レッグレイズの正しいやり方・効果について徹底解説!
公開日:2024.12.10
文:加藤 尚也(理学療法士)
夏になるとプールや海など、水着になる機会が増えますよね。せっかくの夏を思う存分楽しむために、水着が映える引き締まったおなかを手に入れませんか?
きれいに腹筋が割れたメリハリボディを目指すためには、効率よく腹筋を鍛えられる筋力トレーニング「レッグレイズ」がおすすめです。そこで今回は、レッグレイズの基本や正しいやり方、注意点を紹介します。
レッグレイズとは?鍛えられる部位
レッグレイズとは、あおむけの状態で脚を伸ばし、上下に動かすことで腹筋を鍛える筋力トレーニングです。腹筋全体にバランスよくアプローチできることが特長です。
レッグレイズでは「腹直筋(ふくちょくきん)」「外腹斜筋(がいふくしゃきん)」「内腹斜筋(ないふくしゃきん)」「腹横筋(ふくおうきん)」「腸腰筋(ちょうようきん)」を鍛えられます。
特に「腹直筋」は体の表面に一番近い部分にあり、鍛えることでいわゆる[「シックスパック」という割れたおなかを目指すことができます。
また「腸腰筋」を鍛えることで、座った姿勢を正しく導きます。デスクワークを行う方の腰痛対策に効果的です。
「外腹斜筋」「内腹斜筋」は、肋骨から斜めについている筋肉です。鍛えることで、おなか周りが引き締まったメリハリのあるフォルムを目指せます。
インナーマッスル「腹横筋」は、筋力が上がることで下腹のぽっこり感の改善や、腰痛予防に有効です。
レッグレイズの効果4選
レッグレイズを行うことで、以下のような効果が期待できます。
①ぽっこり下腹の改善
②腰痛の解消
③代謝アップによるダイエット効果
④疲労感・倦怠感の軽減
順に見ていきましょう。
ぽっこり下腹の改善
レッグレイズで腹筋全体を鍛えることで、おなかの引き締め効果が期待できます。
特に、腹筋の最下層にあるインナーマッスル「腹横筋」を鍛えることは、内臓を正しい位置に導き、ぽっこりおなかの改善に有効だと考えられています。
内臓が前に出ることにより、下腹部のぽっこり感が顕著に現れる傾向がある「胃下垂」の方にも効果的です。
腰痛の解消
腹筋が弱いと、腹圧が下がり、姿勢が悪くなりがちです。さらに下腹部が前に出やすくなることで、腰が反りすぎて腰痛の原因となったり、猫背になってしまう方もいます。
このような姿勢の崩れは、腹筋を鍛えて、腹圧を高めることが重要です。
正しい姿勢に導くことは、腰への負担を減らし、腰痛の解消につながるでしょう。
代謝アップによるダイエット効果
基礎代謝は筋肉の量によって変わります。筋肉の量が多いと、代謝量が上がる傾向にあります。
腹筋は体幹の中心にある大きな筋肉です。レッグレイズで鍛えることで、筋肉の量を効率的に増やすことができます。
レッグレイズで体内の筋肉量を増やし、代謝を上げることで、ダイエット効果が高まるメリットがあります。
疲労感・倦怠感の軽減
体幹はあらゆる運動を行う際の土台になります。
腹筋が弱いと、腕や脚を動かしたときに体幹がぶれてしまいます。体幹がぶれると本来の力を発揮できないだけでなく、筋肉の使い方が無理のある動きになってしまい、疲労感や倦怠感につながることがあります。
レッグレイズで腹筋を鍛えることで、活動を行ううえでの体幹のぶれを軽減することができれば、効率よく腕や脚の力を使えるようになります。
その結果、活動の効率が上がり、疲労感や倦怠感の軽減が期待できます。
レッグレイズのやり方
1. 手を少し広げ、あおむけになります。
2. 両方の脚を同時に上げます。できれば90°まで脚を上げます。
3. ゆっくりと脚を下ろし、地面に着く直前でもう一度90°まで脚を上げます。
以上の動作を繰り返し行います。回数は10回程度を3セットから始め、慣れてきたら回数を増やしたり、動作をゆっくり行ったりして負荷量を上げていきましょう。
レッグレイズの注意点
レッグレイズを行ううえで、いくつか注意点やポイントがあります。
腰が反らないようにする
レッグレイズを行う際に最も重要な注意点は、腰が反らないようにすることです。
脚を上下に動かす際に腰が反ってしまうと、腹筋にうまく力が入らないだけでなく、腰に大きな負荷がかかります。その結果、腰痛を引き起こしてしまう可能性があります。
レッグレイズを行う際は、背中からお尻まで地面にしっかりとついていることを確認しながら行うようにしましょう。
ひざが曲がらないようにする
脚を上下に動かす際のよくある失敗は、ひざが曲がってしまうことです。
レッグレイズは、ひざをしっかりと伸ばした状態で上下に動かすことがポイントです。ひざが曲がっていると、腹筋に適正な負荷がかかりづらくなります。
ただし、ひざを伸ばした状態で脚が上がらない初心者の方は、少しひざを曲げた状態からトレーニングを開始し、徐々に伸ばして行えるようにしましょう。
また太ももの裏側にある筋肉「ハムストリングス」が固いせいで、ひざを真っすぐに伸ばせないことがあります。そのような場合は、後述する「ハムストリングス」のストレッチを行ってからレッグレイズを行うようにしましょう。
脚を上げる際に90°以上上げない
レッグレイズで脚を上げる際に勢いをつけすぎると、90°以上脚が上がってしまうことがあります。
90°以上脚を上げると腹筋に力が入りづらく、トレーニング効果が下がってしまう傾向があります。
無理に脚を上げることで、腰痛の原因となる可能性もあるため、脚を上げる際の角度は90°以内に留めるよう注意しましょう。
できるだけ脚を90°まで上げる
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レッグレイズをはじめ、筋力トレーニングを行う際は、可動域の範囲でなるべく大きく動作を行うことで、筋肉に適切な負荷をかけることができます。
レッグレイズは90°まで脚を上げることで、効率よく腹筋を鍛えられます。
体が固くて脚を十分に上げられない場合は、次の「ハムストリングスのストレッチ」を合わせて行うようにしましょう。
レッグレイズと合わせて行うと良いトレーニング
レッグレイズは、他のトレーニングと組み合わせることで、よりいっそう効果を高めることができます。
ハムストリングスのストレッチ
レッグレイズで十分な効果を得るためには、ひざを真っすぐ伸ばした状態で行うことが重要です。
太ももの裏側にあるハムストリングスが固いと、ひざを伸ばした状態で脚を上下に動かすことが難しくなります。そのため、ハムストリングスのストレッチを行い、脚が上がりやすい状態に整えることが大切です。
やり方
1. 椅子に浅く座った状態で片ひざを伸ばし、反対側のひざを曲げます。
2. その状態から、伸ばしたひざが曲がらないように、体を前に倒して30秒ほどキープします。
筋肉が引っ張られて「痛気持ちよい」と感じるくらいの負荷量で行いましょう。
プランク
プランクとは、うつ伏せの状態で、肘とつま先で身体を支えるトレーニングです。腹筋をはじめ、背筋や脚の裏の筋肉も同時に鍛えられます。
レッグレイズを行う際に、上手く体を固定することが難しい方におすすめです。
クランチ
クランチは、あお向けで両ひざを立てて、おへそを見るように頭を持ち上げる腹筋のトレーニングです。
他の腹筋トレーニングと比べて負荷量が低く、初心者でも始めやすい筋トレです。レッグレイズを行う際に体幹が固定できず、腰が反ってしまう方に特におすすめです。
まとめ
今回は、レッグレイズの正しいやり方や効果、注意点について紹介しました。正しいレッグレイズを継続して行うことで、きれいに割れたかっこよい腹筋を手に入れることができるでしょう。ぜひトレーニングの参考にしてくださいね。
おなかの露出が増える夏本番に向けて、レッグレイズで理想の腹筋を手に入れましょう。
<参考文献>
「筋機能改善の理学療法とそのメカニズム」 望月久/ナップ

加藤 尚也
理学療法士として総合病院と整形外科クリニックに勤務し、スポーツ整形を担当している。普段の診療業務からどのように指導を行えば患者様が適切な筋力トレーニングを行えるかを意識して指導をしている。また、けがの再発予防も重要視し、運動時のフォームチェックなども行っている。毎年、学会発表や市民公開講座など病院以外の場での活動も精力的に実施。ライターとしては医療・健康分野での執筆活動を中心に行っている。理学療法士歴は10年以上。
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