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握力の平均値は?男性・女性別に平均値や鍛え方を紹介!

公開日:2025.02.14

握力の平均値は?男性・女性別に平均値や鍛え方を紹介!

文:原田ゆうか/理学療法士

自分の握力がどれくらいかご存じですか?体力テストの測定項目となっている握力ですが、実はほかの筋肉との相関も高く、日常動作にも影響が出やすいこともわかっています。

今回は、男女別・年齢ごとの握力の平均値を、スポーツ庁が行った「令和5年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書」のデータをもとに紹介します。

握力の正しい測定方法も解説していますので、自分の握力と比較してみましょう。あわせて、日常生活に取り入れやすい握力の鍛え方についても詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

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握力の平均値

握力とは、物を握るときに発揮される最大筋力のことで、主に前腕部と上腕部の筋肉によって力が発揮されます。全身の筋力との相関が高いことから、スポーツテストだけでなく、医療・介護の現場でも身体能力の指標として使用されています。

ここからは、スポーツ庁が行った「令和5年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書」のデータをもとに、性別・年齢ごとの握力平均値を紹介します。自分の握力と比較してみましょう。

男性の握力平均値

年齢 握力平均値
10歳 16.72kg
18歳 39.31kg
20-24歳 44.11kg
25-29歳 45.60kg
30-34歳 45.67kg
35-39歳 46.28kg
40-44歳 45.78kg
45-49歳 45.30kg
50-54歳 44.31kg
55-59歳 43.41kg
60-64歳 41.94kg
65-69歳 39.36kg
70-74歳 37.50kg
75-79歳 35.07kg

成人男性の平均握力は45kg前後で、20代頃の成長期まで右肩上がりに数値が伸びています。50代以降は徐々に握力が落ちていきます。

女性の握力平均値

年齢 握力平均値
10歳 16.56kg
18歳 25.86kg
20-24歳 26.84kg
25-29歳 27.66kg
30-34歳 27.78kg
35-39歳 28.13kg
40-44歳 28.16kg
45-49歳 27.84kg
50-54歳 27.05kg
55-59歳 26.78kg
60-64歳 26.08kg
65-69歳 25.08kg
70-74歳 23.75kg
75-79歳 22.80kg

成人女性の平均握力は25kg前後で、10代後半から横ばいの状態です。数値が低下しはじめるのは50代後半以降ですが、男性のデータと比較するとややゆるやかに状態を維持していることがわかります。

握力の測定方法

握力の平均値は?男性・女性別に平均値や鍛え方を紹介!

正確に握力を測るためには、握力計の正しい使用方法や使用時の注意点を知っておかなければいけません。ここからは、握力計の使い方や測定時の注意点について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

握力計の種類

握力の測定に一般的に使われるのが、上記画像のような「スメドレー式握力計」です。表示方式は、デジタル式とアナログ式の2種類があります。

デジタル式の握力計は0.1kg単位まで正確に数値の測定ができますが、アナログ式の握力計は0.5kg単位の計測なので細かな測定はできません。しかし、アナログ式はデジタルよりも故障が少なく、使用方法がシンプルで電池の交換が必要ないため、気軽に握力を測定したい人におすすめです。

握力の正しい測定方法

握力の正しい測定方法について説明します。手順は以下の通りです。

1. まっすぐに立って握力計を軽く握る
2. 人差し指の第2関節が約90°になるように握り幅を調節する
3. 両足を肩幅に開く
4. 腕を自然に下ろした状態で、握力計のパネル面を体と垂直にする
5. 握力計が体や衣服に触れないように注意しながら、左右交互に2回ずつ測定する
6. 左右それぞれの良い数値を記録する

握り幅が自分の手に合わないまま測定すると、正確な数値を測定できない場合があります。そのため、握力計を使用する前には必ず、握り幅が自分の手のサイズに合っているのか確認しましょう。

握力測定の注意点

両手の握力を測定する際、筋疲労による影響をなくすために必ず左右交互に行います。あわせて、2回連続で測定することがないように配慮し、1人で計測する場合には1回目と2回目の計測の間に休憩をはさむと良いでしょう。

また、握力計が体に触れていたり、手首や肘が曲がった状態で計測していたりすると、正しい数値が測定できない可能性が高くなります。

2人以上で計測する場合は、お互いに正しい姿勢で計測できているかチェックすることをおすすめします。1人で計測する場合には、鏡を用意し、自分を横向きの状態で映して、肘や手首が曲がっていないか確認してくださいね。

握力の鍛え方を紹介

ここからは、握力を鍛えるための5つのトレーニング方法を紹介します。

1. 水中グーパー
2. 新聞握り
3. ハンドグリップ
4. リストカール
5. 指立て伏せ

特別な道具を使わずに、ちょっとした隙間時間で行えるものもあるので、ぜひ試してみてください。

1.水中グーパー

じゃんけんのグーとパーを交互に繰り返すグーパー運動。それを水中で行うのが「水中グーパー」です。水の抵抗によって負荷量が上がり、効率良く握力を鍛えられます。入浴中などに手軽に取り入れられるので、トレーニングに時間を取れない人おすすめです。

手順は以下の通りです。

1. 水中で肘を伸ばす
2. 肘を伸ばしたまま手を強く握る(グー)
3. 肘を伸ばしたまま指を大きく開く(パー)
4. 30回を1セットとして、2~3セット行う

2.新聞握り

握力の平均値は?男性・女性別に平均値や鍛え方を紹介!

「新聞握り」は1枚の新聞紙を片手で小さく握っていくトレーニングです。オリンピックのハンマー投げで金メダルを獲得した、室伏広治さんが推奨しています。

簡単な動きですが、指1本1本をしっかり動かすトレーニングになるので、新聞紙1枚だけでもかなり腕に疲労感が出るでしょう。もしうまくできない場合は、新聞紙を半分にしても問題ないので、自分の筋力に合った負荷量で行ってください。

手順は以下の通りです。

1. 1枚の新聞紙を机の上に広げる
2. 真んなかに手を置いて、新聞をつかんで肩の高さまで上げる
3. 手を握る力を利用して新聞紙を小さく丸めていく
4. 小さくなったら、ギュッと握った状態で10秒間キープする

3.ハンドグリップ

握力の平均値は?男性・女性別に平均値や鍛え方を紹介!

握るだけで握力を鍛えられる「ハンドグリップ」があれば、どこでも気軽にトレーニングができます。

ただし、自分の握力に合わない負荷量のハンドグリップでは、効率的なトレーニングが行えません。購入する際は、8割程度の力で10〜20回握れる物を基準に選ぶと良いでしょう。

手順は以下の通りです。

1. 片手でハンドグリップを軽く握る
2. ハンドグリップが閉じるまで、ゆっくり握る
3. ゆっくり開く
4. 20回を1セットとして、2~3セット行う

4.リストカール

握力の平均値は?男性・女性別に平均値や鍛え方を紹介!

「リストカール」はダンベルを使用して、前腕や手首まわりの筋力を鍛えるトレーニングです。はじめのうちは、男性なら10kg以下、女性なら5kg以下と負荷の軽いダンベルを使用しましょう。

手順は以下の通りです。

1. 肘~手首を机の上に置いて、手のひらを上に向けた状態で両手でダンベルをもつ
2. ゆっくりと息を吐きながら、手首の力でダンベルをもち上げる
3. もち上げられるところまで上がったら、ゆっくりとダンベルを元に戻す
4. 10~15回を1セットとして、2~3セット行う

5.指立て伏せ

指で体を支えた状態で腕立て伏せを行う「指立て伏せ」。道具を使わずにできるので、気軽にトレーニングをはじめたい人におすすめです。

また、腕立て伏せの動作ができない人は、ひざを曲げて四つんばいの体勢で行ったり、肘を曲げず最初の姿勢を20~30秒間キープしたりするだけでも効果はあります。

トレーニングを続けて慣れてきたら、強度を高めると良いでしょう。

1. 手と足を床について、腕立て伏せの姿勢をとる
2. そのままの姿勢で指を立てて、10本の指で体を支える
3. ゆっくり息を吐きながら肘を曲げる
4. 下ろせるところまでいったら肘を伸ばし、ゆっくり体をもち上げる
5. 10回を1セットとして、2~3セット行う

まとめ

今回は、男女・年齢別の握力の平均値と握力の正しい計測法を解説し、ちょっとした隙間時間にも気軽に握力を鍛えられるトレーニング方法について紹介しています。

握力はほかの筋力との相関も高く、医療・介護現場でも身体能力を測る指標の1つとして活用されています。握力が低いと日常動作に支障を感じることもあり、生活の質を保つためには老若男女問わず握力トレーニングは欠かせないといえるでしょう。

ぜひ本記事を参考に自分の握力の程度を把握し、日々のトレーニングに役立てていただけると幸いです。

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<参考文献>
「地域在住高齢者の握力による移動能力制限の識別」
「若年女性の下肢筋力と中間広筋厚の関連および握力の測定意義」
「新体力テスト実施要項」

原田ゆうか

原田ゆうか

医療系の学校で解剖生理学や運動学をはじめとする専門知識を学び、理学療法士資格を取得。その後、総合病院や介護施設などでリハビリテーションを担当。現在は今までの経験と知識をいかしてライターとして活動中。より多くの人が健康について興味がもてるよう、わかりやすい言葉での発信を心がけている。

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