筋トレの効果はいつから出る?期間の目安と効果を高めるポイントを解説
公開日:2025.04.17
文:内藤 かいせい(理学療法士)
筋トレをはじめたものの、どのくらいの期間で効果が出るのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。筋トレの効果は即時的に現れるものではないため、コツコツと継続することが重要です。
この記事では、筋トレの効果が出る期間の目安や継続するためのポイントについてご紹介します。適切な筋トレ方法を習慣化することで、効果を最大限に引き出せるでしょう。
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筋トレの効果が出る期間の目安
筋トレによる効果がみられるまでの期間は、およそ2〜3か月とされています。筋トレの効果は、おおむね2段階に分けられるのが特徴です。
まず、筋トレをはじめてから約2週間程度で、筋力の強化がみられます。この期間では筋肉量の変化はありませんが、神経が活性化されて力が入りやすくなります。
その後、筋トレを継続して2〜3か月経過すると、筋肉量が増えて見た目の変化が現れるのです。
このように、筋肉をつけてたくましい身体を作るためには、筋トレをある程度継続する必要があります。
筋トレによるおもな効果
筋トレによる効果は、さまざまなものがあげられます。ここでは筋トレによる具体的な効果について、詳しく解説します。
筋肉量の増加
先ほど解説したように、筋トレの代表的な効果の1つに筋肉量の増加があげられます。筋肉量が増えるメカニズムは、以下のとおりです。
2. 傷ついた筋肉が修復される
3. 修復の過程で筋肉が太くなる
これらの過程を「超回復」と呼び、このサイクルを繰り返すことで徐々に筋肉量の増加が見込めます。超回復を効率的に進めるには、筋トレ以外にも筋肉の休息が必要です。
そのため、筋肉を休める時間も重要という点もおさえておきましょう。
基礎代謝の向上
筋トレによって筋肉量が増えれば、基礎代謝の向上が期待できます。基礎代謝とは、生きるために消費される最低限のエネルギー量のことです。
具体的に、以下のような生理現象でエネルギーが消費されています。
● 体温維持
● 心臓の鼓動
基礎代謝を決める指標はさまざまですが、そのなかでもっとも多く割合を占めるのが筋肉量とされています。
そのため、筋肉量の増加にともなって基礎代謝が向上すると、痩せやすく太りにくい体質につながるのです。ダイエットしたい方にとっても、筋トレはおすすめの運動といえるでしょう。
姿勢の改善
筋トレの継続によって、姿勢の改善も期待できます。とくに、腹筋や背筋などの体幹の筋肉は姿勢に大きく関わっています。体幹の筋トレをすることで体幹が安定し、不良姿勢の解消につながるのです。
姿勢が改善されれば、肩こりや腰痛などの身体の不調も軽減しやすくなります。以下のような方は、体幹の筋トレがおすすめといえるでしょう。
● 力作業が多い方
● 不良姿勢による身体の不調に困っている方
● キレイな姿勢を目指したい方
筋トレの効果を高める4つのポイント
筋トレの効果を高めるためには、以下の4つのポイントをおさえることが重要です。
2. 適切な負荷や回数で行う
3. たんぱく質を意識した食事を行う
4. 器具を活用する
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.正しいフォームで筋トレを行う
1つ目のポイントは、正しいフォームで筋トレをすることです。種目ごとに適切なフォームを意識することで、狙いたい筋肉に負荷をかけられます。
間違ったフォームで筋トレを行うと、狙った筋肉にうまく負荷をかけられなくなるだけでなく、ケガの原因にもなります。
正しいフォームを身につけるためには、一つひとつの筋トレ種目をよく確認し、姿勢や動きを把握することが重要です。
また鏡を見ながら行ったり、軽い重量からはじめたりするのもおすすめです。正しいフォームで安全に行い、筋トレの効果を高めていきましょう。
2.適切な負荷や回数で行う
2つ目は、適切な負荷や回数で行うことです。おもな目安としては週に2〜3回程度、1つの種目につき10〜15回を1〜3セット行うことです。
この基準の範囲内で継続的に筋トレすることで、筋肉に適切な刺激を与えやすくなります。
ただし、これはあくまで目安なので、個人の体力や目的によって適切な負荷や回数は異なります。最初は軽い負荷で、少ない回数からはじめましょう。
慣れてきて物足りなさを感じたら、少しずつ回数や負荷を増やすのがおすすめです。適切な負荷や回数で筋トレを行うことで、効果的に筋力アップを図りつつ、ケガのリスク軽減につながります。
3.たんぱく質を意識した食事を行う
3つ目のポイントは、たんぱく質を意識して食事をすることです。たんぱく質は筋肉を作る重要な栄養素であり、適切な摂取によって筋トレの効果を高めやすくなります。
一方で、たんぱく質が不足している状態で筋トレを続けても、思うような効果が得られない恐れがあります。たんぱく質が豊富に含まれる食べ物は、以下のとおりです。
● 魚介類(マグロ、サーモンなど)
● 卵
● 大豆製品(豆腐、納豆など)
● 乳製品(ヨーグルト、チーズなど)
これらの食品を積極的に取り入れつつ、バランスのよい食事を心がけましょう。
4.器具を活用する
4つ目のポイントは、必要に応じて器具を活用することです。これは自重トレーニングだけでは物足りなくなってきたり、効果の停滞を感じたりした場合におすすめです。
器具を使用することで筋肉にかかる負荷量が増えて、筋トレの効果を高められます。また、自重トレーニングでは鍛えにくかった筋肉にもアプローチできるでしょう。
代表的な器具としては、ダンベルやチューブなどがあげられます。トレーニング器具は筋トレの効果を高めやすくなる一方で、誤った使い方をするとケガにつながる恐れがあります。
器具を使う際は正しい使用方法を把握し、注意しながら行うことが大切です。
筋トレを継続するためのコツ
筋トレはすぐに効果が出るわけではないので、継続が重要です。
しかし、筋トレがなかなか続かずに、途中で諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、筋トレを継続するためのコツについて解説します。
具体的な目標を立てる
具体的な目標を立てることは、筋トレを継続するための重要なポイントです。目標を立てる際は、できるだけ具体的な内容にしましょう。
たとえば、「3か月後に体重を3kg増やす」や「半年後にベンチプレスの重量を10kg上げる」といったものです。
このような明確な目標があると、達成までのプロセスを追いやすくなり、モチベーションの維持につながります。
現実的な目標を設定しつつ、無理のない範囲で少しずつハードルを上げることで、着実に筋トレの効果を実感できるでしょう。
無理のない範囲からはじめる
筋トレをはじめたばかりの方は、まずは無理のない範囲から進めていきましょう。筋トレをはじめた最初の時期は、モチベーションが高いものです。
しかし、その気持ちに任せて頑張りすぎると、疲労や筋肉痛が強くなり、筋トレが続かなくなる可能性があります。
最初は少ない回数や短い時間からはじめ、徐々に負荷を上げていくことをおすすめします。たとえば、腕立て伏せなら1日10回からはじめるだけでもよいでしょう。
無理なく続けられる範囲で行うことで、筋トレを定着させやすくなります。自分のペースを大切にしながら、筋トレの継続を心がけましょう。
筋トレする日を決める
筋トレを習慣化するには、行う日を決めておくのも効果的です。
特定の曜日や時間帯に固定して筋トレすることで、日常生活の一部として組み込みやすくなります。
たとえば、「毎週月曜日と木曜日の夜9時から筋トレをする」と決めれば、その時間になったら自然と身体を動かす習慣が身につくでしょう。
仕事や家事などの都合で決めた日に筋トレができない場合は、予備の日を設定しておくのもおすすめです。
自分のライフスタイルにあわせて無理のない計画を立てて、筋トレのモチベーションを維持しましょう。
筋トレの効果はすぐに出るわけではない
筋トレによって筋肉量を増やすには、2〜3か月ほどの期間が必要です。そのため栄養バランスを考慮しつつ、適切な負荷量や回数で筋トレを継続することが重要です。
筋トレのモチベーションを維持するには、具体的な目標を立てる、トレーニングの日を固定するなどの工夫があげられます。
ぜひ今回の記事を参考にして、筋トレの習慣化を目指しましょう。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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