はちみつは健康に良いって本当?すごいといわれる理由や取るポイントを解説
公開日:2025.05.30

文:中村 瑞樹/管理栄養士
古くから健康食として利用されてきたはちみつ。テレビやニュース記事、SNSといったさまざまな媒体では、はちみつの健康効果が謳われています。
健康的な食品であることは感じているものの「何が健康に良いのか」「どのように取り入れたら良いのか」を知らない方は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、そんなはちみつの栄養価や効果的な取り方を管理栄養士がまとめました。最新の研究報告とともに紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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はちみつは健康に良いのか

栄養学的に見ると、はちみつは健康に良い食品です。
消化吸収の早い糖分を含むため、エネルギー補給や疲労回復に適しています。
また、ビタミンB群、カリウムなどのミネラル、ポリフェノールを含み、それぞれがもつ栄養効果、抗酸化作用が期待できます。抗菌作用も科学的に確認されており、喉の痛みをやわらげる効果なども期待できます。
はちみつが健康食として重宝されてきた歴史は古く、旧約聖書や古代エジプトの医学書などにその薬効が記されています。
現代においても国内の医薬品規格基準書である「日本薬局方」で生薬の1つとして扱われており、健康食品や栄養材、皮膚などの保護材として、私たちの健康を支えてくれています。
はちみつの栄養価について
はちみつは主に糖質で構成されています。その割合は蜜源となる植物や採取季節によって異なりますが、全体の70〜80%程度を占めます。
はちみつ大さじ1杯当たりの、主な成分と含有量は以下の通りです。
| 成分 | 含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 69kcal |
| 炭水化物 | 17.2g |
| タンパク質 | 0.1g |
| 脂質 | 微量 |
| カリウム | 14mg |
| カルシウム | 1mg |
| マグネシウム | 0mg |
| 鉄 | 0mg |
| ビタミンB1 | 微量 |
| ビタミンB2 | 0mg |
| 水分 | 3.7g |
効率良いエネルギー源
はちみつの糖質は果糖とブドウ糖が主成分です。これらの糖質は消化が不要なため、体内に入ると素早くエネルギーに変わります。
そのため、運動前後、消化機能が落ちている体調不良時のエネルギー補給におすすめです。
腸内環境を整える
はちみつは腸内環境を整えるプレバイオティクスです。プレバイオティクスとは、腸内の有用な菌(ビフィズス菌や乳酸菌)を増やす働きをもつ成分のことです。
はちみつにはオリゴ糖やグルコン酸が含まれ、これらが腸内細菌のエサとなり、善玉菌の活動を活性化させます。その結果、腸内細菌のバランスが整い、さまざまな健康効果が期待できます。
抗菌・抗炎症作用
抗菌作用をもつグルコースオキシターゼと呼ばれる酵素が含まれています。この酵素は、はちみつの表面で空気中の酸素から殺菌成分である過酸化水素を生み出します。
この機序から、はちみつは「天然の防腐剤」とも呼ばれ、古くから傷の治療や喉の痛みをやわらげる民間療法で活用されてきました。
抗酸化作用
ポリフェノールやフラボノイドが含まれていることから、抗酸化作用を発揮します。
抗酸化作用は、体内で発生する活性酸素を抑える働きのことで、老化の予防や生活習慣病のリスク低減に役立つとされています。
はちみつに期待できる健康効果5選

はちみつは天然のサプリメントとも言える食品です。ここでははちみつの適切な摂取により期待できる健康効果を紹介します。
腸内環境を整え、便秘予防に
はちみつに含まれるオリゴ糖(イソマルオリゴ糖)は、腸内のビフィズス菌を増やす働きがあり、継続的に摂取することでおなかの調子を整える効果が期待できます。
便の回数が少なく悩んでいる方、便や「おなら」の量・臭いが気になる方、腸内から肌の調子を整えたい方におすすめの食品です。
肌や血管の若々しさを維持
はちみつにはポリフェノールが含まれているので、抗酸化作用をもちます。抗酸化作用により、シミ・シワなどの予防、血管を健康に保つ健康効果が期待できます。
抗酸化のパワー(抗酸化力)は、はちみつのなかでも蕎麦はちみつやマヌカハニーで強いことが知られているので、すでに注目されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
生活習慣病を予防する
糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を予防するということです。トロント大学の研究分析によると、はちみつを適量食べることで血糖値やLDLコレステロール値、中性脂肪値などが下がる傾向があることがわかっています。
また、脂肪肝に関する炎症マーカーも改善されることも期待できます。ただしこれらは低温殺菌されていない「生のはちみつ」を摂取した場合に期待できる効果です。
睡眠の質を向上する
アミノ酸の1つであるトリプトファンは、メラトニンと呼ばれる睡眠に必要なホルモンの生成を促進することがわかっています。
メラトニンは、脳の松果体で分泌されるホルモンで、睡眠と覚醒を調整する働きをもちます。
はちみつ入り牛乳の摂取が睡眠の改善に効果がみられたという研究報告があること、はちみつがゆるやかな血糖値上昇を促すという特徴から、睡眠の質を向上することは期待できます。
風邪などによる喉の痛みをやわらげる効果
はちみつに含まれるグルコースオキシターゼと言う酵素による抗菌作用により、喉の炎症が緩和され、風邪や咳の症状をやわらげる効果が期待できます。
とくにマヌカハニーは抗菌作用が強く、風邪の初期症状や口腔内の感染症の改善効果が報告されています。マヌカハニーとはニュージーランドでしか採蜜できない希少価値の高いはちみつです。
効率的にはちみつを取るポイント
はちみつの栄養価の特徴を生かした、効率的な摂取のポイントを4つ紹介します。目的によって、適切な摂取のタイミングが変わってきます。
また、取りすぎると健康にデメリットが生じます。自身のお悩みにあわせて、選択してみてくださいね。
大さじ1杯を毎日摂取する
はちみつに含まれるオリゴ糖の効果を発揮させるには、毎日適量摂取を継続することです。
はちみつを毎日大さじ1杯をヨーグルトに入れて摂取することで腸内環境改善に効果的であることが確認されています。
ヨーグルトに含まれる有用な菌も一緒に摂取することになり、相乗効果が期待できます。
さまざまな研究結果やWHOの砂糖摂取の目安料を参考にしつつ、料理などからの砂糖摂取を考慮すると「大さじ1杯程度」を1日の目安にしましょう。
適量を超えた摂取は血糖値の急上昇や肥満、虫歯のリスクになるため注意が必要です。
砂糖の代替えとして料理に活用する
白い砂糖のかわりに料理などで活用することもおすすめです。
砂糖は10g当たり39kcal、はちみつは33kcalとエネルギーに大差はないものの、砂糖には含まれていないビタミン類、アミノ酸が摂取でき、比較的血糖値の上昇がゆるやかになるというメリットがあります。旨みやコクもあるので、煮物や照り焼きに向いています。
しかし、からだに良いからと、もともとの砂糖の使用量よりも増やさないように気を付けましょう。
エネルギー補給をしたいなら、朝や運動前に
はちみつに含まれる糖質が速やかにエネルギー源になるという性質を踏まえると、活動を開始する朝や運動をはじめる前に摂取すると良いでしょう。
はちみつの摂取が集中力を向上させ、疲労軽減効果が期待できるという報告もあります。日中の仕事での生産性を高めたい、運動で高いパフォーマンスを発揮したいという方は、朝のはちみつ習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。
安眠効果を期待したいなら、就寝前に
一方で、睡眠のお悩みにアプローチしたいという方は就寝前に摂取するのも方法の1つです。はちみつ入りの牛乳を摂取することで睡眠の質が改善されたという報告があります。
血糖値上昇による肥満リスクを考慮すると、牛乳に入れるはちみつの量は小さじ1杯(約5g)程度をおすすめします。
まとめ
今回ははちみつの栄養価、健康効果、効果を引き出すとり方について紹介しました。手軽にとれて、さまざまな健康効果が期待できます。
適切なタイミング、量による健康・美容・アンチエイジングへの助力は計り知れません。しかし、誤った摂り方をすると、健康に逆効果となることもあるため、適量と適切なタイミングを知っておくことが大切です。
※はちみつは1歳未満には絶対に与えないようにしましょう。ボツリヌス菌による「乳児ボツリヌス症」の原因になります。
<参考文献>
食品成分データベース はちみつ(出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)
日本薬局方 ハチミツ
トロント大学 「ハチミツは心臓代謝リスクを軽減」2022年11月
公益財団法人長寿科学振興財団 ポリフェノールの種類と効果と摂取方法
ハチミツ入りホットミルク飲用による睡眠障害の改善に向けての取り組み 2009年
世界保健機関(WHO)ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」

中村 瑞樹
フリーの管理栄養士として、個人向けの栄養指導、料理教室の講師、講演、レシピ制作、執筆などを行う。とくにダイエットのための食事指導を得意とし、今までのべ1,200名以上に指導してきた。調理師、琉球料理伝承人などの資格を保有
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