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シーテッドローのやり方は?どこに効くの?効果やポイントを解説!

公開日:2024.12.25

シーテッドローのやり方は?どこに効くの?効果やポイントを解説!

文:加藤 尚也(理学療法士)

シーテッドローは背中全体を効率よく鍛えられるマシントレーニングです。
しかし、実践している人のなかには「どこに効いているのか分からない…」「思ったほどの効果が出ない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。シーテッドローは正しいフォームでなければ、適切な負荷がかからず期待した効果が得られません。

そこで、今回はシーテッドローについて期待できる効果から鍛えられる筋肉や効果的なやり方まで分かりやすく解説します。

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シーテッドローはどこに効く?

シーテッドロー(シーテッドローイング)とは、マシンに座っている状態で前方にあるグリップを引き、肩甲骨を寄せるように動かすことで背筋を鍛えるトレーニングです。

シーテッドローで主に鍛えられる筋肉は以下の3つです。

僧帽筋(そうぼうきん)

シーテッドローのやり方は?どこに効くの?効果やポイントを解説!

僧帽筋(そうぼうきん)とは、背中の表面にある大きな筋肉で上部・中部・下部の3つの繊維にわかれています。

シーテッドローでは主に僧帽筋の中部・下部繊維を鍛えることができます。僧帽筋は最も外側にあり厚みもある筋肉です。シーテッドローで鍛えることで立体的な背中を目指せます。

菱形筋(りょうけいきん)

シーテッドローのやり方は?どこに効くの?効果やポイントを解説!

菱形筋(りょうけいきん)は肩甲骨の内側から背骨についている筋肉で、その名の通り菱形に広がっています。

僧帽筋の中部繊維を補助する役割があり、胸を開く動きをサポートします。シーテッドローでは、肩甲骨を引き寄せる際に鍛えられます。

広背筋(こうはいきん)

シーテッドローのやり方は?どこに効くの?効果やポイントを解説!

広背筋(こうはいきん)は背中の外側に広がる筋肉です。

腕を引く動作をする際によく使う筋肉で、シーテッドローでは僧帽筋の補助として働くため、両方の筋肉を同時に鍛えられます。

僧帽筋とは違い、横に広がる形状をしているため、鍛えることで背中を広く見せる効果があります。

広背筋を集中的に鍛えたい場合は、シーテッドローだけでなくラットプルダウンや懸垂などを行うと効果的です。

シーテッドローの効果3選

シーテッドローを正しいフォームで行うとさまざまな効果を得られます。
主な効果は以下の3つです。

1.姿勢の改善
2.肩こりの緩和
3.基礎代謝の向上とダイエット効果

1.姿勢の改善

シーテッドローでは肩甲骨を内側に引き寄せる僧帽筋や菱形筋を重点的に鍛えます。これらの筋肉を鍛えることで、背筋が伸びた正しい姿勢が目指せます。

猫背の方は、猫背の改善も期待できるでしょう。また、背筋が伸びることですらっとした印象を与え、全体的なスタイルアップ効果も期待できます。女性では背筋が伸びることでバストアップ効果を得ることもできます。

2.肩こりの緩和

デスクワークをしている方やスマートフォンをよく使う方は肩こりに悩んでいる方も少なくありません。シーテッドローで僧帽筋・菱形筋をしっかり鍛えることで姿勢が改善し、肩こり緩和の効果が得られます。

デスクワークなどにより前かがみの姿勢が続くと僧帽筋が緊張しやすくなり、肩こりの原因になります。そのため、シーテッドローで僧帽筋に適切な刺激を入れることで筋肉の緊張をほどよくほぐし、肩こりの緩和を促します。

3.基礎代謝の向上とダイエット効果

基礎代謝は体全体の筋肉の量によって決まり、筋肉が多ければ多いほど代謝量が上がります。シーテッドローでは背中にある比較的大きな筋肉を鍛えられるため、トレーニングを続けることにより筋肉量を効率的に増やし、基礎代謝アップに繋がります。

基礎代謝が増加すると消費するエネルギー量も増えるため、ダイエット効果も期待できます。

シーテッドローのやり方

シーテッドローのやり方は?どこに効くの?効果やポイントを解説!

シーテッドローを間違った方法で行うと、適切な効果が得られないだけでなく、けがの原因にもなってしまいます。ここでは正しいシーテッドローのやり方を解説します。

1.骨盤をしっかりと立て胸を張って座る

まずは骨盤をしっかりと立て、胸を張った状態でベンチに座ります。

このとき、太腿がシートについていることを確認しましょう。効率良く背中を鍛えるためには、胸を張った状態でトレーニングを行うことがポイントです。

座っている間は常に背筋を伸ばし、骨盤を立てておくように意識しましょう。

2.プレートに足を乗せる

次に、プレートに足を乗せます。足が正しくプレートに乗っていないとしっかり踏ん張ることができず、適切な部位のトレーニングが行えません。

トレーニング中は足の裏全体で踏ん張り、体を安定させることに集中しましょう。

3.バーを握って後方へ引く

前方にあるバーを握り、背中の肩甲骨を寄せるイメージでまっすぐ後方へ引きます。このとき、胸を張った状態で脇をしめたままバーを引くようにすると、僧帽筋の中部繊維と菱形筋を効果的に鍛えられます。脇が開いてしまうと、トレーニングの効果が十分に得られないため注意しましょう。

4.バーを前方へ戻す

バーを後方へ引いた後は、胸を張ったままバーを前方へ戻します。バーを前方へ戻す際も適切な姿勢を維持することを心がけましょう。

また、バーを握ったまま急激に前方に戻してしまうと、背中に強い負荷がかかり、背部痛やけがの原因となる可能性があるため、ゆっくり戻すように注意が必要です。

これらの動作を決めた回数繰り返します。シーテッドローを行う際の適切な重量・回数はこの後解説しますので参考にしてください。

シーテッドローの重量・回数

筋トレを行う際、適切な重量や回数を設定することは非常に重要です。それぞれのトレーニングの目的に合わせて負荷量を設定しましょう。

ここでは、

①最大筋力を上げたい場合
②筋持久力を上げたい場合
③筋肥大を目指す場合

の3つの場合にわけて、シーテッドローの目安重量や回数を解説します。

①最大筋力を上げたい場合

最大筋力を上げる、つまり背筋の筋力を上げて瞬間的に発揮できるパワーを高めるのが目的の場合は、最大筋力の85%以上の負荷で3〜6回程度に設定するのがおすすめです。

この設定でトレーニングを行うことで、筋肉の中にある神経繊維の数を増やし、筋力をアップすることができます。野球や短距離走などの瞬間的に筋力を使う方にとくに効果的です。

ただし、負荷量が高い設定のため、けがをしないようにストレッチなどのウォーミングアップを必ず行いましょう。

②筋持久力を上げたい場合

筋持久力とはその名の通り、筋肉の力を発揮し続ける力のことです。筋持久力を上げることが目的の場合は、最大筋力の65%以下の重量で20回以上行うことが有効です。

サッカーやバスケットボールなど、長時間にわたって筋肉を使い続けるスポーツをする方におすすめの負荷量です。

③筋肥大を目指す場合

筋肥大とは、筋肉の体積を増やし大きくすることです。筋肉を大きくしたい場合は最大筋力の80%程度の負荷で8〜12回程度トレーニングを行うことがおすすめです。

しかし、近年では負荷量×回数×セット数で求められる総負荷値が大きくなればより筋肥大しやすいと報告している論文も増えています。

ただ、軽い負荷で回数をたくさんこなすのは時間もかかるため、基本は上述の負荷量ではじめてみると良いでしょう。

この負荷量はボディビルなどのフィギュアスポーツの大会参加を考えている方や体を大きくしたい方におすすめです。

シーテッドローを行う際の注意点

最後にシーテッドローを行う際の注意点を3点紹介します。

骨盤を立てた姿勢を保つ

シーテッドローを効果的に行うためには、胸を張り、骨盤をしっかりと立てることが大切です。

背中が丸まった状態でトレーニングを行うと僧帽筋や広背筋を適切に鍛えられないだけでなく、腰を痛める原因にもなります。

もし、体が固く正しい姿勢を保つことが難しい場合は、事前に十分なストレッチを行いましょう。

肘を中心に動かさない

グリップを後方へ引く際に、必要以上に肘の曲げ伸ばしを行ってしまうと、僧帽筋や広背筋を効果的に活用できません。

そのため、肘を必要以上に曲げないように注意し、胸を張って上腕を引くようなイメージでトレーニングしましょう。

ウォーミングアップを行う

シーテッドローに限らず、筋トレを始める前は必ずウォーミングアップを行いましょう。ウォーミングアップで事前に体温を上げて血流を増加させておくことでけがを防止し、トレーニングの効果をより高めることができます。

ウォーミングアップでは、ストレッチやトレーニングの一部を軽い負荷で数回のみ行うことなどが有効です。

まとめ

今回はシーテッドローの効果やポイントについて紹介しました。シーテッドローは、背中にある大きな筋肉を鍛えられるため、正しい姿勢を保てるようになったり腰痛を改善したり、さらにスタイルアップができたりとさまざまな効果が期待できます。しかし、正しい方法や適切な負荷量で行わないと、僧帽筋や広背筋などの鍛えたい筋肉を鍛えることができないだけでなく、けがの原因になってしまうこともあります。そうならないためにも、正しい方法・目的に合った適切な負荷量で行うようにしましょう。

これからシーテッドローを行う方も、いままで行っていた方もぜひ本記事を参考にしてみてください。正しい方法を身に付けて理想の背中を目指しましょう。

<参考文献>
「筋機能改善の理学療法とそのメカニズム」 望月久/ナップ

加藤 尚也

加藤 尚也

理学療法士として総合病院と整形外科クリニックに勤務し、スポーツ整形を担当している。普段の診療業務からどのように指導を行えば患者様が適切な筋力トレーニングを行えるかを意識して指導をしている。また、けがの再発予防も重要視し、運動時のフォームチェックなども行っている。毎年、学会発表や市民公開講座など病院以外の場での活動も精力的に実施。ライターとしては医療・健康分野での執筆活動を中心に行っている。理学療法士歴は10年以上。

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