アームカールで引き締まったたくましい腕を手に入れる!正しい方法や注意点を解説!
公開日:2024.12.23
文:山﨑志緒(理学療法士)
「引き締まった二の腕にしたい!」「二の腕にしっかり筋肉をつけたい!」という方におすすめのトレーニングが「アームカール」です。アームカールは「ダンベルを握って肘を曲げる」という自宅でも簡単にできるトレーニングですが、けが無く、確実な効果を得るためには正しい方法を理解することが重要です。
この記事では、体と運動のプロである理学療法士が、より短期間でアームカールの効果を出すためのポイントや注意点をわかりやすく紹介していきます。
アームカールで鍛えられる筋肉について
アームカールは、肘を曲げたときの力こぶになる筋肉を鍛えるトレーニングです。ダンベルなどで重量の負荷をかけながら、肘を曲げます。鍛えられる主な部位は、腕の前面にある上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋(わんとうこつきん)の3つの筋肉になります。
それぞれをバランス良く鍛えることで、より太く、力強い腕を手に入れることができます。ここでは、それぞれの筋肉について詳しく紹介します。
文中で登場する「上腕」は肩から肘の間、「前腕」は肘から手首の間を示しています。
上腕二頭筋
手のひらを天井に向けて肘を曲げると、力こぶが現れます。これが上腕二頭筋です。肩から肘を通り、前腕部に付着する長い筋肉で、内側にある長頭と外側にある短頭の2つの線維に別れています。
主に肘を曲げる動きに働きますが、肩を上げる動作を助ける役割もあります。この筋肉を鍛え上げることで力こぶが大きくなり、引き締まった腕を手に入れることができます。
上腕筋
上腕筋も肘を曲げるときに働く筋肉です。肘の内側寄りに付着しており、手のひらを床に向けた姿勢で力を入れながら肘を曲げると、肘に近い上腕の内側で力こぶを確認できます。
上腕筋は上腕二頭筋の裏側にあるため、あまり目立たない存在です。しかし、上腕二頭筋の厚みをより際立たせるために、意識的に鍛えることが重要となります。
腕橈骨筋
腕橈骨筋は前腕に付着しています。こちらもあまり目立たない筋肉ですが、ビールジョッキをもち上げるような動きをすると肘の付近に力こぶが現れます。
ダンベルを引き上げるような負荷の高い運動において、肘関節の動きを力強く安定させる重要な役割をもちます。上腕部分だけでなく、前腕部分の筋肉もあわせて鍛えることで、よりバランス良く理想の体を手に入れることができるでしょう。
アームカールの効果3つ
次に、アームカールで得られる3つの効果を紹介します。トレーニングを行うときの参考にしてみてください。
強く、たくましい腕が手に入る
アームカールで得られる一番の効果は、なんといっても筋肥大による大きな力こぶです。肘を曲げる筋肉のなかでも、とくにこの上腕二頭筋を鍛えることで、太く力強い腕をつくり上げることができます。腕橈骨筋は前腕のたくましさを際立たせます。女性の場合、引き締まった二の腕を手に入れることができるでしょう。
けがをしない強い肘をつくる
アームカールを行なうことで肘まわりの筋肉が強化され、肩や腕まわりの筋肉を鍛えるための高負荷なトレーニングにも負けない体をつくることができます。肘関節は曲げ伸ばしやひねる動きができるため、運動の自由度が高い関節です。一方で、不安定さや負荷がかかりやすいことも意味します。とくに、重たいダンベルをもつ、テニスや野球、ボルダリングなどでは、アームカールによって肘をサポートするため、アームカールは必須のトレーニングです。
運動習慣が身につく
アームカールは、ダンベル1つあればどこでもできる手軽なトレーニングです。隙間時間にも取り入れやすく、運動習慣が身に付きやすいでしょう。また、トレーニングで効果が得られない多くの理由は「続かないこと」です。筋肥大の効果を得るために必要なトレーニング頻度は、週に5~6日が目安とされていることから、理想の体を手に入れるためにも継続しやすいアームカールはおすすめです。
【種類別】アームカールのやり方
ここではダンベルを使用したアームカールについて3つの方法を紹介します。
● ダンベルカール
● ダンベルコンセントレーションカール
● ダンベルハンマーカール
いずれもシンプルな動きのトレーニングですが、フォームや筋肉への意識を気を付けることで、効率的に鍛えることができます。
ダンベルカール
腕を鍛えるためのもっとも基本的なトレーニングです。ダンベルをもち、手のひらを前に向けた姿勢で肘の曲げ伸ばしを行います。ターゲットの筋肉は上腕二頭筋の短頭(外側の筋線維)で、補助的に上腕筋が働きます。
また、立って行うだけでなく、椅子などで座って行う方法もあります。立って行うことで体幹や足の筋肉も鍛えることができますが、上半身の反動を使いやすいため注意しましょう。座って行う方法は上半身が安定しやすいため、腕まわりを徹底的に鍛えたい方におすすめです。
1. ダンベルをもち、手のひらを前に向けた状態で手を下に下ろす。
2. ダンベルを肩へ引き寄せるように、ゆっくりと肘を曲げる。このとき、上半身の反動を使うのではなく、上腕二頭筋にしっかり意識を向けます。
3. 上腕二頭筋の収縮を感じながら、ゆっくりとダンベルを下ろす。1~3を繰り返す。
ダンベルコンセントレーションカール
ダンベルカールと同じく上腕二頭筋の短頭を鍛えながら、補助的に上腕筋も鍛えることができます。座った姿勢で肘を固定するため、上半身の反動を抑えることができます。「高重量のダンベルにチャレンジしたい」という方にとっては、肩や腰の負担を軽減しながら上腕二頭筋を重点的に鍛えることができるというメリットもあります。
1. 椅子などに腰掛け、足を肩幅より大きく開き、肘を太腿の内側に当てた状態で、ダンベルをもった腕を下に下ろす。このとき、ダンベルをもつ手のひらは反対側の太腿に向ける。
2. 反動を使わずにダンベルを胸元へ引き寄せるように、ゆっくりと肘の曲げ伸ばしを行う。
3.1~2の手順を繰り返す。反対側の腕も同じように行う。
ダンベルハンマーカール
ハンマーカールは上腕二頭筋の長頭を中心に、上腕筋と腕橈骨筋を鍛えるトレーニングです。立って行う方法と座って行う方法があります。今回は、立って行う方法を解説します。
1. 手のひらを体の内側に向けた姿勢で、ダンベルをもった手を下に下ろす。
2. 親指を上に向けた状態で手首をしっかり固定し、反動をつけずに腕の力を意識して、ダンベルを肩のほうへ引き寄せるようにゆっくりと肘を曲げる。
3.筋肉の収縮を感じながら、ゆっくりと腕を伸ばして下ろす。
4.2~3の手順を繰り返す。
アームカールの重量・回数
アームカールを行ううえで重要なことは、ダンベルの重量と運動回数です。トレーニングの運動負荷は、トレーニングの目的によって異なります。
しっかりと筋肉のついた太くたくましい腕をつくりたい場合、ダンベルの重量は、70〜80%の力で扱える重さが目安になります。運動回数は6~12回の運動を1セットとし、2分間前後の休息をとりながら4~6セットを行うと効果的です。
トレーニングの頻度は、週に5~6日が理想です。ただし、けがを予防するためにも無理は禁物です。体調や疲労にあわせて、無理のないペースで継続していきましょう。
アームカールを行う際の注意点
最後にアームカールを行ううえでの注意点をまとめています。けがをせず長くトレーニングを続けるために、またより効率良く効果を得るために重要なポイントです。
自分に合った重量を知る
筋力トレーニングには目的に応じた適切な運動負荷の設定が、得られる効果を大きく左右します。腕を太く鍛えるための「筋肥大」が目的の場合は、全力を100%としたときに70〜80%の力で扱えるダンベル重量が1つの目安です。「肩や肘を痛めてしまった」「続けているのに効果が出ない」などのお悩みがある方は、重量負荷の設定を見直してみてはいかがでしょうか。
脇をしめて、上半身の反動を利用しない
ダンベルを引き上げる際に上半身をのけぞったり、脇が開いてしまう方を多く見かけます。その原因は、ダンベルが重すぎることがほとんどです。間違った姿勢や方法はトレーニングの効果を弱めるだけでなく、けがにつながる危険性があります。
トレーニングは段階的に負荷を上げていくことで、高負荷の運動が行えるようになります。まずは適切な重量と回数を把握し、反動を利用すること無く正しいフォームで反復トレーニングすることを習慣づけましょう。
休養もトレーニングの1つ
筋力トレーニングの効果を最大限発揮させるためには、鍛えるだけでなく休養も大切な要素です。筋肉は、トレーニングによって傷ついた筋線維が修復されることで大きくなります。これを超回復と呼びます。超回復に必要な要素が休息であり、栄養です。バランスのとれた食事や十分な睡眠など日々の生活習慣を整えて体を休めることも、トレーニングの一環として考えると良いでしょう。
まとめ
アームカールは、しっかり筋肉のあるたくましい腕をつくりたい方、引き締まった二の腕にしたい方におすすめです。シンプルでありながら、簡単で効果的に腕まわりを鍛えることができるトレーニングです。正しい知識とフォーム、適切な重量を意識することで、短期間で力強く引き締まった腕を手に入れることができますよ。ぜひ、今回紹介したポイントを参考にして、理想の腕を目指しましょう。

山﨑志緒
医療福祉に特化した総合大学を卒業後、理学療法士免許を取得。スポーツ整形外科での外来リハビリやスポーツチームでトレーナーとして指導やケアにあたる。その後、高齢者の介護予防事業や回復期リハビリテーションの経験を経て、現在は在宅リハビリテーションに従事。現場歴11年。睡眠改善など海洋リハビリテーションなど幅広い分野に携わりながら、ライターとしても活動している。
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