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肩甲下筋はどんな筋肉?おもな作用やおすすめのトレーニングをご紹介

公開日:2025.06.18 更新日:2025.06.24

肩甲下筋はどんな筋肉?おもな作用やおすすめのトレーニングをご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

肩甲下筋はどんな筋肉なのか、どんな役割があるのか知りたい方はいませんか。肩甲下筋は肩の動きに関わる筋肉で、関節の安定性を高める働きもあります。

この記事では、肩甲下筋の具体的な作用や関連する疾患をご紹介します。この筋肉の特徴を知ることで、効果的なアプローチが可能となるでしょう。

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肩甲下筋とはどんな筋肉?

肩甲下筋はどんな筋肉?おもな作用やおすすめのトレーニングをご紹介
肩甲下筋とはどんな筋肉なのでしょうか。ここでは、肩甲下筋の起始・停止やおもな作用について解説します。

肩甲下筋の起始・停止

肩甲下筋は、肩甲骨から上腕骨にかけてついている筋肉です。肩甲下筋の起始・停止や支配神経は、以下のとおりです。

起始 肩甲骨肋骨面(肩甲下窩)
停止 上腕骨大結節の上部
小結節稜の上端内側
作用 肩関節の内旋
支配神経 肩甲上神経(C5,C6)

触診方法としては、被検者に背臥位になってもらい、肩関節を90度屈曲します。そして、肩甲骨外側縁と胸郭の間に指を押し込みます。このときに肩関節内旋をしてもらうと、筋収縮の触知が可能です。

肩甲下筋のおもな作用

肩甲下筋のおもな作用が、肩関節の内旋運動です。肩関節の内旋運動は、普段の生活でもよく使う動きです。具体的な動作は、以下のとおりです。

● ドアノブを回す
● スプーンでものをすくう
● ドライバーでネジを回す

このように、肩甲下筋は日常生活の細かな動作をするうえで欠かせない筋肉といえます。

肩甲下筋と腱板の関係性

肩甲下筋は肩関節の運動に関わるだけでなく、「腱板」を構成して肩関節の安定性を高める役割もあります。腱板とは、筋腱の集まりのことで、以下の4つの筋肉から構成されています。

● 肩甲下筋
● 棘上筋
● 棘下筋
● 小円筋

これらの筋肉が連携して働くことで、肩関節の安定性を高めつつ、スムーズに動かせるようになります。肩関節は可動域が広い反面、不安定性のある関節のため、これを腱板で補っているのです。

一方で、筋肉の衰えや損傷など、腱板に何かしらの問題が生じた場合、肩関節の安定性が低下してケガや脱臼の原因となります。

肩甲下筋と関係のある疾患

肩甲下筋はどんな筋肉?おもな作用やおすすめのトレーニングをご紹介

肩甲下筋と関係のある疾患には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な疾患をご紹介します。

腱板断裂

腱板断裂とは、腱板が部分的または完全に断裂した状態のことです。腱板断裂のおもな症状は、肩の痛みや運動制限などがあげられます。腕は上げ下げの途中で痛みを感じる、夜間に痛みが強くなるなどが特徴的です。腱板断裂は以下のような原因がきっかけで、腱板に負担がかかることで発症します。

● 加齢による腱板の衰え
● 肩の過度の使用
● 外傷

治療方法としては、症状や断裂の程度によって保存療法と手術療法に分かれます。保存療法ではリハビリやステロイド注射などが行われ、広範囲の断裂がある場合は手術が必要となることもあります。

肩関節周囲炎(五十肩)

肩関節周囲炎は「五十肩」と呼ばれており、肩関節とその周囲の組織に炎症が生じる疾患です。五十肩の特徴は、肩関節の痛みと可動域の制限です。痛みを避けるために肩を動かさないでいると、筋肉の拘縮が進み、さらに動きが制限されるという悪循環に陥ります。

五十肩は、以下のような関節を構成する組織が加齢によって衰え、傷ついて炎症を起こすことが原因とされています。

● 軟骨
● 靭帯
● 筋肉の腱

症状が軽度の場合は、時間が経てば自然に回復することもあるでしょう。一方で、症状が重度の場合は保存療法や手術による対応が必要なケースもあります。

脳卒中による亜脱臼

肩甲下筋による問題は、脳卒中による亜脱臼にも関係しています。脳卒中とは、脳の血管が詰まる、破れるなどの障害によって血液が行き渡らなくなる病気のことです。脳卒中によって上肢に麻痺が残ると、肩まわりの筋肉の機能低下につながります。筋肉の緊張が低下し、腱板の働きがうまく機能しなくなると、重力によって上腕骨が下方に引っ張られて肩関節の亜脱臼が生じやすくなるのです。

亜脱臼が起こると、関節周囲の組織が伸ばされ、強い痛みを引き起こすことがあります。この亜脱臼による痛みを改善するためには、スリングや三角巾の使用、肩のリハビリなどが重要です。

肩甲下筋を鍛えるためのトレーニング

肩の疾患の発症予防をするためには、肩甲下筋をはじめとした腱板のトレーニングが重要です。ここでは、肩甲下筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。

【肩甲下筋のトレーニング:その1】

1. 立った状態で片方の手を机や手すりに添える
2. 前屈みになり、反対の手を脱力させる
3. リラックスした状態で、脱力させた手を前後左右に揺らす
4. 反対の手で行う

【肩甲下筋のトレーニング:その2】

1. イスに座って背筋を伸ばす
2. 片方の肘を脇に軽くつけて、肘を90度屈曲させる
3. 腕を左右に動かす(内外旋させる)
4. 反対の手で行う

肩甲下筋のストレッチ方法

腱板をうまく働かせるためには、ストレッチで柔軟性を高めることも重要です。ここでは、肩甲下筋をはじめとした腱板のストレッチをご紹介します。

【肩甲下筋のストレッチ:その1】

1. 正座になり、片方の腕をイスやソファに乗せる
2. 乗せた腕を動かさないように、ゆっくりと上体を前に倒す
3. 倒した上体を20秒ほどキープする
4. 反対の腕で行う

腕を乗せる際は、肩の高さのものを選びましょう。

【肩甲下筋のストレッチ:その2】

1. うつ伏せになり、腕を頭の位置まで上げる
2. 片方の肘を床につけつつ、90度曲げた状態で外旋をする
3. できる範囲まで外旋した状態を20秒ほどキープする
4. もとに戻り、反対の手で行う

肩甲下筋の役割を学ぼう

肩甲下筋は肩の内旋に関わる筋肉で、普段の生活でも使用する機会が多いです。肩甲下筋はほかの筋肉とともに腱板を形成し、肩関節の安定性を高める役割もあります。

腱板は肩をスムーズに動かすために欠かせない要素なので、継続的なトレーニングも重要です。ぜひ今回の記事を参考にして、肩甲下筋に関する知識を臨床で活かしてみましょう。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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