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マウンテンクライマーの正しいやり方は?効果や鍛えられる部位について解説!

公開日:2025.04.08

マウンテンクライマーの正しいやり方は?効果や鍛えられる部位について解説!

文:理学亮 カラダメンテナンスコーチ/理学療法士

姿勢を良くしたり、引き締まったおなかを手に入れたいと思う人は、男女問わず多いのではないでしょうか?

姿勢を整えつつ引き締まったおなかをつくるには、筋トレと有酸素運動を組み合わせて体幹のインナーマッスルとアウターマッスルをどちらも鍛えるのが効果的です。

そこでおすすめなのが、マウンテンクライマーです。マウンテンクライマーは、体幹の筋トレだけで無く、有酸素運動としての効果も得られるトレーニングで、特別な道具を使わないため手軽に取り入れられます。

この記事では、マウンテンクライマーで鍛えられる部位や、正しいやり方、注意点について解説します。最後まで読んで、ぜひ実践してみてくださいね。

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マウンテンクライマーとは?鍛えられる部位

マウンテンクライマーは、腕立て伏せの姿勢で足をおなかに引き寄せることで、体幹と足に負荷をかけるトレーニングです。

特別な道具を用いず、自分の体のみで行えます。また、マウンテンクライマーは筋力トレーニングだけなく、有酸素運動も兼ねているのが特徴です。

足や体幹を鍛えると同時に、脂肪燃焼効果も期待できます。

鍛えられる部位

マウンテンクライマーでは、主に足と体幹を鍛えられます。

足は、股関節に位置する「腸腰筋」「大殿筋」、体幹ではインナーマッスルの「腹横筋」「多裂筋」、アウターマッスルの「腹直筋」「腹斜筋」が使われます。

また、有酸素運動の効果で心肺・肺も鍛えることができます。

腸腰筋

マウンテンクライマーの正しいやり方は?効果や鍛えられる部位について解説!
「腸腰筋」は股関節の前面にある筋肉です。主に股関節を曲げる動きに関与しています。

大殿筋

マウンテンクライマーの正しいやり方は?効果や鍛えられる部位について解説!

「大殿筋」は股関節の後面、つまりおしりにある大きな筋肉です。主に股関節を伸ばす動きに関与しています。

腹横筋

マウンテンクライマーの正しいやり方は?効果や鍛えられる部位について解説!

「腹横筋」は体幹のインナーマッスルで、おなかを取り囲む筋肉です。主に体幹を安定させるコルセットの役割をしています。

多裂筋

マウンテンクライマーの正しいやり方は?効果や鍛えられる部位について解説!

「多裂筋」は体幹のインナーマッスルで、背骨に近い位置にある筋肉です。主に腰を伸ばす動きに関与しており、腹横筋と同じで体幹を安定させる役割をしています。

腹直筋

「腹直筋」は体幹のアウターマッスルで、おなかの前面にある筋肉です。主に体を曲げる動きに関与しています。

腹斜筋

「腹斜筋」は体幹のアウターマッスルで、体幹の前面の側方にある筋肉です。主に体幹を曲げながらひねる動きに関与しています。

心臓・肺

有酸素運動により心臓や肺などの心肺機能が高まることが期待できます。心肺機能の向上は全身の持久力や体力向上にもつながります。

マウンテンクライマーの効果4選

マウンテンクライマーの主な効果は以下の通りです。

1. 体幹・足の筋力向上
2. 心肺機能の向上
3. 脂肪の燃焼促進
4. 姿勢の改善

1.体幹・足の筋力向上

マウンテンクライマーは、おなかや背中、足などを幅広く鍛えられるため、体幹の安定性が向上し、日常生活やスポーツの動作がスムーズになります。

とくに、インナーマッスルである腹横筋や多裂筋を鍛えることは、良い姿勢を維持するのに効果的です。

また、アウターマッスルである腹直筋を効果的に鍛えられるため、体を動かしやすくなるだけでなく見た目にも引き締まったおなかを手に入れることができます。

2.心肺機能の向上

マウンテンクライマーでは、足を速く上げ下げする動作を続けることで、有酸素運動の効果が得られ、心肺機能の向上に役立ちます。

一般的な有酸素運動は、ランニングや跳ねる・跳ぶなどの動作が必要ですが、マンションなどの室内では近隣への騒音が気になる場合もあります。

一方でマウンテンクライマーは道具を用いず、音もほとんど出ないため、家にいながら気軽にできる有酸素運動です。

3.脂肪の燃焼促進

マウンテンクライマーは、体幹から足まで多くの筋肉を使う有酸素運動であり、脂肪燃焼に効果的です。

さらに、高い強度で行うことで、HIIT(高強度インターバルトレーニング)としての効果も得られ、トレーニング中だけではなく、その日1日の消費カロリーを増やすことができます。

HIITは短時間でも脂肪燃焼効果が高いため、ランニングやウォーキングなどの長時間の運動が難しい方におすすめです。

4.姿勢の改善

体幹のインナーマッスルや腹筋を鍛えることで、体幹が安定し、反り腰や猫背などの悪い姿勢の改善に効果的です。

姿勢が良くなることで、おなかの引き締め効果が得られ、見た目が変わるだけでなく、腰痛や肩こりの予防や改善にもつながります。

マウンテンクライマーのやり方

マウンテンクライマーの正しいやり方は?効果や鍛えられる部位について解説!

マウンテンクライマーの効果を最大限に得るためには、正しいフォームややり方で実践することが大切です。ここからはマウンテンクライマーの正しいやり方を解説します。

スタート姿勢

うつぶせから肘を伸ばし、体幹とひざを床から浮かして腕立ての姿勢になります。

手のひらと足の指で体を支え、姿勢を保ちます。このとき、肩からまっすぐ真下に手のひらをつき、肩・へそ・おしり・ひざ・足首のラインが一直線になるように姿勢を整えます。

動作

肩からおしりまでの位置は動かさずに、片方のひざをおなかに引き寄せるイメージで、股関節を曲げてます。

姿勢がぶれないよう、おなかに力を入れて、床についている足でしっかり踏ん張ります。足を左右テンポ良く入れ替えて、曲げ伸ばしを繰り返します。

速さ・秒数・セット数

初心者向け

速さ:「楽」~「ややきつい」くらいの強度でゆっくりと動作を行います。
秒数:1セット10秒間程度からはじめて、慣れてきたら20秒間程度まで時間を増やしていきます。セット間のインターバルは20~40秒間程度とします。
セット数:3~5セット

中級者~上級者向け

速さ:「ややきつい」~「きつい」くらいの強度で全力で素早く動作を行い、心拍数をしっかり上げていきます。
秒数:1セット20~40秒間。セット間のインターバルは10~20秒間程度とします。
セット数:4~8セット程度まで増やします。

高強度で行う場合は、1セットの時間を短くしてセット数を増やす方法がおすすめです。この設定なら全力を出しやすく、しっかりと心拍数を上げられます。

例:1セット20秒間
インターバル10~20秒間 × 8セット(合計4~6分間)

マウンテンクライマーの注意点

マウンテンクライマーを行ううえで意識しておきたい注意点は以下の通りです。

➀上半身をぶらさない・腰を反らさない

腿を上げるときに、上半身が左右上下にぶれないようにおなかにしっかりと力を入れておきます。
とくにおなかの力が抜けておしりの位置が下がってしまうと、おなかが鍛えられないだけなく、腰に負担がかかって腰痛につながるため、十分に注意しましょう。最初のうちは、少し腰を丸めておくくらいの意識で、おなかに力を入れてゆっくり動作を行ってみましょう。

②腿をしっかり上げる

腿がしっかり上がっていないと腹筋や腸腰筋に負荷がかからず、効果的な筋力訓練となりません。ひざをおなかにできるだけ近づけるように意識しましょう。

➂心拍数をしっかり上げる

心拍数がしっかりと上がらないと、有酸素運動の効果となる心肺機能向上や脂肪の燃焼効果が得られません。心拍数をしっかり上げるため、テンポ良くできるだけ早めに足を動かしましょう。

強さが適切かを判断するには?

有酸素運動として、強さが適切かを判断する2つの方法を紹介します。

➀自覚的な運動強度を使う

運動のきつさの指標となるのが、自覚的運動強度(Borg指数)です。マウンテンクライマーを行った直後にどのくらいきついかを主観で判断します。初心者や基礎疾患がある人は11「楽である」~13「ややつらい」程度で行うことが推奨され、中級者~上級者や、基礎疾患がない人は15「つらい」~17「かなりつらい」まで全力を出すとより効果的です。

脈拍数を測定する

運動後の1分間の脈拍数を測定する方法です。効果的に有酸素運動をするためには、運動後の脈拍数を最大心拍数(220-年齢)の60~70%、高強度で行う場合は80%以上まで上げる必要があります。

たとえば、30歳の人では、通常時は(220-30)×0.6~0.7=114~133、高強度の場合は、(220-30)×0.8=152以上を目安にすると良いでしょう。

脈拍数の測定方法は、手首の親指側をもう片方の手の指2、3本程度で押さえて1分間の数を測定します。一般的には、15秒間の脈拍を測定し、4倍することで1分間の脈拍を計算します。

まとめ

今回はマウンテンクライマーのやり方と効果、注意点について解説しました。スタート姿勢と動作中の注意点を押さえて継続することで、体幹と下肢の筋トレ、全身の有酸素運動の効果を最大限に得られます。ぜひマウンテンクライマーをマスターして、良い姿勢と引き締まったおなかを手に入れて下さいね。

セラピストプラスではほかにも体幹を鍛えられるエクササイズを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

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理学亮

理学亮

広い視点から社会復帰を支えることをモットーに、体の不調を整え、健康的な生活ができるようにサポートしている。リハビリテーションや運動学、解剖学に基づいた知識を活かして、筋のバランスや関節の動きの調律を行い、エクササイズの指導なども行う。病院で理学療法士として勤務しながら、スポーツ・健康系のWebライターとしても活動している。福祉住環境コーディネーター2級、両立支援コーディネーター、認定理学療法士(脳卒中・循環・呼吸)、3学会呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、離床アドバイザーなど、医療・介護系の資格を多数保有。

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