足底筋膜炎の治療法とは?自分でできる対処方法やストレッチを解説!
公開日:2025.07.03

文:服部 恵実(理学療法士・ピラティスインストラクター)
「歩き始めに足が痛い」「踵の内側が痛む」というお悩みをお持ちではないでしょうか。その症状は、もしかしたら足底筋膜炎かもしれません。足底筋膜炎とは、足の裏で踵から足趾までを繋ぐ組織である「足底筋膜」に炎症が起こっている状態です。
そこで当記事では、足底筋膜炎になってしまった時の対処法とストレッチ方法を解説します。正しく対処し、そして再発予防を行うことであなたの大切な足を守りましょう。
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目次
足底筋膜炎とは?
足底筋膜とは、足の裏に広がる厚い結合組織です。母趾外転筋〜小趾外転筋までの足底表面を覆っています。その中でも、足の内・外側の筋間中隔の間にある足底筋膜のことを、足底腱膜と言うのです。踵骨隆起から第1〜5趾の基節骨に付着しています。
過度な負荷や不適切な動作によって、この部分に炎症が起こり、痛みやこわばりが発生するのが足底筋膜炎です。
起床して最初の一歩目に痛みを感じることが多く、歩くうちに症状が軽減します。そしてまた長時間に渡り歩いたり立っていると痛みが強くなることがあるのです。
足底筋膜炎と足底腱膜炎の違いは?
「足底筋膜炎」と「足底腱膜炎」は、呼び方が異なりますが、基本的に同じ病気を指します。日本足の外科学会では、足底腱膜炎という呼称を用いるとされていますが、一般的には足底筋膜炎とも呼ばれています。
足底筋膜炎(足底腱膜炎)を引き起こす要因
基本的に足底筋膜炎は、局所的に機械的ストレスの蓄積により発症します。主に、スポーツなどによる過負荷や長時間の立ち姿勢や歩行、体重の増加、アライメント不良などにより、足に負荷がかかることが要因です。
さらに痛みの要因を見ていくと、足底筋膜・腱膜の緊張が高まっている時に痛みが出る場合と、足底筋膜・腱膜の緊張が低下していることで痛みが出る場合があります。
スポーツなどによる過負荷
ランニングやジャンプ動作を繰り返すスポーツ(バスケットボール、陸上競技など)では、足底筋膜に繰り返し強い牽引力や衝撃が加わります。特に、筋力や柔軟性のバランスが崩れている状態での過負荷は、筋膜の付着部に過剰な張力を生じさせ、損傷・炎症の原因となります。
足のアライメント不良
偏平足(足部内側アーチの低下)や回内足、ハイアーチといった骨配列の異常は、足底筋膜への張力分布を不均等にします。その結果、特定部位へのストレスが増加し、炎症が発生しやすくなります。そのため、安静時・動作時の足部評価と調整が重要になります。
長時間の立ち姿勢や歩行
日常的に立ち仕事や長時間の歩行を行っている方は、足底筋膜が伸張・収縮を繰り返すストレスにさらされ続けているため、筋膜組織に微小損傷が蓄積されやすくなります。そのため立ち仕事の方は適度に歩いたり、長時間に渡り歩く方は適切なアライメントを取れているか、クッション性があり足にあった靴を履いているかなどを確認すると良いでしょう。
BMIの過剰
体重が増加すると、それに比例して足底筋膜にもより大きな負荷がかかります。特に体重のかかる踵部にストレスが集中し、炎症を引き起こしやすくなります。
足のアライメントや姿勢などはもちろん重要ですが、体重コントロールも合わせて視野に入れると良いでしょう。
足に合わない靴を履いている
クッション性やアーチサポートが不十分な靴は、足底筋膜への緩衝力が弱く、炎症を悪化させることがあります。踵の安定性が欠けている靴や、硬すぎるソールの靴はリスクが高まりますので、それぞれの方の足にあった靴を選択できているのかも合わせて検討していきましょう。
足底筋膜炎(足底腱膜炎)になった時の対処法
足底筋膜炎(足底腱膜炎)になってしまい症状がある際の対処法について解説します。基本的には保存療法で症状が軽快すると言われています。方向性としては、足部に負荷がかかっている状態ですので、そのストレスを軽減することが重要です。
ジョギングなど過度な運動を中止する
ジョギングなどの足部に衝撃が加わる運動は、症状を悪化させる可能性があります。特に急性期にはそのストレスを軽減することから始めましょう。
インソール
エビデンスでは、痛みを抑えたり機能改善の目的でインソールは有効だと言われています(GradeA)。1)インソールを挿入することで、足底筋膜・腱膜の過剰な緊張が軽減し、症状が緩和するようであれば使用すると良いでしょう。
ただし、使い方を間違えると逆効果になってしまうので注意が必要です。それぞれの方のアライメントや痛みの原因などを評価し、適切なものを選択しましょう。
ストレッチ
アキレス腱や下腿三頭筋が硬いと、足底筋膜・腱膜の緊張が高まります。引っ張られることでストレスがかかり、炎症や痛みなどを引き起こす可能性があります。そのため、アキレス腱や下腿三頭筋など下肢のストレッチを行うことが重要です。また足底腱膜自体をリリースしたりストレッチすることも推奨されています。1)
体外衝撃波療法
低出力の衝撃波を照射することで、血管の再生を促したり、神経を変性させる治療法です。そうすることで痛みを抑える働きがあります。国内では導入している施設はまだ少ないようですが、海外では足底腱膜炎やゴルフ肘・テニス肘など整形疾患の治療に用いられています。
装具療法
もし症状が6ヶ月以上続く場合には、装具療法も検討されます。装着することで筋膜・腱膜の張力が軽減し、症状緩和につながる可能性があるのです。
また夜間に装着する装具もあり、装着することで下腿三頭筋や足底筋膜・腱膜のストレッチを行い、症状緩和を目指すという方法です。
【自分でできる】足底筋膜炎(足底腱膜炎)の予防・改善ストレッチ
それでは、足底筋膜炎の予防、改善に向けたストレッチ方法を解説します。
下腿三頭筋ストレッチ
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が硬い方は、足底筋膜・腱膜が引っ張られて、ストレスがかかり炎症を引き起こしている可能性があります。そのため下腿三頭筋のストレッチを行うことが推奨されています。
⒈四つ這いの姿勢になりましょう。肩の下に手首、股関節の下に膝がくるようにします。

⒉股関節を引き込むようにお尻を後ろに下げましょう。

⒊ゆっくり膝を浮かして、お尻を天井に向かって引き上げます。腰が丸くならないように意識しましょう。

⒋踵を上げたり下げたりすることでふくらはぎのストレッチも行えます。
足底腱膜ストレッチ
足底腱膜自体のストレッチもガイドラインでは推奨されています。1)
⒈指を反らします。そして直接、指で押すようにしてストレッチを行いましょう。

⒉繰り返し行ってみましょう。
足指ほぐし
足趾の筋肉が硬くなっていることで足底腱膜の緊張も高まったり、逆に筋肉が使えていないことでストレスが増える場合があります。そのため、足の指をしっかりと動かしていきましょう。
⒈まずは手で足の指を一本ずつ上下に動かし、ほぐしていきましょう。

⒉次に足の指を大きく外に開いたり、ぐっと握ったりします。
⒊足の指がほぐれてきたら、次は手を使わずに足の指を動かしていきましょう。グーチョキパーの動きをすべて行えることが理想的です。
まとめ
今回は足底筋膜炎(足底腱膜炎)になった場合の対処法と予防のためのストレッチを解説しました。
足底筋膜炎(足底腱膜炎)になる要因は、足底筋膜・腱膜の緊張が高まっていたり逆に緊張が低下していることなどが考えられます。そしてスポーツや長時間の立ち仕事、体重が増えることなどでさらなる負荷がかかり、発症するケースが多いです。
特に下腿三頭筋や足底筋膜・腱膜自体の緊張が高まっていることでストレスがかかりやすいケースは多いので、ストレッチを行ったり、姿勢や体の使い方を整えることで普段から負荷がかかりにくい状態をつくれると良いでしょう。
もし足底筋膜炎(足底腱膜炎)になってしまった場合には、痛みを抑えるためにインソールやテーピング、体外衝撃波療法などを用いるケースもあります。それぞれの方の状態によって選択されるため、痛みが我慢できなかったり長引く場合には一度、整形外科を受診しましょう。痛みは我慢すると慢性化してしまうため、ぜひ早めの対処をおすすめします。
ぜひ当記事を参考にしていただき、あなたのお悩みを解決し、健康な身体を維持するためにお役に立てれば幸いです。
参考文献
1)J Orthop Sports Phys Ther 2014;44(11):A1–A23. doi:10.2519/jospt.2014.0303

服部 恵実
大学卒業後、理学療法士として大学病院に勤務。集中治療室や救命救急病棟にて手術後や集中的な全身管理が必要な方などを始め、計33診療科でのリハビリテーションを担当。その中で予防医療の重要性を痛感したため心臓リハビリクリニックへ移り、生活習慣病の再発予防を運動や食事など多方面からアプローチを行う。さらに本質的な予防医学を伝えていくには病院外で活動していく必要性があると感じ、ピラティスインストラクターへ転向。現在は、インストラクターや医療従事者向けの講師やオンラインサロン運営を行なっている。
Instagram:@_emiitreat_
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