寝ながらできる股関節ストレッチ3選!忙しくても毎日できる予防方法とは?
公開日:2025.02.14

文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)
「運動不足で股関節が硬い」「でも忙しくて運動する時間が取れない」と悩んでいませんか。股関節は脚の付け根の関節で、歩いたり立ち座りなどの動作に大きく関わる関節です。様々な筋肉に覆われているため、運動不足で硬くなりやすい関節でもあります。ストレッチをした方が良いとわかっていても忙しくてなかなかできていないという方のために、寝る前などに寝ながらできる股関節ストレッチを紹介します。あなたのお悩みを解消するためにお役立ていただけますと幸いです。
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【意外と知らない】まずは股関節の場所を確認!
股関節は、私たちの体の中でも重要な部位で、よくご存知な方も多いでしょう。しかし意外にも股関節の認識が少しズレている方がいらっしゃるのも事実です。そのためストレッチやエクササイズの感覚がわかりにくく勿体無いと感じることもあります。
結論から言うと、股関節とは骨盤の臼蓋と呼ばれるお皿と、大腿骨(太ももの骨)から構成される関節です。よく太ももの横のでっぱりを股関節だと思っている方がいらっしゃいますが、それは「大転子(だいてんし)」と呼ばれる太ももの骨のでっぱりを指します。
実際の股関節の場所は、鼠径部(パンツラインの上)の大体真ん中あたりなのです。そこを軸にして、曲げ伸ばしをしたり、ねじったり開いたりと動くのです。
股関節の硬くなりやすい筋肉を解説
股関節の位置がわかったところで、次に股関節の中でも硬くなりやすい筋肉があるので紹介します。ポイントを抑えることで効率よく整えていきましょう。
【股関節の前面】大腿四頭筋
大腿四頭筋は、股関節の前面の筋肉で「大腿直筋(だいたいちょっきん)」「内側広筋(ないそくこうきん)」「外側広筋(がいそくこうきん)」「中間広筋(ちゅうかんこうきん)」と言う四つの筋肉で構成されています。
膝を伸ばしたり股関節を曲げる働きがあります。そのため、膝を曲げる動きや股関節を反らす動きでストレッチされるのです。
しかし座りっぱなしの姿勢が多かったり、歩く頻度が少ないと、伸び縮みする頻度が減ってしまうため、短縮してしまうことが多いのです。

【股関節の後ろ側】ハムストリングス
ハムストリングスは、股関節の後ろ側にある筋肉です。「大腿二頭筋(だいたいにとうきん)」「半腱様筋(はんけんようきん)」「半膜様筋(はんまくようきん)」の三つの筋肉で構成されています。
股関節の伸展や膝関節の屈曲に働くため、股関節屈曲、膝関節伸展させた際にストレッチされます。
座りっぱなしの姿勢では、常に膝が曲がっている状態でいることが多いため、短縮しやすいのです。

【股関節の外側】大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋は、股関節の外側にある筋肉です。骨盤から始まり腸脛靭帯に付着します。
大腿筋膜張筋は、いくつかの筋肉と連携して股関節や膝関節の運動や安定化を補助する働きを持ち、立っている時や歩いている時の骨盤の安定性に大きく関わるのです。
具体的には、大臀筋、中臀筋、小臀筋と連携します。そして股関節を屈曲、外転、内旋させたり、膝の屈曲などにも関与します。
よって大臀筋や中臀筋、小臀筋が機能していない時に、この大腿筋膜張筋が過剰に収縮することで硬くなっているケースがあるのです。他にも腸腰筋などの股関節周囲筋や体幹筋の弱化が影響するケースもあります。

【寝ながらできる】簡単!股関節ストレッチ3選
硬くなりやすい筋肉の場所や働きがわかったところで、次に実際のストレッチ方法を紹介します。写真を見ながら取り組んでみてください。
【横向き】大腿四頭筋ストレッチ
⒈横向きに寝ましょう。
⒉右足首を右手で持ち、後ろに引きます。

⒊前腿の伸びを感じながら行いましょう。腰を反らないように注意しながら行います。
【仰向け】ハムストリングスストレッチ
⒈仰向けに寝ましょう。手で足の裏を持ちます。難しい場合は膝の裏を持ちましょう。

⒉そこからできる範囲で膝を伸ばしていきましょう。

⒊腿裏が伸びるのを感じましょう。腰が痛い方は無理をしないようにしましょう。
【仰向け】大腿筋膜張筋ストレッチ
⒈仰向けに寝て両膝を曲げましょう。右足を左の太ももの上に乗せます。

⒉右へ足を倒しましょう。

⒊太ももの横の伸びを感じながら行いましょう。
股関節ガチガチを予防する方法を紹介
股関節が硬くなっている方にオススメのストレッチを紹介しましたが、硬くなる前に予防することができればもっと良いですよね。そこで股関節がガチガチになる前にできる予防法を紹介します。
長時間の同一姿勢を避ける
長時間に渡り座り続けていると、股関節が常に曲がった状態です。そうすると股関節周りの筋肉が伸び縮みせず血流が悪くなり、柔軟性が低下します。さらに関節周辺の靭帯や組織も硬くなるため、関節自体の可動性も低下してしまいます。
よってデスクワークの方はこまめに立ち上がることをオススメします。つい時間を忘れて集中してしまうという方は時計を見やすい位置に置いたり、タイマーを使うことも良いでしょう。
足を大きく前に出して歩く
歩き方を工夫することは、通勤時間などやちょっとした移動の中でもできるので難易度が低いですね。
なるべく大きく足を前に出して、股関節の付け根が伸びながら使われるように歩いてみましょう。そうすると歩いているだけで、腸腰筋がストレッチされるのです。
また中央からなるべく体がブレないように前にしっかりと進むよう意識して歩くことで、内腿の筋肉も使いやすくなります。
さらに手を大きく振りながら歩くと、お腹の筋肉も使うことができるので、お腹痩せにも効果的です。
使えていない筋肉を鍛える
先ほど硬くなりやすい筋肉を紹介しましたが、そもそもなぜ硬くなるのかという点を解決しないことには一生ストレッチをし続ける必要があります。
その原因となる一つに、本来であれば使うべき筋肉が使われていない結果、その筋肉が過剰に使われていることで硬くなっているケースも多く存在します。
弱くなっている筋肉を鍛えることも重要ということを少し頭に入れておいていただけると幸いです。
まとめ
今回は、仕事が忙しく股関節がガチガチになっている方が、寝る前などにも簡単に行える股関節ストレッチを紹介しました。
股関節周囲の筋肉のストレッチをすることで、血流が促進されたり動きやすくなるなどの効果は感じられると思います。
まずは簡単なものから初めていただき、できればその硬くなっている原因を解決するような運動や生活習慣を送っていただけるとさらに健康な体へと繋がっていくでしょう。
当記事があなたの健康な身体を維持するためにお役に立てれば幸いです。

服部 恵実
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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