腹横筋の知識を深めよう!おもな作用やトレーニング方法をご紹介
公開日:2025.03.25

文:内藤 かいせい(理学療法士)
腹横筋とはどのような筋肉なのか、詳しく知りたい方はいませんか?この筋肉は体幹部のインナーマッスルであり、姿勢の維持や呼吸のサポートなどの作用があるのが特徴です。
この記事では、腹横筋の特徴やトレーニング方法についてご紹介します。腹横筋の特徴について知ることで、リハビリプログラムを立てる際の参考となるでしょう。
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腹横筋とはどんな筋肉?

腹横筋とは、腹部を覆うようについている深層の筋肉です。名前のとおり、筋肉が横方向に走行しているのも特徴の1つといえます。腹横筋の起始・停止や支配神経は、以下のとおりです。
| 起始 |
第7〜12肋骨内面 腰腱膜 腸骨稜前部の内唇 鼠径靱帯外側部 |
|---|---|
| 停止 |
● 上部:第9〜12肋軟骨下縁 ● 中部:外腹斜筋・腹横筋の腱膜、白線 ● 下部:恥骨、恥骨櫛内側部 |
| 作用 |
腹圧を高める 呼息の補助 |
| 支配神経 | 肋間神経、腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経、陰部大腿神経(T5〜L2) |
腹横筋は腹部に広く付着している関係上、多くの起始・停止部があります。また、深層についている筋肉のため、触診は困難です。
腹横筋はインナーマッスルの1つ
腹横筋は、体幹を安定させる重要なインナーマッスルの1つです。腹部には、表層から順番に以下の筋肉がついています。
● 腹斜筋(内・外)
● 腹横筋(もっとも深層)
腹横筋に限らず、深い位置にある筋肉はインナーマッスルと呼ばれ、身体の姿勢を支える重要な役割を担っています。一方で、腹直筋をはじめとした表層の筋肉をアウターマッスルといい、関節をダイナミックに動かす役割があります。
このように、インナーマッスルは身体の安定化、アウターマッスルは関節運動という役割の違いがある点をおさえておきましょう。
腹横筋の作用
腹横筋には、どのような作用があるのでしょうか。ここでは、具体的な作用について詳しく解説します。
体幹の安定化
前述したように、インナーマッスルである腹横筋の作用として代表的なのが、体幹の安定性を保つ役割です。腹横筋が収縮すると腹腔内圧が上昇し、これによって脊柱の安定性が高まるとされています。具体的には、腹横筋は以下の筋肉とともに、体幹部の安定を保っています。
● 骨盤底筋群
● 多裂筋
これらの筋肉によって、上下左右から体幹を包むようなイメージで上半身を支えているのです。腹横筋が適切に機能することで、姿勢が安定し、スムーズな動作が可能になります。体幹が安定化すれば、動作によるふらつきの軽減や、腰痛や肩こりなどの身体の不調予防となるでしょう。
呼吸の補助
腹横筋は体幹の安定性だけでなく、呼吸の補助の役割も担っています。とくに努力呼気に関与しており、横隔膜と協調しながら働きます。具体的には、腹横筋が収縮することで腹圧が高まり、横隔膜を押し上げる力が生まれるのです。その結果、効率的な呼気が可能となります。
呼吸器疾患によって呼吸機能が低下している方にとって、腹横筋のトレーニングは重要といえるでしょう。
腹横筋の筋トレのやり方
腹横筋を鍛えるためには、どのようなトレーニングを行えばよいのでしょうか。ここでは、腹横筋の筋トレ内容をご紹介します。
ドローイン
ドローインは、あお向けの状態で行う腹横筋のトレーニングです。関節運動を行わないため、腰痛がある方でも行いやすいメリットがあります。
1. あお向けになった状態で両膝を立てる
2. 息を吸い、お腹をへこませるイメージで腹筋に力を入れて、ゆっくり口で吐く
3. 息を吐き切る
4. 2〜3の手順を10回×2〜3セット行う
腰の下にタオルを敷き、押し付けるイメージで行うと腹横筋を効かせやすくなります。
プランク

プランクは腹横筋だけでなく、ほかの体幹部のインナーマッスルも鍛えられます。
1. うつ伏せになり、両肘と腕を床につける
2. 身体を浮かせて、姿勢を一直線にする
3. 20〜30秒ほどキープする
4. 休憩する
5. 3〜4の手順を2〜3セット行う
身体を曲げたり、腰を反らしたりしないように注意しながら行いましょう。
リバースプランク

リバースプランクは、通常のプランクとは反対の向きで行うトレーニングです。
1. あお向けになり、両膝を伸ばす
2. 手をついて上体を起こす
3. 身体を一直線にした状態で15秒ほどキープする
4. 休憩する
5. 3〜4の手順を2〜3セット行う
視線はおへそに向けて、股関節を曲げないように姿勢をキープしましょう。
腹横筋の鍛え方のポイント
腹横筋を効率的に鍛えるには、どのようなポイントを意識すべきなのでしょうか。ここでは鍛える際のポイントを解説します。
強い負荷をかけない
腹横筋を効果的に鍛えるには、強い負荷をかけないことが重要です。強い負荷をかけると、身体表面の腹直筋をはじめとしたアウターマッスルが優位に働いてしまい、腹横筋に刺激が入りにくくなります。
腹横筋に刺激を入れるには、負荷をかけすぎず、ゆっくりとした動きで行いましょう。たとえば、ドローインで腹筋に力を入れる際は、素早く行わないようにすることが大切です。通常のプランクの負荷が高いと感じた場合、まずは膝をついた状態からはじめるのもよいでしょう。
呼吸を意識する
腹横筋を効果的に働かせるためには、呼吸を意識することも大切です。腹横筋は呼吸に関わる筋肉でもあるため、息を止めたままトレーニングを行うと、十分に働きにくくなる恐れがあります。
また呼吸を止めながら力を入れると、血圧が高まる原因にもなります。腹横筋に刺激を入れるには、力を入れる際に息を吐き、力を抜くタイミングで息を吸いましょう。このように、筋トレ中は負荷をかけすぎず、呼吸を意識しながら行ってみてください。
腹横筋のポイントを学ぼう!
腹横筋は深層についている筋肉で、日常生活にとって重要な役割を果たしています。腹横筋を効率的に鍛えるためには、強い負荷をかけずにゆっくりと行うことが重要です。
また呼吸を意識しながら行えば、さらに筋肉に刺激が入りやすくなります。ぜひ今回の記事を参考にして、腹横筋のアプローチをしてみましょう。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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