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多裂筋とは?起始・停止や具体的な作用を徹底解説!

公開日:2025.04.24

多裂筋とは?起始・停止や具体的な作用を徹底解説!

文:内藤 かいせい(理学療法士)

多裂筋とはどのような筋肉なのか、どのような作用があるのか知りたい方はいませんか?多裂筋は腰背部についている筋肉で、脊柱の動きや姿勢に関する役割を担っています。

この記事では、多裂筋の起始・停止やおもな働きをご紹介します。この筋肉の特徴を知ることで、臨床現場で活用するきっかけとなるでしょう。

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多裂筋の起始・停止は?

多裂筋とは?起始・停止や具体的な作用を徹底解説!

多裂筋の起始・停止や支配神経などについて、以下の表にまとめました。

起始 仙骨後面
全腰椎の乳頭突起
全胸椎の横突起
第4〜5頸椎までの関節突起
停止 腰椎から第2頸椎までの棘突起
作用 片側:脊柱の同側の屈曲、対側回旋
両側:脊柱の伸展
支配神経 脊髄神経後枝の内側枝(C3〜S3)

多裂筋は腰背部の深層についており、インナーマッスルに分類される筋肉です。また、多裂筋は「横突棘筋群」と呼ばれる背部の筋肉群の1つであり、そのほかにも周囲に以下のような筋肉がついています。

● 半棘筋(頭・頸・胸の3つに分類)
● 回旋筋(長・短の2つに分類)

多裂筋の働き

多裂筋は、普段の生活でどのような働きをしているのでしょうか。ここでは、具体的な働きについて解説します。

脊柱の運動

多裂筋は、おもに脊柱の運動に関わっている筋肉です。先ほどご紹介したように、片側の多裂筋が働いた場合、同側の脊柱の屈曲や対側への回旋の作用が現れます。

つまり、前屈みになったり後ろを振り向いたりする際に、この筋肉が使用されます。

両側の多裂筋が働く場合の作用が、脊柱の伸展です。まっすぐとした姿勢を保つためには、この多裂筋の働きが欠かせないのです。

体幹の安定化

多裂筋は脊柱の運動だけでなく、体幹の安定化にも関与しています。多裂筋は、脊椎を分節的に制御することで、脊柱の安定化に働くとされています。

多裂筋が適切に働き、各脊椎を安定させることで、運動時や安静時の姿勢を維持しているのです。

日常生活での安定した動作には、多裂筋による働きが欠かせないといえるでしょう。

そのため、腰痛予防や姿勢改善を目指す場合は、多裂筋を意識的に鍛えることが重要です。

多裂筋と脊柱起立筋との違い

脊柱起立筋は背中の縦方向に走行している大きな筋肉で、おもに以下の3つで構成されています。

● 腸肋筋
● 最長筋
● 棘筋

脊柱起立筋の全体的な起始・停止や作用は以下の表のとおりです。

起始 腸骨稜および仙骨後面
第3(4)〜12肋骨の肋骨角上縁
停止 第1〜12肋骨の肋骨角
第4(3)〜7頚椎の横突起の後結節
作用 両側:脊柱を反らせる、肋骨を引き下げる
片側:同側への体幹の側屈
支配神経 脊髄神経後枝の外側枝(C8〜L1)

付着している範囲は異なるものの、脊柱起立筋も多裂筋と同じように、脊柱の運動や姿勢の維持などに関わっている筋肉です。

多裂筋は深層についている筋肉であるのに対して、脊柱起立筋は表層についています。

多裂筋の衰えによって起こる影響

多裂筋が衰えると、身体にとってさまざまな悪影響が現れる恐れがあります。まず、脊柱の安定性が低下して腰椎にストレスがかかりやすくなります。腰椎に過度な負担がかかると、腰痛の原因となることもあるでしょう。

脊柱の安定性の低下は、姿勢の悪化にもつながります。姿勢が悪くなると、肩や腰などの筋肉に負担がかかりやすくなり、結果的に肩こり・腰痛などの不調の原因となります。

このように、多裂筋の衰えは腰痛や姿勢の悪化など、さまざまな問題を引き起こしやすくなるのです。これらの問題を予防するためには、多裂筋を意識的に働かせることが重要です。

多裂筋を鍛えるトレーニング方法

多裂筋とは?起始・停止や具体的な作用を徹底解説!

多裂筋を鍛えるには、どのようなトレーニングをすべきなのでしょうか。ここでは、おすすめのトレーニング方法をご紹介します。

うつ伏せで行うトレーニング

ここでは、うつ伏せで行う多裂筋のトレーニングについてみていきましょう。

【多裂筋のトレーニング方法】

1. うつ伏せになり、足を伸ばす
2. 両足を少しだけ開く
3. 両足を伸ばしたまま持ち上げる
4. できるだけ持ち上げたら、ゆっくりともとに戻る
5. 3〜4の手順を10〜20回×2〜3セット行う

足を持ち上げる際は、腰背部に力を入れるイメージで行いましょう。

四つ這いで行うトレーニング

ここでは、四つ這いで行うトレーニング方法についてみていきましょう。

【多裂筋のトレーニング方法】

1. 四つ這いになる
2. 右手を前に、左足を後ろにまっすぐ伸ばす
3. 10秒ほどキープしたら、もとに戻る
4. 左手を前に、右足を後ろにまっすぐ伸ばす
5. 10秒ほどキープしたら、もとに戻る
6. 2〜5の手順を2〜3セット行う

背中を反ったり丸めたりせず、床と水平になるように、まっすぐの状態をキープして行いましょう。

多裂筋のストレッチ方法

多裂筋の柔軟性を高めるためには、ストレッチを行うことが重要です。ここでは、多裂筋のストレッチ方法をご紹介します。

【多裂筋のストレッチ方法:その1】

1. 体育座りの姿勢になり、軽く膝を曲げる
2. おへそを見るようなイメージで背中を丸める
3. 背中を丸めた状態を20秒ほどキープする

【多裂筋のストレッチ方法:その2】

1. 四つ這いになる
2. 息を吐きながら、おへそを見るようなイメージで背中をゆっくり丸める
3. 息を吸いながら、顔を前に向けて背中をゆっくり反らせる
4. 2〜3の手順を3〜5セット行う

多裂筋をうまく働かせるポイント

多裂筋をうまく働かせるためには、ほかの体幹筋を鍛えることが重要です。多裂筋は脊柱の安定性を保つ筋肉ですが、単独で働くわけではありません。

腹横筋や腹斜筋などの腹部の筋肉と協調して働くことで、多裂筋がより効果的に働きやすくなるとされています。

腹筋を鍛えるトレーニングとしては、以下があげられます。

ドローイン

1. あお向けになる
2. 両膝を立てる
3. 息をゆっくり吐きながら、腰を床に押し付けるイメージで腹筋に力を入れる
4. 息を吐き切ったら力を抜く
5. 3〜4の手順を10回×2〜3セット行う

サイドプランク

1. 横向きに寝て、両膝を伸ばす
2. 下側の肘で上半身を持ち上げて、身体を一直線にする
3. 一直線にした状態を10〜20秒キープする
4. ゆっくりと力を抜く
5. 2〜4の手順を左右で2〜3セット行う

多裂筋を鍛えて体幹の安定化につなげよう

多裂筋は腰背部につく筋肉で、体幹の回旋や伸展などの作用があります。そのほかにも、脊柱を安定化させて姿勢の維持をサポートする役割もあります。

多裂筋が衰えると姿勢が悪くなるだけでなく、腰痛をはじめとした身体の不調につながることもあるでしょう。

正しい姿勢を維持するためには、この筋肉を鍛えることが大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、多裂筋のアプローチを実践してみましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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