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短期間で理想の胸筋を目指す!インクラインベンチプレスの効果的なトレーニング方法

公開日:2024.12.11

短期間で理想の胸筋を目指す!インクラインベンチプレスの効果的なトレーニング方法

文:山﨑志緒(理学療法士)

大胸筋を鍛えるトレーニングとして、効果的な種目の1つがインクラインベンチプレスです。

引き締まった上半身の象徴である大胸筋を鍛えることができ、理想の体づくりには欠かせません。短期間で効果を出すためには、正しい理解とフォームが重要です。

今回は理学療法士の視点から科学的根拠に基づき、結果を出せるインクラインベンチプレスを正確にわかりやすく解説していきます。

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インクラインベンチプレスとは?

ベンチプレスは大胸筋を鍛える一般的なトレーニングで、体幹の角度で3つの種目に分類され,
その1つがインクラインベンチプレスです。各ベンチプレスの種類は下記の通りです。

・「フラットベンチプレス」:大胸筋全体:体幹を床と平行にして行う
・「インクラインベンチプレス」:大胸筋上部:頭を高くした姿勢で行う
・「デクラインベンチプレス」:大胸筋下部頭を低くした姿勢で行う

一般的にベンチプレスは角度が調整できるベンチプレス台を利用し、目的に応じて種目を選択します。このうち、頭を上にして傾斜をつけた姿勢で行うのがインクラインベンチプレスです。

鍛えられる主な部位は「大胸筋上部」

短期間で理想の胸筋を目指す!インクラインベンチプレスの効果的なトレーニング方法

インクラインベンチプレスで鍛えるメインの筋肉は大胸筋の上部線維(鎖骨部)です。

大胸筋は胸を覆うような形をした筋肉で、力強い上半身の象徴である胸板を形成しています。大胸筋は1つの大きな筋肉のようですが、実際には上部、中部、下部からなる3つの筋線維の集合体です。

大胸筋のもっとも上の位置にある上部繊維は、胸に近い鎖骨の内側から、上腕骨の上部にかけて付着しています。

三角筋上部と上腕三頭筋も重要な存在

インクラインベンチプレスは補助的に、肩まわりを覆う三角筋の前部繊維や、二の腕を引き締める上腕三頭筋を鍛えることもできます。

三角筋は肩を覆うように付着する大きな筋肉です。三角筋は前部、中部、後部の3つの線維で構成され、ベンチプレスのように前方へ腕を突き出す動きでは、大胸筋と連動して三角筋の前部線維も収縮します。

もう1つのインクラインベンチプレスで鍛えられる重要な筋肉が上腕三頭筋で、肘を力強く伸ばす役割をもっています。この筋肉を鍛えると、男性はメリハリのある太く力強い腕を、女性は「たるみがない」スマートな二の腕を目指せます。

インクラインベンチプレスの効果3選

インクラインベンチプレスは胸、肩、腕まわりの筋肉を複合的に鍛えることができ、たくましい上半身を目指す人に欠かせません。具体的に目指せるボディを紹介します。

力強いボディをつくる厚い胸板

大胸筋を鍛えると、大きな胸板を目指せます。とくに上部線維を鍛えれば、鎖骨下からの体幹に厚みが出ます。胸板にボリュームが生まれるので、力強くたくましいイメージになるでしょう。

大きくてメリハリのある逆三角形の上半身

胸と肩や腕を一緒に鍛えられるので、上半身が厚くなりメリハリがつき、きれいな逆三角形の上半身を目指せるでしょう。また、大胸筋を鍛えると胸を張る姿勢が定着し、精神的に前向きな気もちになるとも言われます。

引き締まった二の腕を

インクラインベンチプレスでは、重量のあるバーを持ち上げるので上腕三頭筋が大きくなり、二の腕も鍛え上げられます。

二の腕の引き締めは、インクラインベンチプレスにおいては二次的な成果ですが、引き締った二の腕づくりには効果的です。腕の太さに関して大きな比重を占めるので、太く力強い上腕三頭筋を目指せるでしょう。

インクラインベンチプレスのやり方・角度

短期間で理想の胸筋を目指す!インクラインベンチプレスの効果的なトレーニング方法

大胸筋上部を鍛えるために効果的なインクラインベンチプレスのトレーニング順序は下記の通りです。

①ベンチプレス台は45度を目安に設定する。背中をつけて両足をしっかり床において座る。
②脇を軽くしめて、肩幅よりやや狭くバーを握る(握る位置の目安は肩幅よりこぶし1つ内側くらい)
③肩甲骨を背骨側にしっかり引き寄せながら、肩を引き下げて胸を張る
④肩甲骨を寄せたまま両手を天井に向け、真上にバーを押し上げる
⑤胸筋の中心をめざしてゆっくりとバーを下げ、胸につく数センチ手前で止める
脇が開いたり、胸にバーをつけないよう注意する
②〜⑤をくりかえす

ベンチの角度の目安は45度

大胸筋上部を鍛えるための効果的な体幹の角度は、頭を上にして45度前後とされています。研究により、体幹の角度を上げすぎても効果が高くはならないとわかっています。

大胸筋と連動して収縮する三角筋前部への効果も考慮した場合、体幹の角度は45度前後が適切とされています。

ただし、絶対に45度を守る必要があるわけではありません。体力などに応じて、調整してください。

効果的な重量負荷と運動回数

トレーニングの効果を短期間で出すためには重量負荷と運動回数が重要ですが、重量設定は、トレーニングの目的や個人の体力により異なります。

筋肉を大きくしたい

筋肥大を目的とする重量負荷は、1回の運動を70%程度の力で扱える重さを目安にします。運動回数は10回前後の運動を1セット、約2分間の休息を挟んで4〜6セットの実施が効果的です。じっくりと筋肉に負荷をかけ続けることを意識して、トレーニングしましょう。

重量を上げたい

さらに重たい重量にチャレンジしたい場合は、少ない回数で高重量の運動を行います。1回の運動が80%程度の力で扱える重さを選択しましょう。4〜6回を1セットとして、2分間程度の休息をはさみ4〜6セットが目安です。

無理せず週2〜3日が合理的

トレーニングの効果を最大化するいちばんの近道は「継続」です。無理のない運動習慣を取り入れ、がんばりすぎないことが、結果的にもっとも効率的なトレーニングになります。つまり、週2〜3日の運動習慣をつけるのが、筋肉を鍛えるためには効果的といえるでしょう。

これは、筋力トレーニングでは筋肉に微小な損傷が生じ、回復・修復する過程で筋肉が大きくなるメカニズムにもとづいています。この過程は「超回復」と呼ばれ、一般的には48時間から72時間かかるとされています。

また、運動後の筋肉におけるたんぱく質合成も24時間〜48時間後に高くなります。大胸筋は大きな筋肉ですから、適度な休息を設けたほうがオーバートレーニングによるけがや過労も予防でき、効率的にトレーニングできます。

インクラインベンチプレスの注意点

トレーニングを行う上で重要な注意点を2つにまとめました。けがの予防や短期で効果を出すためにも重要です。

肩甲骨を引き寄せ、きれいな胸のアーチをつくる

大胸筋の収縮を最大限に発揮するには、肩甲骨を内側かつ下向きにしっかりと引き寄せ、キレイな胸のアーチ(胸椎の伸展によるもの)をつくることが大切になります。背中が丸くなると、大胸筋は十分に力を発揮できません。

ポイントは腰を反るのではなく、「肩甲骨の引き寄せ胸のアーチをつくる」ことです。トレーニング中に姿勢が適切でない場合には腰痛が発生しやすくなります。効果的に安全なトレーニングを行うためには、鏡でフォームをチェックしたりトレーナーの指導を受けたりして、正しいフォームを習得しましょう。

バーを垂直に上げ下ろしする

インクラインベンチプレスでは、バーの上げ下ろしがもっとも重要で、正しくできていなければ運動効果が薄れてしまいます。肩甲骨をしっかり引き寄せ、肩幅より少し狭くバーを握ると、バーの位置が自然と大胸筋の中心の位置になります。大胸筋の中心をバーの上げ下ろしの起点として、ゆっくりと動作を行いましょう。

肩が上がっていたり、バーを広くもったりすると力が入りません。その場合は、重量負荷を見直したほうがいいでしょう。短期間で効果を出すためには、まずは正しいフォームでのバーの上げ下ろしを身につけることが一番の近道になります。

休息と栄養が短期間で効果を引き出す

筋力トレーニングの効果を最大化するには、運動で酷使した体に十分な休息と栄養を与えることが不可欠です。トレーニングによって傷ついた筋線維が修復される「超回復」の効果を十分に得るためには、たんぱく質を多く取り入れたバランスの良い食事と十分な睡眠確保を意識しましょう。

運動後は45分以内に、たんぱく質を摂取することが望ましいと言われています。食事だけでたんぱく質を補うことが難しい場合は、プロテインの摂取も検討しましょう。

また、睡眠中には成長ホルモンが分泌されるのでたんぱく質の合成が高まり、筋肉を大きくする「超回復」が促進されます。運動習慣を取り入れる際には、睡眠も意識すると、より短期間でトレーニングの効果を実感できます。

まとめ

インクラインベンチプレスは大胸筋上部、三角筋前部、上腕三頭筋を効果的に鍛え、引き締まった上半身を手に入れるための効果的なトレーニングです。正しいフォームで定期的にトレーニングを続ければ、短期間で目に見える変化を手に入れることが可能になります。けがを防ぐために、リスクとなるポイントを知って、安全で効果的なトレーニングで理想の上半身を目指しましょう。

山﨑志緒

山﨑志緒

医療福祉に特化した総合大学を卒業後、理学療法士免許を取得。スポーツ整形外科での外来リハビリやスポーツチームでトレーナーとして指導やケアにあたる。その後、高齢者の介護予防事業や回復期リハビリテーションの経験を経て、現在は在宅リハビリテーションに従事。現場歴11年。睡眠改善など海洋リハビリテーションなど幅広い分野に携わりながら、ライターとしても活動している。

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