【脚やせストレッチ】理想の脚を手に入れる方法を解剖学的に解説!
公開日:2025.02.15
文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)
あなたは「長年、脚が太くてなかなか痩せない」「この体型は遺伝だからしょうがない」と悩んでいませんか。
脚の太さは日常生活が影響し、脂肪や筋肉のバランス不良や、浮腫みなどが原因となっている可能性があります。そのためストレッチやエクササイズで改善するケースも多いのです。
当記事では、自分でできる脚やせのためのストレッチとエクササイズを解剖学的に詳しく紹介します。あなたのお悩みを解消するためにお役立ていただけますと幸いです。
脚が太くなる原因は?
脚が太くなる原因について考えたことはあるでしょうか。意外と知られていない原因もあり、それを知ることでアプローチ方法が見えてくることもあります。
以下に脚が太くなる原因を解説しますので、ぜひ読み進めてみてください。
脂肪や筋肉のバランス不良
脂肪が増えることで脚が太くなることは容易に想像がつきますよね。では筋肉をつければ脚は細くなるのかと言われると、一概にそうとは限りません。
鍛えることで筋肉が肥大し、太くなってしまうこともあるのです。
極端ですが、ボディービルダーの方やスポーツをされている方などは、筋肉が盛り上がって太くなっていると思います。
よって脚を細くするためには、脂肪と筋肉それぞれのバランスが重要なのです。
浮腫み
長時間の立ち仕事や座りっぱなしの生活などが原因となり脚が浮腫むことがあると思います。血流循環が悪化し水分が溜まることで、脚が浮腫むと太く見えることもあるでしょう。
浮腫みが原因となっている場合には比較的、早く脚痩せできるケースが多いです。
ただし突然の重度な浮腫みや片脚だけ浮腫みがひどい場合などには、ストレッチやマッサージをすると危険なケースもあるので、その場合はすぐに病院を受診してください。
脚のラインの乱れ
筋肉のバランスが崩れると脚のラインが乱れ、見た目に大きな影響を及ぼします。
脚のラインが乱れると、さらに筋肉を適切に使うことが難しくなるので年々悪化させてしまうケースが多いのも事実です。
血管の走行にも影響を及ぼすこともあるため、浮腫みやすくなることもあるでしょう。わかりやすい例でいうと、O脚やX脚などが挙げられます。
脚痩せのために知っておきたい筋肉5選
脚が太くなる原因に筋肉のバランスが関わることがわかりましたね。その中でも特に知っておきたい筋肉を5つ厳選して解説します。
以下の筋肉を意識してストレッチやエクササイズを行うことで筋肉のバランスを整えて、脚痩せに繋がっていきますので、ぜひ確認してみてくださいね。
【前腿の筋肉】大腿四頭筋
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももの前の筋肉です。この筋肉が過剰に働きパンパンになることで、脚が太く見えているケースを散見します。
この筋肉は膝を伸ばす筋肉で、階段を登ったり立ち上がったりするなど日常生活では重要な働きを持ちます。そして膝関節の安定性にも関わる筋肉ですので、私たちにとって必要な筋肉です。
しかし反り腰になっていたり、腸腰筋と呼ばれる股関節の付け根の筋肉が使えてないと、必要以上に大腿四頭筋が働きやすく、過負荷になっているケースも多いのです。
横から見た時に前腿の幅の方が大きい方は、大腿四頭筋が過剰に働いている可能性が高いでしょう。
【腿裏の筋肉】ハムストリングス
ハムストリングスは腿裏にあり、先ほど紹介した大腿四頭筋と拮抗する筋肉です。
歩行中や走行中に使われる筋肉ですが、座っている時間が長くなると短縮し弱くなるケースが多いため、現代人のほとんどがうまく機能していないと感じます。
腿の前と後ろが大体、半分ずつの割合ですと、綺麗な理想的な脚だとも言われています。実際には、腿裏のハムストリングスが萎縮し、腿前の大腿四頭筋が過剰に肥大し、脚が太く見えてしまう方が多い印象です。
そのため腿裏のハムストリングスを使っていくことは、美脚に近づく第一歩だと言えるでしょう。
【股関節前面の筋肉】腸腰筋
腸腰筋(ちょうようきん)は、股関節の前面を覆う筋肉です。さらに詳しく解説すると、腸骨筋と大腰筋、小腰筋を合わせて腸腰筋と言います。
腸腰筋は、股関節を曲げる(屈曲させる)働きがあります。また伸び縮みをすることで、歩行時に大きく関わっている筋肉なのです。
この腸腰筋と同じように股関節を曲げる働きを持つのが大腿四頭筋のうちの「大腿直筋(だいたいちょっきん)」と呼ばれる筋肉です。
本来、腸腰筋が働いていればこの大腿直筋の活動は必要以上に行われません。しかし腸腰筋が機能していないと、代わりに大腿直筋の活動が増えるため、過活動となり肥大しているケースが見られるのです。
そのため腸腰筋が適切に活動することは、脚痩せにも重要だと言えます。
【内腿の筋肉】内転筋群
内転筋群は、内腿の筋肉の総称です。具体的には、「大内転筋(だいないてんきん)」「長内転筋(ちょうないてんきん)」「短内転筋(たんないてんきん)」「恥骨筋(ちこつきん)」「薄筋(はっきん)」の5つの筋肉があります。
特に「大内転筋」「長内転筋」は面積も大きく、発揮する力も大きいため影響が大きな筋肉です。内転筋が使えていないことでO脚に繋がっているケースも多いので、脚のラインにも影響を及ぼす筋肉です。
【お尻の筋肉】股関節外旋筋群
股関節外旋筋群は、お尻の奥に位置する筋肉です。具体的には、「梨状筋(りじょうきん)」「上双子筋(じょうそうしきん)」「下双子筋(かそうしきん)」「内閉鎖筋(ないへいさきん)」「大腿方形筋(だいたいほうけいきん)」「外閉鎖筋(がいへいさきん)」の6つを合わせて外旋六筋と言います。
これらの外旋筋群が弱くなることで股関節が内旋している(内側にねじれている)ことがあります。そうすることで、膝上の骨(大腿骨)と膝下の骨(脛骨)にねじれが生じて、脚のラインの乱れに繋がっていることがあります。
【毎日のルーティンに】脚やせストレッチ&エクササイズ5選
脚痩せに重要な筋肉がわかったところで、実際にどのようなストレッチやエクササイズを行うと良いのか説明していきます。
クラムシェル
このエクササイズは、股関節外旋筋を使う運動です。この筋バランスが乱れているとO脚やXO脚などに繋がります。よってまずは股関節から整えていきましょう。
⒈横向きに寝て、股関節・膝関節を90度に保ちます。踵同士をくっつけます。
⒉骨盤は真っ直ぐ保ったまま、股関節から開きます。踵はつけたまま維持しましょう。
⒊お尻の奥の方を使っている感覚を持ちながら行います。
内転筋エクササイズ
次に内転筋のエクササイズを行います。内腿を引き締めると同時に、股関節のポジションを適切に保つために重要です。
⒈横向きに寝て、上側の脚の股関節・膝関節を90度に保ちます。下側の脚は伸ばしましょう。
⒉下の脚を上に持ち上げます。この時、骨盤が動かないように注意しましょう。
⒊下の脚の内腿を使っている感覚を持ちながら行います。
フロッグ
このエクササイズは、内腿の筋肉(内転筋群)、お尻の筋肉(外旋筋群)、股関節の付け根の筋肉(腸腰筋)を同時に整える運動です。この筋バランスが乱れているとO脚やXO脚などになりやすいです。よってこれらを同時に整えていきましょう。
⒈仰向けで寝て、股関節・膝関節を90度に保ちます。踵同士をつけて、つま先の間は拳1個分です。膝はつま先と同じ方向に向けましょう。
⒉膝を伸ばし、内腿同士をつけるように意識します。膝は内側に入らないように注意です。
⒊腰が反らないように、繰り返し実施しましょう。
ショルダーブリッジ
次に腿裏のハムストリングスを使うエクササイズです。ハムストリングスを使いながら、大腿四頭筋の伸張性を感じていきましょう。特に内側のハムストリングスを使うことで、脚のラインも整いやすくなります。
⒈仰向けで寝て、膝は立てましょう。踵、膝の間は拳一個分、つま先は内側に向けましょう。
⒉おへそを自分の顔の方に向けながら、ゆっくりとお尻を持ち上げます。腰が反らないように注意しながら行いましょう。
⒊腿裏(特に内側)を使っている感覚を持ちながら行います。膝が内側に入っていないか気をつけながら行いましょう。
ランジ
最後に少し上級者向けですが重要なエクササイズを紹介します。臀部やハムストリングスをストレッチしながら使うエクササイズです。できそうな方はぜひ取り組んでみてください。
⒈片足を前に出してつま先を正面に向けていきましょう。
⒉頭からお尻まで一直線を意識し、体を前に傾けます。前に出した足の踵に全体重を預けます。
⒊この時、膝が内側に入らないように意識しましょう。
⒋体をゆっくりと起こします。股関節から動かす意識で繰り返します。
⒌さらに行える方は体を前に傾けたまま、膝の曲げ伸ばしを行いましょう。
正確にはつま先の向きは、個々の大腿骨の角度によって異なります。可能であればお近くの専門家に見てもらうことを推奨します。
まとめ
今回は、脚痩せの方にオススメなストレッチとエクササイズ方法を紹介しました。
脚が太くなる原因は、脂肪がつくことだけでなく筋肉のバランスや骨格の配列、血流なども影響することがわかりましたね。
どの筋肉を意識すれば良いのかということを知ることで、より効果を高めることができますので、頭の中に入れながら取り組んでみてください。
長年のお悩みで解決しないと思っていた下半身太りも、筋肉の使い方で変化が見られるケースもたくさんあります。
ぜひ諦めずに取り組んでいただけたら嬉しいです。当記事があなたの脚痩せのためにお役に立てれば幸いです。

服部 恵実
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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