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【知らなきゃ損する】筋トレ後のストレッチは必要?効果と具体的な対策を解説!

公開日:2025.02.11

【知らなきゃ損する】筋トレ後のストレッチは必要?効果と具体的な対策を解説!

文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)

あなたは、筋トレを行なった後にストレッチを行なっていますか?結論からお伝えすると、筋トレ後はストレッチをすることを推奨します。

もし「筋トレ前後はストレッチをしていない」「筋トレ前のウォーミングアップにはやっているけど、終わった後は何もしていない」という方は勿体ないことをしているかもしれません。

当記事では、筋トレをしている方が終わった後にするとオススメな理由と具体的なストレッチ方法を紹介します。普段のトレーニングにお役立ていただけますと幸いです。

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筋トレ後のストレッチが必要な理由

筋トレは、筋肉を強化するために重要なトレーニングですが、その後のストレッチも同じくらい重要です。良いと思って筋トレをやっていても、かえって姿勢などを悪化させてしまうケースもあります。

ストレッチには、筋肉の回復を促進したり、柔軟性を保ち、怪我のリスクを軽減させる働きがあるのです。以下にそれぞれの理由を詳しく解説します。

筋肉の回復を促進する

筋トレをすると、筋肉は微細な損傷を受けます。そのタイミングでストレッチを行うことで、血流が促進され、酸素が筋肉に供給されやすくなるのです。その結果、筋肉の修復が早まり疲労の軽減にも繋がります。

筋肉の柔軟性を保つ

筋肉が正常に機能するためには、それぞれの筋肉の適正が保てることや、その適正な長さから、伸びたり縮むなどのコントロールができることが重要です。

しかし柔軟性が不足すると、筋肉が短縮し、骨のアライメント(位置・ポジション)が適正位置から逸脱してしまったり、可動域が低下する可能性があります。その結果、姿勢が悪くなったり、動作時に関節に負担が掛かることで痛みなどに繋がるケースもあるのです。

よって筋肉をつけることと柔軟性を維持することのバランスがとても重要なのです。

怪我のリスクを軽減する

ストレッチは、筋肉や関節の柔軟性を向上させるだけでなく、怪我のリスクを軽減させる効果もあります。筋肉が緊張している状態では、急な動きに対して柔軟に対応することができず、損傷するリスクがあります。

しかしストレッチをすることで、筋肉や腱が柔軟になるため、急な動きに対しても対応できるようになり、怪我の予防に繋がる

筋トレ後に推奨するストレッチ方法と注意点

筋トレ後にストレッチを行なった方が良い理由を紹介しましたが、行う際にはいくつかのポイントがあります。以下のポイントに注意をして行いましょう。

じっくり伸ばす

ストレッチには、静的ストレッチと動的ストレッチという2種類の方法があります。筋トレ後のストレッチは、筋肉を一定の位置で止めて伸ばす静的ストレッチという方法を取り入れましょう。30秒から60秒程度、2〜3セットを目安に行うことを推奨します。1)2)

呼吸を止めない

深い呼吸を止めずに行うことで、自律神経のうちリラックスしている時に働く副交感神経が優位になります。その結果、筋肉の緊張も緩みやすくなるのです。よってストレッチをしている際には、呼吸を止めずにリラックスしながら行うと、筋肉を無理なく伸張することができるでしょう。

痛すぎない範囲で行う

硬くなっている筋肉をストレッチしようとすると痛いと感じるところまで行う方がいらっしゃいますが、これはかえって逆効果です。なぜなら筋肉は痛いと感じるとより収縮が強まるという「防御性収縮」というシステムを持っているからです。

防御性収縮は、筋肉が急激に伸ばされたり過度の負荷が掛かった時に、筋肉が損傷することを防ぐためのメカニズムです。

痛みを感じるほど過度に筋肉が伸ばされると、筋肉の中にある「筋紡錘(きんぼうすい)」と呼ばれる筋肉の伸びを感知するセンサーが刺激され、反射的に筋肉が収縮するのです。

よってストレッチは痛いと感じるところまで行わず、その手前で止めることを推奨します。

【丸っとそのまま】筋トレ後にオススメなストレッチ5パターン紹介!

「筋トレ後にストレッチをした方が良いことはわかったけど、実際どんなストレッチをしたら良いの?」と思われる方も多いでしょう。それでは実際に筋トレ後にオススメなストレッチを5つ紹介します。写真付きで解説しますので、ぜひそのまま取り入れてみてください。腰や股関節などを痛めている方はぜひ専門家に一度見てもらうことを推奨します。

広背筋ストレッチ

筋トレで鍛える方も多い広背筋(背中の筋肉)のストレッチを紹介します。広背筋は硬くなると、巻き肩や肋骨がぱかっと開くリブフレアを助長してしまいますので、ぜひしっかりとストレッチも行なってくださいね。

⒈四つ這いの姿勢になり、肘を床につけましょう。

【知らなきゃ損する】筋トレ後のストレッチは必要?効果と具体的な対策を解説!

⒊右手を伸ばし、左手の前に置きます。

【知らなきゃ損する】筋トレ後のストレッチは必要?効果と具体的な対策を解説!

⒋右手は左斜め前に伸ばしたまま、右のお尻を右踵に近づけるように下げていきます。

⒌右の脇から背中にかけて伸びている感覚を持ちながら行いましょう。

大臀筋ストレッチ

普段から座っている時間が長い方は、お尻が硬くなりやすい傾向にあります。またお尻を筋トレする方も多いと思いますので、ぜひ終了後のストレッチにも取り入れていきましょう。

⒈四つ這いの姿勢になります。

⒉右足を一歩前に出し、膝を外側へ倒します。

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⒊ゆっくりと体を前に倒します。手で支えても良いですし、出来る方は肘をつくことでよりストレッチ感が強まります。

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⒋お尻の伸びを感じながら行いましょう。

ハムストリングス&腸腰筋ストレッチ

次に普段の生活で硬くなりやすいハムストリングス(腿裏の筋肉)と腸腰筋(股関節の付け根の筋肉)のストレッチをフロー(流れ)の中で行なっていくストレッチを紹介します。

さらに筋トレで力の入りやすい広背筋や脊柱起立筋も含めた背面の筋肉も一緒に伸ばすことができるストレッチなので、一つで沢山の効果を得ることができます。

⒈四つ這いの姿勢になります。

⒉右足を右手の外側に出しましょう。

【知らなきゃ損する】筋トレ後のストレッチは必要?効果と具体的な対策を解説!

⒊上体を起こし、両手を天井に向けて伸ばします。下腹部から股関節の前面が伸びている感覚を持ちながら行いましょう。

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⒋できる方は右手を天井に向かって伸ばし、体をねじります。

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⒌次に両手を床に戻します。

⒍右膝を伸ばしながらお尻を後ろに引いていきます。背中から腿裏まで伸びている感覚を持ちながら行います。

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⒎3〜6を繰り返し実施しましょう。

大腿四頭筋ストレッチ

レッグプレスなどで鍛えることの多い大腿四頭筋。筋トレ後にはかなりパンパンになっている方も多いのではないでしょうか。硬くなり短縮すると姿勢にも影響を与える筋肉ですので、こちらもしっかりとストレッチをしていきましょう。

⒈横向きに寝ましょう。

⒉右足首を右手で持ち、後ろに引きます。

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⒊前腿の伸びを感じながら行いましょう。腰を反らないように注意しながら行います。

大胸筋ストレッチ

最後に上半身のストレッチを紹介します。大胸筋も鍛える方が多い筋肉です。ただし、この大胸筋も短縮してしまうと猫背や巻き方を助長してしまいます。そのため筋トレ後のストレッチは欠かせません。

⒈座って手を後ろで組みましょう。

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⒉背筋を伸ばし、手を後ろへ引きます。

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⒊呼吸を胸の前面に届け、伸びを感じながら行いましょう。

まとめ

今回は、筋トレ後にできるストレッチ方法を紹介しました。筋トレ後のストレッチは、疲労の回復や筋肉の柔軟性を保つため、そして怪我の予防にも重要です。

普段から筋トレを行なっていることは、健康のためにもとても素晴らしいことだと思いますので、ぜひ合わせてストレッチも取り組んでいただけると良いでしょう。

何をやったら良いかわからないという方も多いと思います。そんな方はぜひ当記事で紹介した5つのストレッチをそのまま丸っと取り入れてみてください。筋トレで使った筋肉や、現代の方が硬くなりやすい筋肉をストレッチできますよ。当記事があなたの健康な身体を維持するためにお役に立てれば幸いです。

参考文献
1)Behm, D. G., & Chaouachi, A. (2011). A review of the acute effects of static and dynamic stretching on performance. Journal of Strength and Conditioning Research.

2)American College of Sports Medicine. (2018). ACSM’s Guidelines for Exercise Testing and Prescription.

服部恵実

服部 恵実

大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_

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