グーパー運動の効果とは?使用する筋肉や正しいやり方を理学療法士が解説
公開日:2025.05.09
文:内藤 かいせい(理学療法士)
手のグーパー運動はどんな効果があるのか、知りたい方はいませんか?グーパー運動は手軽に行える運動であり、習慣化によってさまざまなメリットを得られます。
この記事では、グーパー運動の効果や正しいやり方などをご紹介します。やり方のコツを知ることで、無理なく運動を継続できるでしょう。
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グーパー運動はどの筋肉を使っている?
グーパー運動は、手をグーパーと握る・開くを繰り返すシンプルな運動です。
この運動は、おもに前腕にある筋肉を使っています。前腕は、手を握る「屈筋群」と、手を開く「伸筋群」に大きく分かれています。
また、前腕の筋肉は手首の運動にも関わっているのも特徴の一つです。
これらの筋肉がバランスよく活動することで、スムーズなグーパー運動が可能となります。
グーパー運動は簡単に行える運動のため、子どもから高齢者まで、幅広い方が実施できます。
手のグーパー運動による効果
手のグーパー運動には、どのような効果があるのでしょうか。ここでは、具体的な効果について解説します。
前腕が太くなる
グーパー運動によって、前腕の筋肉を太くできます。
前述したように、グーパー運動は前腕の筋肉が働きます。そのため、この運動を行うことで前腕の筋肉に負荷がかかり、筋肉量の増加が期待できるのです。
グーパー運動は道具を使用せずに行えるので、どこでも気軽に実践しやすいメリットもあります。前腕を太くしたい方は、まずはグーパー運動を継続してみましょう。
握力の向上につながる
グーパー運動によって前腕の筋肉を鍛えることで、握力の向上につながります。握力は、日常生活のさまざまな場面で役立ちます。たとえば、以下のような場面では握力が欠かせません。
● ペットボトルのふたを開けるとき
● 物をしっかりと握るとき
このように、握力が向上すればさまざまな動作を楽に行いやすくなります。握力はダンベルやゴムチューブなど、手を使った筋トレを行う際にも役立っているのです。
このときに握力があれば、安全かつ効率的にトレーニングを行いやすくなります。
末梢の血流が循環しやすくなる
グーパー運動によって、末梢の血流が循環しやすくなります。手を開いたり閉じたりする動作を繰り返すことで、末梢血管が刺激され、血流促進につながります。
血液循環が改善すれば、手先の冷えの予防も期待できるでしょう。
さらに、手先の血液循環の改善は脳の活性化にもつながる可能性があります。
このような効果から、グーパー運動は高齢者にとってもおすすめの運動といえます。身体機能や認知機能の維持のために、ぜひ高齢者の方もグーパー運動を取り入れてみましょう。
グーパー運動のやり方とコツ
グーパー運動の具体的なやり方は、以下のとおりです。
2. 両手を強く閉じる
3. 両手をしっかりと開く
4. 2〜3の手順を繰り返す
5. 50〜100回または1分間×2〜3セットを目安に行う
ここでは、グーパー運動のやり方についておさえたうえで、実施中のコツをご紹介します。
指をしっかり曲げ伸ばしする
グーパー運動では、しっかりと指を曲げ伸ばししましょう。
指を最後まで曲げ伸ばしすることで、前腕の筋肉に負荷がかかりやすくなり、トレーニング効果が高まります。
指を曲げるときは、力を入れてしっかりと握り込みましょう。指を開くときはすべての指先まで十分に伸ばすことがポイントです。
指や腕以外の力を抜く
グーパー運動を行う際は、指や腕以外の部分の力を抜くことが重要です。ほかの部位に余計な力を入れると、前腕の筋肉に負荷がかかりにくくなります。
肩や首に力が入ると肩こりの原因にもなるため、トレーニング中は注意しましょう。
このように、余計な力を抜いて前腕に意識を集中させることで、グーパー運動の効果を最大限に引き出せます。
グーパー運動以外でおすすめのトレーニング
指や前腕を鍛えるトレーニングは、グーパー運動以外にもさまざまな種類があります。
ここでは、ほかのトレーニングについてご紹介します。グーパー運動では物足りない方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハンドグリッパー
ハンドグリッパーとは、握力を鍛えるための器具のことです。
この器具の活用によって、グーパー運動よりも強い負荷で握力を鍛えられます。
ハンドグリッパーのやり方
2. 指に力を入れて開け閉めする
3. 左右の手で20〜30回×2〜3セットを目安に行う
自分にあった強度のハンドグリッパーで、無理なく行ってみましょう。
指立て伏せ
指立て伏せとは、通常の腕立て伏せとは異なり、指のみを床につけた状態で行うトレーニングです。指に強い負荷をかけられるのが特徴です。
指立て伏せのやり方
2. 両手の指を床につけて、腕を肩幅程度に広げる
3. 両手の指と両足で身体を持ち上げる
4. 肘を曲げて、ゆっくりと身体を床に近づける
5. 胸が床につく寸前まで曲げたら、肘を伸ばす
6. 4〜5の手順を繰り返す
指立て伏せは負荷が強い反面、指のケガにつながりやすいため、無理のない回数で行いましょう。
ダンベルリストカール
ダンベルリストカールとは、ダンベルを使用して手首を曲げるトレーニングです。ダンベルがない場合は、水の入ったペットボトルで代用可能です。
ダンベルリストカールのやり方
2. ダンベルを持ち、手のひらを上方向に向ける
3. 手首をゆっくりと上げる
4. できるだけ上げたらもとに戻る
5. 左右の手で10〜15回×2〜3セット行う
グーパー運動で手首の筋肉を鍛えよう!
グーパー運動は前腕を鍛えるトレーニングで、子どもから高齢者まで気軽に行えるのが特徴です。グーパー運動には、前腕を太くすることや握力の向上などのメリットがあります。
この運動をする際は、しっかり指の曲げ伸ばしを行い、腕や指以外の力を抜くことが大切です。ぜひ今回の記事を参考にして、グーパー運動を継続してみましょう。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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