菱形筋の作用とは?肩こりの関係性や筋トレ・ストレッチのやり方もご紹介
公開日:2025.06.13

文:内藤 かいせい(理学療法士)
菱形筋とはどのような筋肉なのか、どのような作用があるのか詳しく知りたい方はいませんか?菱形筋は肩甲骨の動きに関わる筋肉で、日常生活でもさまざまな場面で使われています。この筋肉が衰えたり、負担が増加したりすると、肩こりをはじめとした身体の不調につながることもあるでしょう。
この記事では、菱形筋の解剖学的な知識やトレーニング方法をご紹介します。菱形筋の知識を深めることで、身体の不調を解消するきっかけになるでしょう。
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菱形筋とはどんな筋肉?

菱形筋とは、脊柱から肩甲骨の内側縁についている筋肉です。ここでは、菱形筋の概要について詳しく解説します。
大・小菱形筋の2つに分かれている
菱形筋は、大・小の2つに分かれている筋肉です。それぞれの筋肉の起始・停止や支配神経について、以下の表にまとめました。
【小菱形筋】
| 起始 | 下部項靭帯 第7頸椎と第1胸椎の棘突起 |
|---|---|
| 停止 | 肩甲骨内側縁 |
| 作用 | 肩甲骨を内上方に引く |
| 支配神経 | 肩甲背神経(C4,C5) |
【大菱形筋】
| 起始 | 第2〜4胸椎の棘突起および棘上靭帯 |
|---|---|
| 停止 | 肩甲骨内側縁 |
| 作用 | 肩甲骨を内上方に引く |
| 支配神経 | 肩甲背神経(C4,C5) |
どちらも作用は同じですが、小菱形筋よりも大菱形筋の方が大きい傾向にあります。
菱形筋の作用
どちらの菱形筋も、おもな作用は肩甲骨を内側に引き寄せることです。具体的には、肩甲骨の内転や下方回旋が生じます。
肩甲骨は、上肢の運動を支える土台となる骨といえます。そのため、菱形筋はさまざまな上肢の動きに関わっている筋肉です。また、肩甲骨を内側に寄せることで姿勢を維持し、背筋を伸ばす役割も担っています。
菱形筋と肩こりの関係性

菱形筋は姿勢や肩甲骨の動きに関わる筋肉ですが、硬くなると肩こりの原因となることも少なくありません。肩こりの原因としてあげられるのが、姿勢の悪さです。猫背や円背など、背中が丸まった姿勢を長時間続けると肩甲骨が外側に広がり、菱形筋に負担がかかりやすくなります。
菱形筋は肩甲骨の内転に関わる筋肉なので、姿勢が悪いと常に負担がかかる状態となります。結果的に、菱形筋が凝り固まってしまい、肩こりにつながるのです。とくに、以下のような方は菱形筋が硬くなりやすい傾向にあります。
● スマートフォンをよく使用する方
● 手芸や編み物などの前かがみの作業をする方
● 同じ側を下にして横向きに寝る方
菱形筋のトリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、筋肉内の過敏な部分のことで、押すと痛みが広がることがあります。菱形筋にも発生しやすく、肩甲骨まわりの不調につながることもあります。
菱形筋のトリガーポイントは、肩甲骨の内側から背骨にかけての広い領域に発生しやすいのが特徴です。この部分に痛みやこりを感じる場合、菱形筋にトリガーポイントが形成されている可能性が高いといえます。
トリガーポイントを解消するには、菱形筋の負荷をかける姿勢を改善し、適度にストレッチを行うことが重要です。
菱形筋のおすすめの筋トレ方法
菱形筋の衰えを防ぐには、筋トレによって筋力を高めることが重要です。ここでは、菱形筋を鍛えられるトレーニングをご紹介します。
菱形筋の筋トレ方法:その1
ここでは、1つ目の菱形筋の筋トレ方法についてみていきましょう。
【菱形筋の筋トレ方法】
2. 軽く脇をしめて、肘を90度屈曲する
3. 両肩を持ち上げつつ、肩甲骨を内側に寄せる
4. 両肩を下し、もとに戻る
5. 3〜4の手順を10回×2〜3セットを目安に行う
菱形筋の筋トレ方法:その2
ここでは、2つ目の菱形筋の筋トレ方法についてみていきましょう。
【菱形筋の筋トレ方法】
2. バンドを両足に引っ掛けて、両手で持つ
3. 上半身をまっすぐにした状態で、バンドを後方へ引く
4. 力を抜く
5. 3〜4の手順を15〜20回×2〜3セットを目安に行う
バンドを引く際は、肩甲骨を内側に寄せることを意識して行いましょう。
菱形筋の筋トレ方法:その3
ここでは、3つ目の菱形筋の筋トレ方法についてみていきましょう。
【菱形筋の筋トレ方法】
2. 腰を45度ほど曲げて前屈姿勢になり、肘を伸ばす
3. 肘を引き、肩甲骨を内側に寄せながらダンベルを真上に持ち上げる
4. ゆっくりともとに戻る
5. 3〜4の手順を15〜20回×2〜3セットを目安に行う
菱形筋のストレッチのやり方
菱形筋のストレッチをすることで、筋肉の柔軟性が高まり、肩甲骨の動きがスムーズになります。結果的に、肩こりの予防・改善につながります。ここでは、菱形筋のストレッチ方法についてみていきましょう。
【菱形筋のストレッチのやり方】
2. 首や背中を丸める
3. 両手をできるだけ前に伸ばし、両方の肩甲骨を広げる
4. 20秒ほどキープしたらもとに戻る
菱形筋の起始・停止や作用をおさえておこう
菱形筋は背中についている筋肉で、肩甲骨内転の作用があります。菱形筋は肩甲骨の動きだけでなく、姿勢の維持にもつながっています。悪い姿勢が続くと、この筋肉が凝り固まって肩こりを引き起こすこともあるでしょう。
このような身体の不調を改善するには、筋トレやストレッチの実施が重要です。ぜひ今回の記事を参考にして、菱形筋に対してアプローチしてみましょう。

内藤 かいせい
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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