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【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

公開日:2025.03.08 更新日:2025.03.27

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)

「巻き肩が気になるけど治す方法はあるの?」「矯正ベルトは意味あるの?」とお悩みではないでしょうか。巻き肩は、肩が原因になっている方もいらっしゃいますが、肩以外の背骨や肩甲骨の位置が関係している場合もあります。

その場合、肩のストレッチをしただけでは改善しないことも。そこで当記事では、巻き肩の原因と解消ストレッチをパターン別に紹介します。

ぜひあなたの悩みを解決するためにお役立ていただけますと幸いです。

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そもそも巻き肩ってどんな状態?正しい肩の位置はどこ?

「巻き肩だと思っているけど何を基準に巻き肩と言うのか?」「正しい肩の位置は?」というところをまずは解説していきます。

一般的な肩関節の適切な位置

まずは一般的な適切な肩の位置を解説します。まず肩関節(肩甲上腕関節)は、ボール状になっている腕の骨の付け根(上腕骨頭)が肩甲骨のお皿(関節窩)に乗っているような構造です。

横から見た時

横から見た際には、三つの基準点があります。

⒈腕の骨(上腕骨)が床に垂直
⒉腕のボール(上腕骨頭)の前側1/3が、肩甲骨の外側に出っ張っている骨(肩峰)よりも前方にいかない
⒊肩峰が、耳の後ろ、大転子、外くるぶしの2〜5cm前を結んだ線の上に位置

後ろからから見た時

後ろから見た際には、下記を目安にします。

・肘のとんがっている部分(肘頭)が真後ろ

多くの巻き肩の場合

一般的に「巻き肩」とは、肩が前方に巻いた状態ですが、多くの場合は具体的に下記のような姿勢になっています。

⒈猫背姿勢(胸椎の過度な後弯)、肩甲骨が外に広がる(肩甲骨前方突出)
⒉腕の骨が前に出ている(上腕骨前方偏位)
⒊肩が内側に巻いている(肩関節内旋偏位)

巻き肩の原因について分解して解説!

巻き肩と一言で言っても、大きく分けて3つの要素があることがわかりましたね。それぞれのタイプによって解決策も異なりますので、詳しく見ていきましょう。

パターン1:猫背巻き肩タイプ

猫背の方は胸椎(胸の背骨)が屈曲している(丸まっている)状態です。胸椎が屈曲すると肩甲骨は連動して、外転します(外に広がります)。

肩甲骨が外転すると、肩の受け皿(関節窩)の方向が前をむくため、肩が巻いているように見えてしまうのです。

普段から猫背姿勢が続くことで、背骨や肩甲骨の位置を整える背中側の筋肉が弱くなっていることや胸の前の筋肉が硬くなっていることなどが大きな原因として考えられます。

よって猫背巻き肩タイプの方は、胸椎と肩甲骨の位置を整えることが最優先です。

パターン2:肩前方タイプ

次に、肩(上腕骨)が前に移動しているタイプです。肩の後方にある組織(関節包)が硬くなることで、前方に押し出されている可能性が高いでしょう。

これも普段の姿勢の影響が大きな原因として考えられます。

パターン3:肩内巻きタイプ

最後に、肩が内側に巻いているタイプです。肩だけが内側に巻いているケースもありますが、先ほどの猫背巻き肩(パターン1)を併発していることも多いでしょう。

肩が内側に巻いている場合は、肩を外旋させる筋肉(棘下筋や小円筋など)が弱くなっている可能性があります。また、肩を内旋させる筋肉(大胸筋や肩甲下筋、広背筋など)が緊張していることも多いでしょう。

巻き肩を矯正する方法はあるの?

巻き肩を矯正するためには、先ほど解説した原因に対する対処法をしていく必要があります。

よく売られているような巻き肩矯正ベルトなどは、一時的に姿勢を矯正する意識をするためには良いかもしれません。しかし原因を無視して使用しても根本的な解決にはなりません。中には合わないものを使用することで、かえって姿勢が悪くなってしまい、他の部位を痛めてしまうこともあります。

基本的には、正しい位置を体に認識させるために、ストレッチやエクササイズを行うことが最短ルートです。

【パターン別】巻き肩矯正ストレッチ

それでは、実際にパターン別の巻き肩矯正ストレッチを紹介します。それぞれのタイプを併発している方も多いので、上から順番にすべてやっていただいても良いでしょう。

【猫背巻き肩タイプ】背骨調整エクササイズ

まずは猫背を改善し、土台となる胸椎や肩甲骨の位置を整えていきましょう。

⒈正座の姿勢から、手を床につきます。

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

⒉手で床を押しながら、胸を反らしていきましょう。

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

⒊元の姿勢に戻りましょう。繰り返し実施します。

【肩前方タイプ】肩はめ込みエクササイズ

次に上腕骨を、肩甲骨の関節窩の適切な位置へ修正します。

上腕骨が前方に押し出されているので、後方にはめ込むイメージです。

⒈四つ這いになり、手はマットから出る程度に開きます。指先は横向きです。

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

⒉胸を床方向に下ろして、上腕骨を後方へはめ込みます。

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

⒊ゆっくり元の位置まで戻りましょう。

【肩内巻きタイプ】大胸筋ストレッチ

胸椎、上腕骨の位置を整えることができたら、肩を内旋させている可能性の高い大胸筋のストレッチを行います。

⒈壁に手をつけましょう。

⒉胸を張りましょう。

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

【肩内巻きタイプ】肩外旋エクササイズ

最後に肩関節を外旋させる筋肉を鍛えていきます。

⒈小さく前習えの姿勢になります。手の平を上に向け、横に開きます。

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

⒉元の姿勢に戻しましょう。繰り返し実施します。

⒊さらに肘を肩の高さまで持ち上げます。そこから横に開きましょう。肘の位置が動かないように気をつけます。

【あなたはどのタイプ?】巻き肩矯正ストレッチをパターン別に紹介!

⒋元の姿勢に戻しましょう。繰り返し実施します。

まとめ

今回は巻き肩を矯正するためのストレッチ方法について解説しました。

巻き肩は肩が巻いている方が多いのは事実ですが、それだけでなく猫背姿勢になっていたり、腕の骨が前に移動していることもあります。

そのため、胸の背骨や腕の骨の位置を整えることも合わせて行っていただけると、効果的に矯正することができる場合も多いでしょう。

ぜひ当記事が巻き肩を矯正したい方のお悩み改善に繋がれば幸いです。

服部恵実

服部 恵実

大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_

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