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咬筋の発達のしすぎは要注意?おもな作用や筋肉をほぐす方法をご紹介

公開日:2025.06.19

咬筋の発達のしすぎは要注意?おもな作用や筋肉をほぐす方法をご紹介

文:内藤 かいせい(理学療法士)

両頬にある咬筋には、どのような役割があるのか知りたい方はいませんか?咬筋は咀嚼筋(そしゃくきん)の一つで、口の運動に関わっている筋肉です。一方で、この筋肉が発達しすぎると、さまざまな悪影響をおよぼす恐れがあります。

この記事では、咬筋の作用や発達しすぎによる影響、筋肉をほぐす方法をご紹介します。咬筋の詳細について知ることで、適切なケア方法を実践できるでしょう。

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咬筋とはどんな筋肉?

咬筋の発達のしすぎは要注意?おもな作用や筋肉をほぐす方法をご紹介

咬筋とは、どのような筋肉なのでしょうか。ここでは、咬筋の起始・停止やおもな作用について解説します。

咬筋の起始・停止

咬筋とは、頬から顎にかけてついている筋肉です。咬筋の起始・停止や支配神経について、以下の表にまとめました。

起始 浅側:頬骨弓前面の下縁
深側:頬骨弓後面の下縁
停止 下顎骨の外面

浅側:咬筋粗面の下部
深側:咬筋粗面の上方

作用 下顎骨を上げる
歯を噛み合わせる(閉口)
支配神経 下顎神経の咬筋神経

咬筋は表層にある筋肉のため、触診が容易です。頬骨弓に触れ、歯を食いしばってもらうことで咬筋の触知および筋収縮の確認が可能です。

咬筋の作用

咬筋は咀嚼筋と呼ばれる筋肉の一つで、おもな作用は下顎を上顎に引き上げる「閉口運動」です。普段行っている食事の際の咀嚼動作は、この咬筋の働きが大きく関わっているのです。とくに硬い食べ物をかみ砕く際に、咬筋が強く働きます。

食事の際の咀嚼だけでなく、歯を食いしばる動作においても咬筋は活発に働いています。このように咬筋は、口腔機能において重要な役割がある筋肉で、食生活を支える基盤といえるでしょう。

咬筋に関わる筋肉

咀嚼筋に分類される筋肉は、咬筋以外にも以下があげられます。

● 側頭筋
● 外側翼突筋
● 内側翼突筋

これらの筋肉が協調して働くことで、スムーズな咀嚼が可能となります。それぞれの筋肉の起始・停止や作用は、次のとおりです。

【側頭筋】

起始 側頭鱗外面
側頭筋膜の深葉内面
停止 下顎骨の筋突起
作用 下顎骨を上げる
歯を噛み合わせる(閉口)

後部:下顎骨を後方へ引く

支配神経 下顎神経の深側頭神経

【外側翼突筋】

起始 上部:蝶形骨の側頭下稜
蝶形骨大翼の側頭下面
下部:翼状突起外側板
停止 顎関節円板

下顎頸の翼突筋窩

作用 下顎頭を前方に引く

片側:下顎骨前部が対側に働く
両側:下顎骨全体が前方に働く、開口する

支配神経 下顎神経の外側翼突筋神経

【内側翼突筋】

起始 翼状突起後面の翼突窩
停止 下顎角内面の翼突筋粗面
作用 下顎骨を上げる
歯を噛み合わせる(閉口)
支配神経 下顎神経の内側翼突筋神経

咬筋が発達しすぎるとどうなる?

咬筋の発達のしすぎは要注意?おもな作用や筋肉をほぐす方法をご紹介

咬筋の使いすぎによって過度に発達すると、身体にとってさまざまな悪影響が出ることもあります。ここでは、咬筋が発達しすぎるとどうなるのかについて解説します。

エラが張りやすくなる

咬筋が発達しすぎると、筋肉が肥大化して頬の部分が膨らみ、エラが張りやすくなります。エラの張りが目立つと、輪郭が四角く見えて、顔が大きい印象を与えることがあります。

またエラの張りによって、実際の体型よりも太っている印象に見えることもあるでしょう。このように、咬筋の発達によって見た目に悩む方も少なくありません。

頭痛や肩こりの原因となる

咬筋の発達のしすぎは見た目だけでなく、頭痛や肩こりなどの身体的不調にもつながります。咬筋に過度な力がかかり続けると、筋肉が緊張して硬くなります。筋肉が凝り固まると血流が悪くなり、老廃物が蓄積されやすくなるのです。

さらに、咬筋が緊張すると周囲の筋肉にも余計な力が入りやすくなり、首や肩の筋肉も凝りやすくなります。長期間放置すると慢性的な症状につながる可能性もあるため、早めの対策が重要です。

顎関節症の原因となる

咬筋の発達は顎関節症を引き起こす原因となります。顎関節症とは、顎の関節に以下のような症状が現れている状態のことです。

● 口を大きく開けられなくなる
● 口の開閉時に「カクカク」「ゴリゴリ」などの音がする
● 顎に痛みや違和感がある

咬筋が凝り固まった状態が続くと、顎関節に過度な負担がかかり、このような症状が現れやすくなります。症状が軽い段階では生活に支障をきたしにくいですが、進行すると少しずつ悪影響が出る恐れがあります。

咬筋が発達しすぎる原因

咬筋が発達しすぎる原因として、おもに以下があげられます。

● 歯ぎしり
● 歯の食いしばり
● ストレス
● 食習慣
● スポーツ
● 噛み合わせの問題

歯ぎしりは就寝中に無意識に行われることが多く、通常の咀嚼よりも強い力が咬筋にかかります。歯の食いしばりは、スポーツ中やストレスを感じたときなどに起こりやすいです。

さらに、硬い食べ物を好んで食べている方は、咀嚼のたびに咬筋に強い力がかかるため、自然と筋肉が発達しやすくなります。これらの原因を理解し、自分の習慣を見直すことが、咬筋の過度な発達を防ぐきっかけとなります。

咬筋をほぐす方法

咬筋をよく使っていると、凝り固まっていることも多いでしょう。凝り固まった咬筋をほぐすためには、どのような方法を実践すればよいのでしょうか。ここでは、咬筋をほぐすおすすめの方法をご紹介します。

セルフマッサージ

セルフマッサージによって、咬筋の緊張をほぐしてみましょう。咬筋のマッサージ方法は、以下のとおりです。

【咬筋のマッサージ方法】

1. 頬骨の下にある咬筋に、親指や中指で軽く触れる
2. 指で軽く押し込み、円を描くように動かす
3. 1分ほど動かしたら反対方向に動かす

マッサージする際は皮膚表面だけでなく、少し圧をかけて筋肉に触れるようにして行いましょう。痛みが強すぎない程度の力で行ってみてください。

ストレッチ

ストレッチによって咬筋を伸ばすことで、筋肉の柔軟性の改善が期待できます。咬筋のストレッチ方法は、以下のとおりです。

【咬筋のストレッチ方法】

1. 口を大きく開ける
2. 口を開けた状態を10〜20秒ほどキープする
3. ゆっくりと口を閉じる

口を大きく開けることで、咬筋が上下に伸ばされます。このような方法で咬筋をほぐし、緊張をやわらげてみましょう。

咬筋の特徴をおさえて使いすぎに注意しよう

咬筋は下顎骨の運動に関与しており、食事で咀嚼するためには欠かせない筋肉です。咬筋をはじめとした咀嚼筋が協調して働くことで、円滑な咀嚼が可能です。一方で、この筋肉を使いすぎると過度に発達し、身体に悪影響をおよぼす恐れがあります。

咬筋の発達のしすぎを予防するためには、普段の生活の見直しやマッサージ・ストレッチなどを行うことが重要です。

内藤かいせい

内藤 かいせい

理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立する。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。

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