消するためにはどうしたら良いのか疑問に思ったことはないでしょうか。
膝がポキポキと鳴る現象は、関節音と呼ばれることもあります。関節音が鳴るからといって全て異常という訳ではありませんが、場合によっては痛みなどの症状に繋がる可能性もあります。そのため当記事では、膝がポキポキとなる原因と対処法であるストレッチを解説していきます。ぜひ膝の音でお悩みの方は取り組んでみてください。
膝がポキポキ鳴る原因について解説!
膝がポキポキと鳴る現象は、一度は経験したことがある方が多いかもしれません。関節音の原因は、詳細には未だはっきりとわかっていないというのが現状です。しかし今すぐ何か問題となる可能性は少ないケースがほとんどだと言われています。ただし、中には膝のアライメント(ポジション)が悪く音が鳴っていることもあります。その場合には、摩耗による炎症に繋がる可能性も否定できません。そのためまずは原因について知っていきましょう。
関節内の気泡の形成と崩壊
関節の中には、関節液と呼ばれる液体が存在します。関節同士の摩擦を減らしたり栄養を供給する役割を持ちます。
膝の屈伸運動などを行うと、この関節液に圧が掛かることで、気泡が崩壊することもあります。その際に、「ポキポキ」「バキ」と音が鳴る可能性があるのです。この現象を『キャビテーション』と言います。
関節面の不適合
本来であれば膝関節を曲げたり伸ばしたりする際、わずかに膝下の骨がねじれることで、関節面に適合しながら運動を行います。しかし膝関節のアライメント(骨のポジション)が悪いとねじれの動きを伴わず、関節面が擦れてしまう可能性もあるのです。その擦れる際に音が鳴る場合もあるでしょう。
靭帯や腱の動き
大きな音はしないことがほとんどですが、稀に膝を曲げたり伸ばしたりする際に、靭帯や腱が骨の上を滑ることで、音がなるケースもあります。特に運動不足や筋肉バランスが崩れている場合に起こることが多いでしょう。
関節の炎症や病変
膝関節の音が頻繁に鳴る場合、炎症や病変が関連しているケースもあるでしょう。例えば、半月板損傷などが挙げられます。半月板損傷の場合は、どちらかと言うと「コリッ」というような音に近いかもしれません。この音は『クリック音』とも呼ばれます。また膝を曲げ伸ばしした際に、引っかかるような感覚があったり痛みが強い場合には、半月板損傷の可能性もあるため、すぐに整形外科を受診しましょう。
膝がポキポキ鳴る場合どうしたら良いの?
基本的に痛みなどの症状を伴わなければ、膝の音がなっていてもすぐに問題となるケースは少ないでしょう。ただし注意が必要な場合があるため、対応方法を以下に説明します。
痛みや腫れがある場合は整形外科を受診
もし現段階で痛みや腫れ、関節を動かした際の違和感などがある方は、すぐに整形外科を受診することを推奨します。炎症が起こっている場合には、安静や冷却などをした方が良い場合もあるため、専門家の判断に従いましょう。
症状がない場合は運動やストレッチ
現段階で症状がない方は、ストレッチや筋肉トレーニングを行えると良いでしょう。筋バランスを整え、膝のアライメントを適正化することで、膝の負担軽減に繋がります。
膝関節のアライメントが乱れている場合には、
【難易度別】膝音ある方にオススメのストレッチ&トレーニング3選
膝がポキポキ鳴る方(膝の痛みや腫れなどの症状がない場合)に取り組んでいただきたいオススメストレッチ&トレーニングを紹介します。難易度別に紹介しますので、できるものから順番に取り組んでみてください。
【初級編】膝下ストレッチ
膝上の骨(大腿骨)と膝下の骨(脛骨)のねじれがあり、膝を曲げ伸ばしした際に音がなってしまうケースを想定して、ストレッチを紹介します。
アライメントが悪い方の多くが、膝下の骨が過度に外側にねじれています。そのため内側にねじる動きを行なっていきましょう。
⒈座って片足を前に出します。膝は深く曲げた状態で行いましょう。(膝窩筋と呼ばれる膝下の骨を内側にねじる筋肉が使いやすくなります。)
⒉太ももの骨が動かないように手で支え、膝下の骨を動かす意識でつま先を内側に動かします。
⒊繰り返し実施しましょう。
【中級編1】膝曲げ伸ばし運動
次に前腿の筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の中の一つである、内側広筋(ないそくこうきん)と呼ばれる筋肉を使っていきます。この内側広筋と呼ばれる筋肉が弱くなっている方が多く、外側の筋肉である外側広筋とのバランスが崩れることで膝のお皿(膝蓋骨)が外側に偏位してしまうことがあります。膝蓋骨が外側に偏位してしまうと、膝の曲げ伸ばしの際に、関節運動が円滑に行われず、音が鳴る可能性もありますので、内側広筋を使っていきましょう。
⒈座って膝を曲げます。さらに膝下の骨を内側にねじるように、つま先を内側に向けます。(初級編の内側にねじる状態と同じ方法です。)
⒉そのまま膝を曲げたり伸ばしたり動かしていきましょう。
【中級編2】フロッグ
中級者編としてもう一つエクササイズを紹介します。このエクササイズは、内腿の筋肉(内転筋群)、お尻の筋肉(外旋筋群)を同時に整える運動です。この筋バランスが乱れているとO脚やXO脚などになりやすく、膝への負担も増加します。よってこれらを同時に整えていきましょう。
⒈仰向けで寝て、股関節・膝関節を90度に保ちます。踵同士をつけて、つま先の間は拳1個分です。膝はつま先と同じ方向に向けましょう。
⒉膝を伸ばし、内腿同士をつけるように意識します。膝は内側に入らないように注意です。
⒊繰り返し実施しましょう。
【上級編】ランジ
最後に上級者編です。ここでは膝のアライメントを整えたまま動かす練習を行なっていきます。膝の負担を減らし関節の適合性を高めるために重要な動きになるので、できそうな方はぜひ取り組んでみてください。
⒈片足を前に出してつま先を正面に向けていきましょう。
⒉頭からお尻まで一直線を意識し、体を前に傾けます。
⒊この時、膝が内側に入らないように意識しましょう。
⒋体をゆっくり起こします。股関節から動かす意識で繰り返します。
正確にはつま先の向きは、個々の大腿骨の角度によって異なります。可能であればお近くの専門家に見てもらうことを推奨します。
まとめ
今回は膝がポキポキ鳴る原因や治すストレッチについて解説しました。今すぐ問題となるケースは少ないものの、膝のアライメントが悪くなっていることで後々、不調に繋がるケースも考えられます。
そのため、予防をするためにもぜひ現段階から今回紹介したエクササイズなどに取り組んでいただければ幸いです。当記事が膝のポキポキ鳴る方の症状緩和に繋がれば幸いです。
服部 恵実
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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