【運動嫌いでも続けられる】自宅で簡単にできる痩せるストレッチを紹介!
公開日:2025.02.18
文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)
「痩せたいけど辛い運動は長続きしない」「まずは簡単はストレッチから初めて習慣化したい」と思っているけれど、「ストレッチはダイエットに意味があるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ストレッチには、直接的に体重を減少させる訳ではありませんが、取り入れることによって見た目の変化や健康管理に関わる要素を持ちます。
そこで当記事では、ストレッチとダイエットの関連性や辛くないストレッチを紹介します。ぜひあなたの悩みを解決するためにお役立ていただけますと幸いです。
【本当に痩せるの?】ダイエットに繋がるストレッチの効果とメカニズムを解説
「痩せるストレッチ」などの動画や記事などを目にすると、ストレッチで本当に痩せるの?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、ストレッチだけで大幅に体重を減らすということは難しいですが、ストレッチをすることで痩せやすい体を作ることができたり、見た目が細くなる可能性があるということは言えます。
自律神経が整い太りにくくなる
自律神経は、私たちの体を自動的に調整している神経です。交感神経と副交感神経の二種類に分かれます。交感神経は活動的な時に強く働くような神経で、副交感神経はリラックスしている時に強く働く神経です。
特にリラックスして副交感神経が優位に働く時には、血圧が低下したり、心拍数が落ち着きます。その結果、ストレスホルモンの分泌が抑制され、食べ過ぎを防いだり脂肪を燃焼しやすくなると言われているのです。1)2)
血行が促進し痩せやすくなる
ストレッチを行うと筋肉や血管が伸び縮みし、血行が促進されます。その結果、脂肪燃焼や代謝機能が促されたり、酸素供給が増加することで筋肉の回復が早まり、エネルギー消費が効率的になると言われています。3)4)5)
骨の位置が整い見た目が細くなる
筋肉のバランスが崩れ短くなると、骨の位置が適切なポジションから乱れてしまうことがあります。そうすることで、筋肉や脂肪、内臓の位置がズレることがあるため、太く見えてしまうのです。
そのため、ストレッチを行うことで筋肉を適切な長さに戻し、骨の位置を整えることができれば、体重が変わらなくても細く見える可能性は多いにあります。
【簡単!辛くない!】痩せやすい体をつくるストレッチ3選
それでは実際に、痩せやすい体をつくるためのストレッチを紹介します。効果としては、先ほど説明したように、血流を促すことや自律神経を整えること、骨の位置を適切に整えることなどが挙げられます。ぜひ画像を見ながら一緒に行ってみてくださいね。
背伸びストレッチ
それではまずは姿勢改善の効果や内臓の位置を引き上げてお腹痩せにも効果的なストレッチを紹介します。さらに呼吸改善効果や自律神経を整える働きも利用し、痩せやすい体づくりを目指しましょう。
⒈椅子または床に骨盤を立てて座りましょう。
⒉手を上に上げ、背骨を伸ばします。肩がすくまないように注意しましょう。
⒊肋骨と骨盤の距離を引き離すような意識で行います。
⒋呼吸を止めないように気をつけましょう。
ツイストストレッチ
次に背骨を捻るストレッチを紹介します。このストレッチを行うことで、呼吸の調整や血行促進を目指します。さらにお腹周りの筋肉や股関節の付け根の腸腰筋も使うことができるため、血流の促進や骨の位置を整えるのにも効果的です。
⒈床に骨盤を立てて座りましょう。
⒉頭は天井に向かってしっかり伸ばします。
⒊胸の前で手を合わせ、体を捻りましょう。
⒋腰ではなく胸から捻る意識で行います。
股関節ストレッチ
最後に股関節のストレッチを紹介します。このストレッチでは、股関節の前面にある腸腰筋と後面にあるハムストリングスを伸ばします。
股関節や足の筋肉が硬くなると、心臓から出た血液が戻りにくくなるため、浮腫みやすくなります。そのため、しっかりとストレッチを行うことで血流を改善していきましょう。
⒈四つ這いの姿勢になりましょう。
⒉右足を右手の外に出します。
⒊左の膝を床から離し、左の股関節前面を伸ばします。
⒋次に左膝を床に戻し、右膝を伸ばします。お尻を後ろに引くような意識です。
【要確認】効果的に痩せるための知っておきたいポイント
ストレッチはダイエットの前準備として効果的ではありますが、ストレッチだけで痩せるという訳ではありません。そのため、効果的にしっかり痩せたいという方に向けて知っておきたいポイントを紹介します。
基本的にはカロリーが重要
なぜ太るのかは意外と単純で、エネルギーの消費よりも摂取が多ければ太ります。
食事で摂取するエネルギー量が生命維持活動や運動で消費されるエネルギー量より多いと、摂取エネルギーが余り、体脂肪として蓄積されます。逆に、摂取エネルギーが消費エネルギーを下回れば、蓄えていた脂肪がエネルギーに分解されるのです。
そのエネルギーの単位がカロリーとなるため、カロリー計算を行うんですね。ちなみに1日に必要な摂取カロリーは、年齢や性別、活動量により異なります。
そして消費エネルギーは活動量に比例するため、日中ずっと座りっぱなしで動いていないという方は、まずは少し立ち上がって歩き回るなどして純粋に活動量を増やすことを意識すると良いですね。
睡眠不足はダイエットの敵
あまり知られていないかもしれませんが、睡眠不足は太りやすくなります。
なぜなら睡眠不足になると、食欲をコントロールするホルモンのバランスが乱れるからです。具体的には、食欲を促進するグレリンが増加し、満腹感を得られるレプチンが減少すると言われています。その結果、食欲がコントロールしにくくなり、太りやすくなるのです。
さらに、睡眠不足はインスリンの感受性を低下させると言われています。インスリンは、血糖値をコントロールするホルモンですが、その効きが悪くなると血糖値が下がりにくくなり、脂肪を蓄えやすくなるのです。
よってダイエットをしたい場合は、しっかりと睡眠時間や質を確保することをおすすめします。
体重と見た目は比例しない
意外かもしれませんが、痩せたいと思っていても実際、体重は多くないという方もたくさんいらっしゃいます。先ほどからも紹介しているように、筋肉のバランスが乱れ骨の位置が適切でないことが原因で太く見えてしまっている可能性もあります。
そのため姿勢を整えたり、ストレッチやエクササイズをすることで、体重は変わらないけど痩せたように見えるということもあるのです。
女性は痩せすぎると月経不順など不調が出るケースも多いため、過度なダイエットには気をつけましょう。
まとめ
今回は痩せるためのストレッチについて解説しました。ストレッチをすることで自律神経が整ったり、血行促進効果があるため痩せやすくなることがわかりましたね。
また、ストレッチを行い筋肉のバランスが整うと、骨格の位置が適切なポジションになるため、体重が変わらなくても痩せたように見えるということも大きなポイントです。
ストレッチだけで痩せることは難しいですが、ストレッチと有酸素運動や筋トレを併用することで健康的な体重をコントロールしていきましょう。
またダイエットには、ストレッチや運動だけでなく、食事や睡眠が重要ということもわかりましたね。難しいことから始めずに、まずは規則正しい生活をし、ストレスを貯めないということが健康的に痩せる近道ではないでしょうか。当記事があなたのお悩みの解決に繋がれば幸いです
参考文献
1)Kim, T., et al,The Effects of Stretching on Autonomic Nervous System Activity and Body Composition.International Journal of Yoga, 13(3), 215-222,2020
2)Suzuki, M., et al,Stretching as a Method to Modulate Autonomic Function and Improve Metabolic Health.Frontiers in Physiology, 13, 790415,2022
3)M. Matsui, et al,Effect of Stretching on Blood Circulation and Muscle Fatigue in Female Athletes.European Journal of Sport Science, 20(8), 1121-1128,2020
4)Lee, J., et al,The Role of Stretching in Improving Blood Flow and Metabolic Function in Overweight Individuals.Obesity Reviews, 24(3), 512-520,2023

服部 恵実
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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